脳炎について



脳炎ってなんのことだろう?
私もMIZUがそうなるまで、全く脳炎に対する知識がありませんでした。。。
「日本脳炎」は名前だけは知っておりましたが、蚊が媒体となるということ以外、それがどういうものであるのか、どのような症状になるかなど、別に知る機会も必要もありませんでしたし、興味を示す以前のことだったと思います。
しかし、皮肉にも娘が当事者となって知る機会を得るとは思いもしませんでした。
MIZUの場合は日本脳炎ではありませんでしたが、原因不明のウイルス性脳炎という診断でした。
確率は100万人に1人なのだそうです。

まずは脳炎について…
私は専門家ではありませんが、詳しい医療用語等も不足しておりますが、分かる範囲でご紹介いたしたいと思います。

では、脳炎とはどういう状態になるのか?
まず、CTスキャンを見ると一目瞭然なのですが、脳自体が萎縮してしまい、脳のしわが深くなります。

脳の萎縮とはどういうことか?
脳の細胞が何らかの菌の侵入により破壊されたことを意味します。脳がアイスクリームのように溶けてしまったような感じです。
ここが盲点で、脳細胞が破壊されるっていうことは、その細胞自体が死んでしまうということ。
そして
1度死んだ脳細胞は再生しないこと。。。
同時に、
死んだ脳細胞がまかなっていた体の機能も死んでしまうわけです。
「なぜ他の体細胞は再生できるのに脳細胞は再生しないのか?!」
本当に信じられなくて、納得できなくて、悔しくて仕方がありませんでした。

なぜ、脳の萎縮がおこるのか?
簡単に言えば、脳の中にウイルスが入り込み脳を破壊するためです。
いちばんこわいのは「発熱」でしょう。
MIZUの場合は熱性痙攣から始まり、入院2ヶ月くらいで脳炎と判明しました。
なぜ判明までこんなに期間があったのかはいまだに不明な部分なのですが、熱によりウイルスが脳に侵入しやすくなるということです。なぜウイルスが脳に入り込もうとするのか…?
体内であれば、ウイルスを駆除するために白血球が活躍します。
しかし、脳には白血球の駆除効果が届かないため、ウイルスは脳内に逃げ込もうとするのだそうです。
普通は脳内に逃げ込む前に白血球がウイルスを駆除するのですが、発熱の状態だと白血球自体の抗体作用が低下し、場合によってはウイルスが脳内に逃げ込むことがあるそうです。(脳の手前だと髄膜炎などになるのだそうです。)

そして脳内に逃げ込んだウイルスがゆっくり時間をかけて脳細胞を破壊していく・・・それが脳炎の原理のようです。
(間違っておりましたらどなたかフォロー入れて頂ければ助かります。。。。)

脳炎による症状について
レベルによるらしいですが、まず、運動能力、視力、聴力、知能等の部分部分に障害が現れること。しかし、どの部分に障害が現れるかは今の医学では判明できないということです。結局は欠落した脳細胞がまかなっていた機能がどこであるのか。。その分野の解明はまだまだ難しい世界らしいのです。余談になりますが、最近の新聞、ニュースなどを拝見いたしますと、この分野は日に日に進歩していて、遺伝子レベルでの治療も可能なところまで来ているということです。あのアルツハイマーさえ、治療が可能になりつつあるということが新聞に書いてありました。

脳の萎縮が薬によっても止まらない場合、死に至ります。
重症だと視力、聴力及び運動機能、知力にも影響が及び、歩けないしお話も出来ない、音も聞こえない、ましてやご飯、おしっこも一人で出来ないなど、感情の死んだ半植物人間のような状態になります。
軽いケースであれば時間的に個人差はあっても回復するらしいのですが、完全に回復する確率は低く、少なからずどこかに何らかの障害が残っていることが多いということ、それも大きくならないとどの部分ということは確定は出来ないようでした。
MIZUの場合は「重症」という診断をされ、歩くことすらままならない、とまで言われましたが、
さいわいにもその診断を裏切っておりますし、退院して1ヵ月後には伝い歩きをはじめ今では走り回っていますし、喜怒哀楽もはっきりしています。診断した医師の方がびっくりしているような状況で、まさに奇跡なのかもしれません。…しかし、実年齢よりも1年以上成長が遅れているのは確かですし、いまだにおしゃべりが出来ない状況です。長い目でみながらもやはりMIZUの将来に不安を感じざるをえないわけですが、MIZUの回復が目に見えるようになってきましたのでじっくりと構えながら、少しでも普通に近づくようにがんばっていきたいと思っております。

機能回復の可能性
MIZUの場合は1歳のときに脳炎になったわけですが、脳の形成途中の時期に発症したのが救いだったのかもしれません。
あとは子どもだけが持つ生命力の賜物なのでしょうか。
脳細胞は使われていない部分の方が多く、その使われていない細胞が欠落した細胞のまかなっていた機能の代理を果たすよう、上手くニューロンという情報伝達細胞と結合することで回復につながるということです。
リハビリと専門の訓練センターのOT、STなど、あとは様々なトレーニング例を参考にしながら家庭内でも独自に考慮し実践していくことが必要だと思います。
(当ページにある「ドーマン法」もご参照ください。)

いずれにしても、幼い時期の、まだ脳が出来上がっていない時期の脳炎幼児は、回復の確率はかなり高いということですので、くじけずにがんばるしかないと思います。それが親、あるいは家族の役目ですし、最善を尽くすことが大事であると思います。
当然、医師の診断結果はつらいものですが、それに落胆しているだけでは何も変わりませんし、ましてや、脳の分野は医学的視野においてもまだまだ未知の世界でもあるわけですから、医師の方も診断に断定は出来ないようでした。
医師の立場的にも「絶対に回復します」という軽はずみな約束はできないでしょうから、希望をお持ちになって回復に努めることが大事かと思います。つらいこともたくさんありますが、ひとつひとつ乗り越えることで幸せも大きくなります。MIZUが障害を持ったことは残念ですが、MIZUといっしょにがんばることで、多くの幸せをプレゼントしてもらったように思えます。




 瑞希へ吹く風トップへ戻る。