What is Arbalest? |
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Arbalestイタリアで全盛した画期的な武器、大型のクロスボウアルバレストはクロスボウという、中世のひし弓の一種である。通常のクロスボウとの最大の違いは矢をセットする部分が湾曲している為、矢以外の物も発射出来るという点にある。縦0.6〜1m、横幅0.5〜0.7m前後、そして重量は3〜10Kg程の兵器である。また、複雑な構造のために壊れやすく、費用も高いという特徴もあった。兵士に持たせて使用させる他、城に取り付けて防戦時に使用したり、逆に攻城兵器としても用いられた。 クロスボウの利点は相当な訓練を要するロングボウとは異なり、発射装置の操作を覚えるだけで威力の高い矢を、より遠くへと飛ばすことが出来た点にあった。その為威力、用法、射程距離ともにロングボウを遙かに凌ぐ性能を示した。使用される矢は特別なもので、クォーラル【quarrel】、又はボルト【bolt】と呼ばれる四角い鏃のものである。BCFにおいても通常の矢とは厳格に区別されている。 イタリアの都市国家では早くからこの兵器を買い入れ、西ヨーロッパではクロスボウを携えたジェノバ人が用兵として多数雇われることとなる。 取り分けこの兵器に惚れ込んだのがフランスで、1340年には最大で20000人ものクロスボウ部隊を雇っていたといわれる。ところが、この兵器には致命的な欠点があったのだ。それは発射するまでに時間が掛かりすぎたという、唯一にして最大の欠点であった。 そして100年戦争(1339〜1453)最初の決戦、クレッシーの戦いである。この戦いでフランス側の重装騎兵とジェノヴァのクロスボウ部隊はイギリス側の長弓部隊、すなわちロングボウ部隊に完敗する。1346年の事であった。以後フランスはジャンヌ=ダルク(Jeanne d'Arc 1412〜1431)が登場するまで窮地に立たされる事となる。 しかし、フランス軍はこれに懲りることなく、火器が登場するまでの間この兵器を見限る事は無かったという。それほどこの兵器は魅力が大きかった。この火器だが、皮肉な事にクレッシーの戦いの際、イギリスで初めて大砲が使用されている。つまりクロスボウの兵器としての寿命はこの時に既に終わりかけていたのである。 本格的なクロスボウ部隊の登場は14世紀前後であったが、その起源自体は古代ギリシアにまで遡る事が出来るほど古く、1066年、イギリスに侵攻してきたノルマン人の手にもこの兵器は携えられていて、戦争時には絶大な威力を発揮したように、クロスボウという兵器はヨーロッパの歴史全体で見れば非常に優れた兵器であったのは間違いないのである。 兵器としての寿命を終えたクロスボウは以後軽量化され、現在ではボウガンと名を変えて狩猟やスポーツ用として使われ続けている。 |
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