TADコンパクトスピーカー CR-1/Ⅱ(ペア370万税別)とTADモノラルパワーアンプM-600(ペア600万 税別)を試聴してまいりました。
まず、CR-1/Ⅱですが、ユニット構成はTAD-R1/Ⅱと共通していまして、数年前オーディオ101でも試聴会を開催いたしました。TAD-M1(ペア600万税別)という4ウェイのスピーカーがありましたが、この(TAD-M1)ミッドバスユニット(20cm)をウーハー部に用いた3wayとなっています。上の同軸16cmベリリウムコーン&3.5cmツィーターはTAD-M1,TAD-R1/Ⅱ、TAD-CR1/Ⅱ全て共通となっております。
ここで試聴の際、最も注意して聴いたのは、このくらいのSPで果たして実物大の楽器のスケールが出るかという事に尽きます。なぜならば音の質に関しては、TAD-M1の時からそうですが、同軸CSTユニット(16cm真空蒸着ベリリウムコーン・3.5cmベリリウムツィーター)の完成度の高さ(プロが使っている生楽器の音の質がほぼライクリーに出る)は全く他を寄せ付けない事を十分承知致しているからです。TAD-R1もそうですが、低域が出るとか、高域が出るとか、音が硬いとか、柔らかいとかの低いレベルの感性ではなく、音の質が最終的に全てである事は間違いありません。
先ほども述べましたが、気になっていたのが楽器がTAD-R1/Ⅱのように実物大に出るかどうかでした。この点に関してもほぼ合格でした。音の質はTAD-R1/Ⅱと並び、完成度の高さを表していました。単なるTAD-R1/Ⅱの小型器ではなく、R1ほどバッフル効果がない分、ピンポイントというより、より立体的音像になっているのが好感でした。
あとはTAD-R1/Ⅱに比べて能率(音圧レベル)が4db低いので使用するアンプ等や、セッティング等も上手くやれば全く素晴らしい世界が広がるのが実感できました。音のリミットが最終的にスピーカーにあるとすれば、車の価値観と異なり、初期特性の維持性から考えても、TAD-R1/Ⅱ、TAD-CR1/Ⅱは非常に価値のある製品と考えます。
次にモロラルパワーアンプ TAD-M600 ですが、このアンプの基本コンセプトはTAD-R1/Ⅱを最高の音質で駆動する事。これに尽きます。(勿論他のSPでもすごいポテンシャルを発揮する事は間違いありません)
その為に
①対称性の追求
入力から出力までをフルバランス設計。(正負電源の対象性)
つまりトランスも正負モノラルで2個使用。
②低重心構造
35kgのねずみ鋳鉄(南部鉄)シャーシーを使用。
③シンプル化へのこだわり 等々
TAD-R1/Ⅱでの試聴では超低域から超高域まで変な癖が全く無く、抜群のグリップ力を有している事が即実感できました。このクラスのアンプはとかく馬力はあるが不完全なグリップ力により、荒いとか中低域だけに音が片寄りブーミーになりやすい。つまり、ユニットがまっすぐストローク出来ていない物が多いのですが、この
TAD-M600 は確実にTAD-R1/Ⅱのダブルウーハーだけでなく各ユニットがグリップ出来ていてまっすぐストロークしているのと、パワーレスポンスも抜群に良いという事が確実に解ります。
高価ですが素晴らしいアンプに出来上がっています。(欠点は高価な事と片CHモノラルで重量が90kgもあるという事です)これも本気で製品を仕上げていくとこうなるという事でしょうか。
以上、簡単に試聴記を書かせて頂きました。
いつもの事ですが、TADの技術の方々との楽しい会話も出来ました。
TADの皆様、いつも有難うございます。
TADの詳細はオーディオ101までお問い合わせください。