09年冬の房総横断列車

真冬に寒いところには行きたくはなく、少し前に訪ねた房総があまりによかったので、再訪する
ことに。今回は身延線の甲斐上野から乗車。甲府からは高尾行きの列車に乗り、チクチクと駒
を進めることに。中央線の115系が首都圏の他の路線のようにロングシート車主体に置き換え
られたら、多分特急に乗るか、高速バスにすることでしょう。貴重な115系に乗れるのは、きょう
日、贅沢なことなのかも。


     

勝沼ぶどう卿駅では、昔のホームを発掘し      甲斐大和駅で特急退避中の115系電車。
再生中。近くの旧トンネルもろとも名所にし
たい模様。



甲斐大和ホームから、西側を見ると、線路にカバーがつけられていました。これは、写真の左側に
「呪いのホウの木」といわれる、スゴイ霊力を持つ木があるからです。この地は武田家滅亡の地で
すが、そんなに古い話でなく、多分笹子トンネル建設にからみ、何らかの悲惨があったと考える向き
もあります。昔から、この木を伐採しようとして、数多くの人びとが命を落としました。仕方なく線路は
この木を避けて敷設してあるのです。ツタンカーメンも真っ青という恐ろしい木ですが、逆に言えば頼
もしく、鉄道を災害などから守ってくれるのでは。しかし枝を切ることもできないから多額の費用をかけ
てカバー設置とは・・・。

      

いきなり房総の大原到着。コンビニなどはなく     大原からいすみ鉄道に乗り換えます。
近くにスーパーがあり、レジは美人の女性が      いすみ鉄道の大原駅は、JR駅の片すみで
やっていました。しかしお値段は???         すが無人です。

     
         大多喜城                          大多喜駅

沿線はのどかな田園地帯で、時折現れる家々は結構デカく立派なもので、東大寺大仏殿を小さく
したような形の家が、伝統的な形らしいです。列車はまずまずの乗りですが、大多喜が沿線最大の
街らしく、ここで下車する人が多かったです。この駅では駅員の女性が車内に房総半島横断キップ
(1600)を売りに来ました。これを買うと個別に買うより300円ほど安くなるそうで、私も買いました。
これは多分、全部が売った側の利益になるのでしょう。女性の熱心さや、この後の小湊の車掌さん
の(こっ、こいつら・・・といった)態度から察するとそんな感じです。

     
         上総中野駅                   上空は成田の進入コース?

     

     
      いすみ車とツーショット                  1963年頃のキハ20

大多喜から先へ向かったのは全部で10人程度で、全員横断キップを購入したようです。終点の
上総中野は鄙びたよい雰囲気の駅でした。しばらくすると、遠くからたまに「プオ〜ン」と汽笛が聞こえ
それからずいぶん経って、ようやく小湊の旧式キハが姿を現しました。

     
 キハの車内。クーラーもあるようです。           概して下り坂ばかりという感じ

ワンマンかと思ったら若い女性の車掌が乗務していました。旧式キハもロングシートでは趣もなにも
ありません。乗ってビックリするのは、線路がガタガタで凄まじい、トラックみたいな乗り心地、そして
警笛を鳴らしてばかりでウルサイこと。これは警報機のない踏切が多いからでしょう。小湊鉄道は
まるでトロッコみたいなもんですな。そんな中で、車掌の女性の元気のいい声だけが車内に響きます。

     
        養老渓谷駅                   相対式ホームを備えた駅ばかり

     
                                   駅舎がとにかくイイです。

     
       対向列車と交換                   五井が近くなってきました。

     
                                         五井駅にて


小湊鉄道は駅舎が古いものが多くて、次回はそれを目当てに出掛けたいと思います。島式ホーム
というのは無かったような感じで、駅そのものが大変お金が掛かっています。しかし、線路はガタ
ガタ、駅舎も車両も使えるだけ使ってという経営方針らしく、鉄道そのものが使い捨てされかねない
気もします。いすみ鉄道は元は国鉄木原線といい、現在の久留里線と接続する計画がなぜか小湊
鉄道にハイジャックされた形です。木原とは木更津、大原ということだと気づきました。双方とも車両
はロングシートですが、沿線は風光明媚でしたので立ち乗りがよいかも知れません。

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