今宵のつぶやき

私的感想

no.70

『puzzle』 恩田陸

関根一家の春さんのお話でした。この家族、素敵なのですよね。今回の推理の鮮やかさと言ったら、お父さんとも引けを取らないですね。あのコピーに関しては、春と同じ解答にいきつきましたが、関連までは上手く、見出せませんでした。伏線とは気付かないような小さな伏線が張り巡らしてあって、後でなるほどと妙な納得をしていました。

 

no.69

『蔦蔓奇談』 椹野道流

ひとつ、進んだようです。敏生はやっと父との和解が出来て良かった。結婚生活の中で真実愛されていなかった事を知っている義理の母の愛しているが故の行動が哀しい。身勝手な父親ですよね。まぁ、それだけ敏生の母を愛してたという事なんだろうけれど。

 

no.68

『アリア系銀河鉄道』 柄刀一

また違う一面を読ませて頂いたという感じです。本当に博識な方だと思いました。過去の遺産から未来の技術。溜息が出ます。ましてや今回はミステリィ色のファンタジモード。不思議の国のアリスに、銀河鉄道の夜ですもの。最後の最後まで、気を抜く事無くミステリアスとでもいいましょうか。面白い要素がたくさん散りばめてあって、まるでおもちゃ箱をひっくり返したようでもありました。うさぎさんのイラスト可愛かったなぁ〜♪

 

no.67

『北斗の娘 5』 前田珠子

「北斗の娘」篇が完結しました。最後にあれとはね。途中でそれらしい場面があったので、もしかするととは思っていたものの。この後、彼らは大変でしょうね。北斗の娘篇でキャストは揃ったって事なのかしらね。これからが魔王戦の佳境になっていくのかな。

 

no.66

『光の帝国』 恩田陸

「常野一族」をキーに短編が集まっています。私は恩田氏の作品の中でこの本が一番好きです。短編を一つ読み終えるたびに良かったと思ってみたり、怖いなぁ〜と思ってみたりと心があちらこちらにむかいました。中には、読んでいる時に涙を流してしまったものもありました。暖かいようで寒くて、寒いようで暖かい。物事は表裏一体です。

 

no.65

『桑港少年休暇』 七海花音

またも苦労しているし。必ず事件に巻きこまれる一同。今回は彼らには怪我も無く無事で良かったと云う感じでしょうか。涼君憧れのアメリカの地にやっと行けて愉しい3週間を過ごせ、また絆が深まったのかなぁ。さて、どうでも良い話なのだけれど、この本発売が6月頃だったと思う。購入出来たのはそれから4ヶ月後でした。最近、パレット文庫(だけではないのだが・・・)をどこの書店に行ってもあまり置いていないのは何故なのかな?

 

no.64

『ドッペルゲンガー宮』 霧舎巧

薦められていた本をやっと読了。紛れもなく、私の好みでした。それで感想なのだけれど、書こうとすると内容に触れ過ぎてしまう。流水館のドッペルゲンガー現象は■■■■■■が出て来た時は▼▼かもと思い、その後それは違う事がわかった時に最初に館にメンバーが訪れた時の表現を思い出したのもあって▲▲があるかではと思いました。読みながらホントにあちこちに思考を働かせながら、愉しみました。もちろん、犯人に関しても推理をしてみました。事件の真相があまりにも身勝手な思い込みというのは哀しいかったですね。ホントにドッペルゲンガーです。

 

no.63

『永遠の仔』 天童荒太

今更ながら読みました。感想はと言うと・・・因果は廻る。誰も救われないのね。欲しいかった言葉を最後に貰っている場面のあるのですがそれが救いになったとは思えない。それは過去の精算の一部という事でしょう。真実を覆い隠す事が多くの不幸を生んだ。何よりも全ての人は永遠に子供であるという事なのかな。何歳になろうと正しく判断し、理解し、実行しなければ大人ではない。けれど、正しいとは何か、大人とは何か、誰が判断を下せるものなのだろう。最近、世間でも幼児虐待は話題に上るし、子供の頃にそういった虐待を受けていると親になった時、自分の子供に受けたものと同じ事をするという話も聞く。でも、それだけではないような気がする。人と人との関わりの薄い世の中で間違えがあれば、他人であれ縛める人がいない。悩んでいても話す相手がいない。子供だけでなく、人が人を育てると云う事の意味を現代人若しくは現代社会はどこかに置き忘れてしまっているのではないかとも思ってしまいました。

 

no.62

『ネバーランド』 恩田陸

4人の少年達がそれぞれに抱える悩み。冬期休暇を寮に残り過ごす事でお互いが近付き、小さな絆が生まれそれが得がたい友情へと結実している。学生生活が遥か昔の事であるから、とても懐かしい香りがしました。未成年で学生である以上、分別があろうとなかろうと子供です。けれども、子供だから何も知らないという事も、理解が出来ないと思う事は誤りのように思います。大人よりも冷静に物事を見つめる目を持っている事も多々あるし、大人ではない事を知っているからこそお互いが協力して乗り越える事が出来るように思います。彼らは寮で過ごす時間の中で今、彼らが考えられる最大限の解答を出します。今まで一人で抱えていたモノを分かち合う事で一歩大人へと近付く階段を上り、より明るい未来を目指しているように思いました。生憎、寮生活も男子校にも縁がないのでどういった物かは判りかねますが友情を育てるのには時間は掛からないのでしょう。その瞬間の濃度が濃ければ、たった数日で大きな実になるということかな。

 

no.61

『400年の遺言』 柄刀一

歴史、京都の仏閣、日本建築、天体、風水、数学。いろんな事の勉強をしている気になりました。それが少しも嫌な感じではなく、散りばめられていて謎が謎を呼び、謎が謎を解くという感じといえばよいのかしら。龍遠寺庭園で起きた殺人が遥か彼方の隠された歴史を炙り出し、人の短い一生の縁までも絡めている。たった一言の言葉が納得出来なかったが為に、その言葉を託された為に、事件に深入りしていく。その背景が重くもあり、人の持つ闇を現しているかのようでもある。そして、犯人が判り、犯行の理由が明かされた時、謎を解き明かした彼が持つ闇よりももっと暗いものは”欲”なのではないかと思ってしまいました。