① 「アクセス権統制に於ける基礎的な制約条件」
a. 「ユーザIDによる管理に於ける、基礎的な制約条件」
1.母集団データの取得 (ユーザマスタ変更履歴)
・ ユーザマスタ変更履歴は、
①システムから出力されたユーザマスタの変更履歴ログが取得可能。
②最終更新日、権限内容の分かるユーザID一覧+手作成のユーザマスタの変更履歴の取得可能。
①または②のいずれかが取得可能。
2.母集団データの取得 (人事情報)
・ 人事情報に対しては、
退職日の分かる退職者一覧リストが入手可能である。
(人事発令、組織改訂の社内通達等、入力原票となるもの)
b. 「端末ID、共有ID、ID無しに於ける、基礎的な制約条件」 :
1.母集団データの種別 (端末マスタ変更履歴)
・ 端末マスタ変更履歴は、
①システムから出力された端末マスタの変更履歴ログが取得可能。
②手作成の端末マスタの変更履歴、③最終更新日、権限内容の分かる端末ID一覧の取得可能。
①または②のいずれかが取得可能。
② 「標準的な統制」 : アクセス権に於ける標準的な統制
a. 「ユーザIDによる管理に於ける、アクセス権の標準的な統制」
1.ユーザIDの存在と個人割当て
・ アプリケーションへのログイン時には、個人別に割り当てられたユーザIDが要求される。
IDは共有されていない。
2.パスワードなど本人確認の仕組みの存在
・ アプリケーションへのログイン時には、パスワードが要求される。
3.パスワード守秘のための仕組みの存在
・ 最少桁数の設定、禁止文字列、定期的な変更など、
パスワードを守秘するためのシステム的な仕組み、または人手による守秘の手続が存在する。
4.権限付与状況の把握
・ 誰にどのような権限を与えているかを把握できる。
5.ユーザID改廃手続(追加の場合)
・ ユーザIDの付与に対しては、然るべき承認を含んだ所定の手続が存在する。
(自動化されている場合、仕組みが把握されている)
6.権限内容の変更管理(異動の場合)
・ 異動による付与権限の変更に対しては、然るべき承認を含んだ所定の手続が存在する。
7.ユーザID改廃手続(削除の場合)
・ ユーザIDの削除に対しては、然るべき承認を含んだ所定の手続が存在する。
(自動化されている場合、仕組みが把握されている)
8.棚卸(ユーザIDおよび権限)
・ 定期的にユーザIDと権限内容の見直しが行われ、不要なIDや権限は適時に削除されている。
9.高権限ユーザの制限
・ アプリケーションレベルのオールマイティ権限、
およびユーザ登録が可能な権限の保有者は、職務上必要な者のみに制限されている。
b. 「端末ID、共有ID、ID無しに於ける、アクセス権の標準的な統制」
1.利用者個人の特定
・ 利用者名の分かる端末管理台帳などの管理資料が存在し、
当アプリケーションの利用者が誰であるかが管理されている。
2.端末IDとパスワードによるログイン制限
・ アプリケーションへのログイン時には端末ID(共有ID)とパスワードの入力が要求される。
または、画面に対するパスワード保護が存在する。
3.クライアント側ソフトウエアによる制限
・ クライアントソフト、端末エミュレータなどのPC側へ導入されたソフトウエアの有無によって、
アプリケーションへアクセスできる端末が限定される。
4.ネットワークのユーザIDによるアクセス制限
・ 個人単位に割り当てられた社内ネットワークのユーザIDが存在し、
ネットワークへのログインを経なければ、アプリケーションへアクセスできない。
5.入退室管理による制限
・ アプリケーションにアクセスできる端末が設置された場所には、
入退室管理が存在し、物理的に誰でもアクセスできる状態ではない。
6.パスワード守秘の仕組み
・ 最少桁数、禁止文字列、定期的な変更などのパスワードを守秘するための
システム的・人手による仕組みが存在する。
7.権限付与状況の把握
・ どの端末(共有ID)にどのような権限を与えているかを把握できる。
8.端末ID改廃手続
・ 端末ID(共有ID)の付与、変更、削除に対しては、
然るべき承認を含んだ所定の手続が存在する。
9.棚卸(端末IDおよび権限)
・ 定期的に端末ID(共有ID)と権限内容の見直しが行われ、不要なIDや権限は適時に削除されている。
10.高権限端末の制限
・ アプリケーションレベルのオールマイティ権限、および端末マスタの更新権限を
付与された端末の設置場所は限定されており、利用者は職務上必要な者のみに限定されている。
11.アクセスログのレビュー
・ 端末ID(共有ID)の分かるアクセスログが取られ、定期的にレビューされている。
③ 「アプリケーションアクセス権に於けるリスク」 : 統制が効かない場合に於いて以下のリスクがある
a. 「ユーザIDによる管理に於ける、アプリケーションアクセス権に於けるリスク」
1.ログイン
・ 誰でもログインできる(職務遂行上必要のない人でも)
・ ユーザの身元を特定できない
2.本人確認
・ 他人のユーザIDを使用できる
・ 他人のパスワードを盗める
3.利用権限管理
・ 過大(不要)または矛盾した権限が付与される
・ 職務権限以上の不正な操作ができる
b. 「端末ID、共有ID、ID無しに於ける、アプリケーションアクセス権に於けるリスク」
1.ログイン
・ 誰でもログインできる
・ ユーザの身元を特定できない
2.利用権限管理
・ 過大(不要)または矛盾した権限が付与される
・ 職務権限以上の不正な操作ができる