今宵のつぶやき

私的感想

no.100

『ツァラツゥストラの翼』 岡島二人

本当に参りました。解答に辿り着くまでに本はボロボロになってしまいました。悔しいので続けて何度も読んでいるもので、内容を覚えてしまい、これで解答を出して良かったのかと今更思いました。最初の暗号解読は解けたものの、何度やっても同じところに最終的に辿り着いて、このまま解けないかと思ってしまいました。思い込みのせいだったのですけれど。犯人と宝石のどちらを追いますかと聞かれて、いつも同じ方を選んでいるのですもの辿り着くわけありませんよね。面白かったかどうかは人によって判断は分かれるのでしょうね。小説として愉しんだというより遊びとして愉しんだように思います。

 

no.99

『殺意は砂糖の右側に』 柄刀一

笑えるというのか、煙に巻かれると言うのか。天地龍之介は変で面白い。まじめに答えているのだけれど、それが人には理解し難い解答となっている。実際に側で聞く機会に恵まれたなら唖然とする事でしょう。前に柄刀氏が他の本のあとがきでティータイム・ミステリーの話をしていましたがこの作品はまさにそんなニュアンスを醸し出しているように思えました。章事に少しずつ話が進んでいき、その中に事件は存在し、当然解決もして次の章に移る。彼を引き取ってくれる博士を見つけるまで続くのでしょうがその博士には会えずに終わっているので続きを期待しても良いのかしら?

 

no.98

『生存者、一名』 歌野正午

確かに生存者、一名。なるほどと言えば良いのか、呆然とすれば良いのか。後半でもしかしてとその可能性を考えないわけでもなかったのですがそれにしてもね。孤島に打ち捨てられた数名の男女が疑心暗鬼になり、殺意を抱くようになる。仲良く生還しようという話でないのが変わっていて面白いと言えば、言えるのだけれど読後は無情な感じがしました

 

no.97

『地底獣国の殺人』 芦辺拓

いきなり、恐竜が出現した時にはえっ?と言う感じで、読む本を間違えたのかしらと思ってしまいました。現代の者が過去の出来事を聞き、その当時の事件(?)を解決する。そして、最後まで読み進めるとその疑問は全て解けて妙に納得。

 

no.96

『返事はいらない』 宮部みゆき

6篇の短編が書かれています。どれも最後に笑みがもれる作品が集められているように思いました。その笑みが冷笑であったり、微笑であったりと様々ではあるのですが。

 

no.95

『魔術師はささやく』 宮部みゆき

少年を襲う悲劇。でも、負ける事無くとても前向きです。現状を打開する為に自分で真相を突き止めようとする。罪を憎んで人を憎まずと言うものの大方は人も憎むし、何もしていないその家族まで憎み、事あるごとに持ち出しは中傷するし迫害する。そんな人にはなりたくないなぁ〜と読みながら思いました。

 

no.94

『マスグレイヴ館の島』 柄刀一

シャーロック・ホームズを読んだ事がありません。ですから読んでいても知らない事だらけでしたが十分愉しめる作品のように思いました。『マスグレイヴ館』の謎解き、『マスグレイヴ館擬き』で出題された謎、そして実際に起きた事件。絡み合いながら提出された解答と仕掛けには唸ってしまいました。

 

no.93

『ライオン・ハート』 恩田陸

これはロマンスミステリィなのでしょうか。時間を超えて何度の何度の出逢う男女。それもただひと時だけ。長く逢えないからこそ、思いは募るのか、夢で出逢えた人が誰かを知りたいがために募るのか。誰が何の為に、こんな奇妙な状況を作り出したのか?なんとも不思議な物語だったように思います。夢でもし逢えたならなどと思っている事がある方なら愉しめるように思うのですけれど、どうでしょうか?

 

no.92

『イノセント・サイズ』 荘山ゆたか

遥か昔、神官だった者たちが現代に甦ると言うとよくある輪廻モノのようであるのですが、各々が何某かの呪縛を受けているので、甦った者たちが簡単には一同に会せない。その呪縛が面白い。出会うといきなり眠ってしまったり、嵐になったりと様々なパターンが用意されている。仲間を見つけ出すまでにも苦労の連続。9人が集まらなければ、敵と戦えないというのに。

 

no.91

『洞窟の骨』 アーロン・エルキンズ

久し振りの新刊です。骨を探求する事には躊躇いも無く、生き生きとするのに、相変わらず死体の解剖は苦手なようです。骨の話が出た途端に日程を変更してしまうのは骨の探求を愛してやまないという事なのでしょう。ジュリーもその辺は仕方ないと諦めているようで、この夫婦は読んでいて気持ちが暖かくなる関係を築いているように思います。今回は遺跡捏造事件に絡んでいろんな事が起こります。日本でもこんな事があったばかりでしたので尚更、現実的に思えてなりませんでした。意図はだいぶ違いますが・・・。