中学校美術授業ノート

鑑賞授業5

Flower Butterfly Seris05

小野亮二

新しい鑑賞対象・・・実物の、大きな、野外にある、動く立体作品

学校に隣接した企業のビル前庭に、野外の立体作品があったので、鑑賞授業を試みました。プロジェクタや印刷物での鑑賞と違い、実物でしかも大きなオブジェです。抽象化された形態の、動く部分のある作品を、どうやって鑑賞するか。生徒にとっても、私にとっても新しい体験です。

どこから見たらいいのか

設置場所まで移動すると、プリントを配布して、簡単にワークシートの説明をします。初めて鑑賞する大きな立体作品は、ちょっと手強そうですので、最初に、みんなで考えるQとして「どこから見たらいいのか」場所探しをしてみます。立体作品は見る角度で形が異なるのは当たり前のことですが、案外生徒は気づかないものです。場所が決まったら簡単なスケッチをすることで、よく見てもらいます。スケッチをするとだいたいの生徒は、全体像を描きます。写真のように観察地点が近くてもです。それからQ&Aを開始します。

1 どこから見るか・・・・・・ 一番いいと思う場所を選んで、スケッチをします。
2 Q&Aをつくる ・・・・・・ 作品をよくみて「気づいたこと、感じたこと、考えたこと」を質問と回答のかたちにします。
ワークシート5に記入します。Qは3つです。
3 回ってQ&A・・・・・・・ 今回の鑑賞は、作品の周囲に広がっているのでグループをつくりません。
友達2人にQを出し、Aをもらいワークシートに記入して、それぞれの友達に自分のAを言います。
4 みんなでQ&A ・・・・  教師が説明して、作品を擬態語で表現して発表します、最後に鑑賞文を書いて提出します。

擬態語で表す・・・言語表現の問題

Q&Aがある程度終わったら、全員で一つのQに取り組むことにします。
このような抽象化された作品では、具象絵画のように物語を読みとる方法では鑑賞が進みません。そこで、今回は擬態語を使って表すという方法で支援をします。擬態語を使えば、作品から受ける印象や考えを、中学生でも言語化しやすいと考えたからです。また、短時間にできるだけ多くの生徒に発表してもらうのにも便利で、鑑賞を共有できます。

擬態語に表したものを、その理由から分類してみると、以下のようになりました。
1 動きに注目したもの・・・・・・・・・・・・ クルクル、ユラユラ、ブォンブォン、グラングラン、ウィーン
2 形に注目したもの・・・・・・・・・・・・・・ ぐぃーん、クネッニョキニョキ、
3 材質(光)に注目したもの・・・・・・・・ ピカピカ、ツルツル、ズッシリ、テカテカ
4 イメージや連想・・・・・・・・・・・・・・・・ サラサラ、ふわふわ、ゴロゴロ、すくすく
5 複合・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ウィーンキラキラヒュッ
6 その他、不明・・・・・・・・・・・・・・・・・ ヒューヒュー、からから

1~5では、その擬態語を選んだ理由が書かれています。例えば
ウィーン 3つの機械みたいな輪が回っているから
グィー 下のカーブの感じ
ほわほわ やわらかい形をしているから、ゆるやか
ピカッ 銀の部分がきれいに光っている
サ~サ~ 野原をイメージしたから
くにゅくにゅ いろんな所が回っていたり丸まっていたりするから、くにゅくにゅって感じがした

擬態語から始めることで、自分の感じたことや発見を、かなり表現できたと思います。

言語化の問題にもう少し踏み込んだのが、ワークシート5の「この作品を見たことがない人に説明しよう」です。このQは授業が終わってから考えついたので、残念ながら行っていません。客観的な作品の叙述と、自分の感想とが、どういう関係に書かれるのか興味があるのですが・・・。50分の授業では欲張りすぎかもしれません。
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