難聴者の聞こえ方

当たり前ですが、難聴の状態・暮らしている環境などにより、それぞれ人によって違います。
ここでは、私自身の聞こえ方について説明してみようと思います。


私のオージオグラム(聴力図)
XB年.03.22.S大学附属病院にて


これは、私の聴力をグラフに表したものです。

…私の右耳 …私の左耳
…30歳平均 …80歳平均
ちなみに検査当時の私は、20代後半。(^^;

平均聴力レベルは 右耳:56dB左耳:55dB


人間の会話の大部分は、500〜2000hzと言われています。
私の場合は会話に必要な高さの音のうち、高い音の方が聞き取りにくいということになります。

会話よりも高い音である電子音 (家電の出す「ピー」という合図音や、電子音目覚まし時計のアラーム等) は更に聞えにくくなります。
電子レンジで温め中は、レンジの前で待っています。
体温計は時計を見ながら、洗濯機などは時間を見計らって確認します。
自分の部屋の目覚まし時計は 「ベル音」 なので大丈夫ですが、旅先での備え付けのアラームだと目が覚めません。
旅先では携帯電話のアラーム (聞き取りやすい低めの曲をセットし、バイブレーター機能をONにして枕元に置く) が欠かせません…(^^;

会話の中でも、比較的高い周波数の必要な 「サ行」 の聞き分けが難しいようです。
会話の中に出てくる 「Sa・Si・Su・Se・So」 の 「S」 を半分かすれさせたような感じでしょうか?
母音が「I」の聞き分けも苦手です。(江戸っ子?)
アルファベットの聞き分けも苦手です。
「B・C・D・E・G・P・T」、 「F・L・M・N・S」 の判別がつきません。

そういう状態ですから、人の話している言葉は虫食い状態となります。
その虫食いの部分は、話しの流れや内容、話している人の口の動き、表情などから推測して補います。
これは、無意識のうちに身に付いた習慣です。
そういう感覚的、視覚的、な補助が上手く利用できない テレビや映画、ラジオなどの一方的な情報だと、
聞き取る為だけに集中力を要し、それだけで疲れてしまいます。
更に、吹き替えやアニメなど口の動きが声と一致しないものだと、特に人の名前などの 「名詞」 が聞き取れず、イライラします。



比較的大きな声で話してくれる人でも、少し離れてしまうと、やはり聞き取りにくくなります。
太鼓の革をムリヤリ手で押さえて叩いたように、こもったような感じで聞えてしまいます。
声の質にもよりますが、3メートル程離れている人の話が、「音としては聞えているけれど、言葉としては理解しづらい」 状態になります。
この、「音としては聞えているけれど、言葉としては理解しづらい」というのはとても厄介です。
なぜなら、健聴者にとっての大きな騒音は、私にとっても大きな騒音だからです。
小さい声が言葉として判断できない上に、まわりの騒音は比較的普通に聞えてしまうのです。
したがって、小さな声は騒音によって消されてしまう事になります。
例えば、健聴者が聞える小さな音を1、不快に感じる程の大きな音を10以上とした場合、
私の場合は、1〜3位までの音は聞こえず、10以上は不快に感じるのです。
つまり、音が聞えないというより、「心地よく聞える範囲が狭い」 状態だと言えます。

聞き取りがダメだと、発音も舌っ足らずになってしまいます。
自分では正しく発音をしているように聞えてしまうので、自覚はありません
録音した自分の声を聞いて、初めて気付きました。
自分の生の声と、録音された声って声の高さが違って聞こえますよね?
私の場合、声の高さどころか発音が違って聞こえます。
お陰で電話などでは、「あなた新入社員?」 とか 「周りの人によく聞いてね」 などと言われたことも…。
「舌っ足らず」 = 「頼りない子」 というように世間では思われてしまうようですね。
(まぁ、確かに 「出来る子」 では無いかも知れませんけどね…v)

忘れてはいけない事は、最初にも書いたとおり 「聞こえ方は人それぞれ違う」 という事です。
私のように高い音が聞こえにくい人もいれば、逆に低い音の方が聞こえにくい人もいます。
もちろん、「聞こえにくさ」 の度合いも、それぞれに違います。
ここに書いたものは、あくまでも私の聞こえ方であり、 『難聴者の数だけ 難聴者の聞こえ方がある』 という事を忘れないでください。