| 黒の月、第19の太陽の日 |
記し人 中位神官長(上位神官)トルヴァン この間、ライに長としてあの赤子の処遇を求めたのだが、失敗じゃった。 わしも言葉足らずじゃったのかもしれんが、ライが何に対して立腹しているのかはよく分からんのじゃ、正直な話。それをソラルに申したら、『どちらかというとお怒りというよりも、悲しんでおられるような気が致すのですが、トルヴァン様?』と暗に何を言ったのかと問われる始末。 最近はお茶に誘おうと思って出向いても部屋はもぬけの空。ならばと深夜近くに訪れてみれば、明らかに先程までは居たと思しき気配が残るのみ。 ―――これは、本腰を入れてかからないとライを捕まえるのは無理のようじゃ。 全く、少しばかり恨むぞ、フェリアス……。 ライもわしに言いたいことがあるなら、雲隠れなぞせずにはっきりと言いおったら良いのにの。 謝りたくとも、姿が見えずでは謝罪も出来ないのじゃ。 少しばかりだが、わしも落ち込みモードのようじゃ。 アストリーヌとフェリアスといい、あの赤子の処遇といい、ライとのことといい、ままならぬことばかりじゃ。 とにかく何とかライの顔を見ねばの―――。 |