補聴器を着ければ、普通に聴こえるわけではありません。
周りの皆さんのご協力が必要です。
どうか、ご理解とご協力をお願い致します。
◇ハッキリとお願いします。
補聴器を着けたからといって、普通に聴こえるわけではありません。
補聴器はあくまでも音を大きくする為の道具です。
物理的に音が大きくなっても、脳で言葉として判断・理解をする機能が回復するわけではないのです。
出来るだけ向い合って、口元が見える状態で、ハッキリと話し掛けるようにして下さい。
ハッキリ、気持 ゆっくりと話して頂ければ、意識的な大声はあまり必要無いです。
耳の悪い人に対して、大声で怒鳴る人がたまにいらっしゃいますが、大きな声と怒鳴り声は違います。
怒鳴り声は、音が歪んでしまい、かえって聴き取りにくくなります。
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◇雑音が大きく聞こえてしまいます。
補聴器というのは、聞きたい音だけではなく、全ての音を拾って大きくしています。
従って、状況によっては雑音の方が大きく聞こえ、聞きたい音を消してしまう事もあります。
健聴者にはあまり気にならない、TVの音やエアコンの音、パソコンのキーボードの打ち込み音なども補聴器を使っていると大きく聞こえてしまいます。
(例えば、街中での会話をテープなどに録音して聞いてみて下さい。必要な会話よりも車の音や雑踏の音が大きく録音されていると思います。)
そういった状況をご理解頂き、必要に応じて、TVを消す、場所を変えるなどのご配慮をお願い致します。
◇努力をして使っています。
「補聴器を着けているのに聞こえないの?」
「着けても変わらないじゃん。」
という一言は、努力をして使っている人にとっては、大変キツイ一言です。
実際に、難聴の度合いは幅広く、音がしたか、しないか、を知る為に補聴器を着けているような場合もあります。
「補聴器を着けているから、普通に聴こえる」 という思い込みを捨てちゃって下さい。
◇会話の内容毎に辞書を持っています。
聴力に関係無く、全ての人は頭の中に辞書を持っています。
会話の内容毎にそれに関する項目の辞書を出してこなくてはなりません。
聴力に障害のある人は、特にその辞書に頼る部分が多くなります。
関係する辞書とすばやく入替える為に、話しの内容が変わる時には、 「話しは変わるけれど…」 「○○の事だけど…」 というように、話が変わる節目をハッキリ分かるようにお願いします。
◇聞こえたフリしちゃうクセを解かって下さい。
これについては、ハッキリ言って甘えになってしまいますが…。
難聴者の多くは、 「聞き返す事」 に対して、罪悪感を持っています。
「何度も聞き返すのは相手に悪い」
「皆で盛り上がっているのに、ここで聞き返したら…」
常に、そういった考えにとらわれてしまっています。
そう思いながら、更に 「聞こえたフリ」 をしてしまう自分に対しても嫌悪感を持っているのです。
曖昧な返事の時には、もう一度 「わかった?」 と聞いてみて下さい。
特に、仕事上や約束などの大切な内容の時には、確認をお願い致します。
これだけは、本当にお願いしたいのですが、おそらく、ほとんどの難聴者にとって一番辛い一言は、聞き返した時に 「もういい。」 と言われてしまう事であると思います。
どうかこの一言を言わないで、本人が納得出来るまでお付き合い下さい。
2、3度聞き返してきた時には、言いまわしを変えて、別の言葉で説明をして頂けると、解かりやすくなります。
また、数字を伝える時には指を添える、実際の方向や品物を指差す、などをして頂けると良いと思います。
* * * * *
私自身もまだ実践出来ていないのですが、聞き返す難聴者の皆さんも、ただ 「えっ?」 と聞き返すのではなく、何処が聴き取れなかったのかを、明確にしつつ、聞き返すようにしていきましょう。
例えば、 「おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは・・へ洗濯に行きました。」 という事に対して、 「えっ?」 だけだと、最初から全部言い直さなくてはいけません。
でも、 「えっ?おばあさんは何処へ行ったの?」 と聞き返せば、 「川へ行ったんだよ。」 だけで済みますよね?
難聴者である私が、この様な事を書いても、 『甘え』 になってしまうのかもしれないのですが、チョットだけ、気を使って頂けるだけで、随分違うものです。
ご面倒なのは充分承知の上、難聴者であり補聴器を使う者としての立場と、間接的にも補聴器を取り扱っているお店に携わる者としての立場、その両方から、ご配慮の程、よろしくお願い致します。