鳳凰山
ほうおうさん
| 2,840b | 1999.05.14〜15 |
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| 夜叉神峠登山口から6時30分出発する。峠の近くに宿泊するところがないと思っていたが、バス停前に宿があり、
4人の登山者が出発しょうとしていた。
バス道路脇からすぐ登山道に入る。ナラやブナの樹林帯の登りで、急だが広い歩きやすい道を1時間ぐらいで、夜叉神峠に着く。
いきなり白根三山が目の前に大きく現れた。1,770bの夜叉神峠から川を挟んで対峙した白根三山の素晴らしいこと。
まだ雪を被った北岳、間の岳、農鳥岳が、朝の光にくっきりと広がり、その雄大な姿に見とれる。雲が動いて、その雲に朝日が遮られ、
白根三山の山容が眼前に浮き上がった。そして、淡い雲のベールにつつまれてくる。まるで山岳記録映画を見ているようだ。
峠の広場には山小屋があり、まだ閉まっているが、その前に座って白根三山の展望を楽しんでいるのは軽装の人で、この展望を目当てにきたという。
鳳凰山は、名前が優雅な響きなので登るのを楽しみにしていた。今日から薬師岳小屋が開くというので、 薬師岳、観音岳、地蔵岳の鳳凰三山を歩く予定でやってきたが、まずこの夜叉神峠の雄大な展望に迎えられ、 大満足のスタートだ。10分程展望を楽しみ、ゆるやかな登りを進む。やがて、道は急になって、ただひたすらに登る。 大崖頭山のコルを越えると杖立峠に着いた。 まだ、カラマツは芽生えもなく、見通しの良いカラマツ林の向こうに、相変わらず、素晴らしい白根三山がどっしりと構えている。 ここからの展望も大きい。 |
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| 夜叉神峠から白根三山を望む | 小屋を出て薬師岳から観音岳へ | 薬師岳山頂(後ろは北岳) |
| 明るい、広々とした杖立峠からは原生林の登りになって、又、ひたすらに登る。2時間ぐらい登ると辺りはすっかり雪道になり、
苺平に到着。苺平のピークも樹林帯の雪の中で、座るところもない。汗して登ってきたのでお水だけ飲んで、また、原生林の雪道を進む。
雪道は緩やかになって、明るい、雪のない広場に出た。南御室小屋に到着。小屋の屋根から煙が立ち上がり、
中に人影が動いている、とても居心地よさそうな小屋だ。小屋の脇の日溜まりに座って休憩。10分程休んで、
小屋裏から林の中の急な登りで、展望が開けると、大きな石が現れた。森林限界から抜け出て、
サラサラとした白砂の稜線上の道になって、砂払岳に着く。白根三山が一段と大きく眼前に迫ってきた。
砂払岳の花崗岩の大岩に挟まれて、北岳や間の岳を眺めていると、今、自分がその山にのぼっているような錯覚にとらわれる。 飽きなく眺め、とても良い気持ちになって薬師岳小屋に向かう。ダケカンバにかこまれた薬師岳小屋はすぐで、 小屋の廻りはまだ雪だった。入口まで雪かきされた小屋の中に入ると、真っ暗。外が明るかっただけに、すぐには目が慣れない。 雪解け水が小屋の通路に小川のように流れている。到着時間は12時30分。まだ早いので観音岳まで行ってみることにした。 宿泊手続きをして、リックを背負ったまま、まずは薬師岳に行く。 |
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| 薬師岳から観音岳へ | 観音岳から地蔵岳への稜線 | すぐそばに地蔵岳 |
| 本当に小屋の廻りだけが雪で、ちょっと上がって、白砂の道を進むと、すぐに広い頂きの薬師岳山頂に到着する。
いきなり雄大な景色がひろがって思わず歓声を上げる。花崗岩と白砂の稜線は観音岳、地蔵岳へと続き、
白根三山は手が届くようにもっと大きくなり、甲斐駒ヶ岳も現れた。
白砂に導かれるように稜線上を観音岳へと進む。ハイマツの緑の中に続く白砂の砂礫の稜線は、緩やかで、ルンルン気分で観音岳に到着。
鳳凰山の最高峰である観音岳は岩峰で、2,840b。2等三角点のある山頂は、遮るものがないので素晴らしい展望だ。
間近に地蔵岳のオベリスクも見え、地蔵岳がおいで、おいでしているようで、このまま地蔵岳に向かうことにした。
白根三山がビタリと横にはりついたような豪華版の尾根道は、観音岳から岩稜の下りになって、鳳凰小屋への分岐を見送り、 白砂の広場を回り込む。斜面に雪が多くなって、登山道が雪の下になり、なくなった。、目の前の傾斜を夫が下り始めた。 そこは雪がない急斜面で、白根三山から舞い下りた風が一気に吹き上がってきて、突風が舞っていた。 白砂が目に入る。足場の悪い砂礫の急斜面を尻滑る。オベリスクがすぐそばに見えてきた。 あと15分程で地蔵岳に着くと夫が云うが、でも目が痛い。ゴロゴロと大きめの砂がなかなかとれない。 涙が出て、泣きながら片目で歩いていると、夫が戻ろうという。 でも砂礫の急斜面をのぼり返すのに一苦労する。 やっと稜線上に戻って、岩陰に座り、水で目を洗う。 やっと目から砂が流れて、ペットボトル一本の水が無くなった。そんな様子を、稜線のすぐ向こうの北岳が眺めている感じだ。 ルンルンと稜線からの景色を眺めながら、観音岳山頂に戻る。観音岳の大岩に座って、雄大な展望を楽しむ。 そして、白砂の稜線を薬師岳頂上に戻って、思い切り白根三山眺め、薬師岳小屋に16:30分着く。今日は9人の宿泊者で、 食堂で揃ってカレーライスを頂くが、2〜3分もしないうちにご飯は冷たくなり、床は水が小川のように流れていてどこも水びたし。 フトンは冷たく氷のようで、持っている衣類を全部着込む。5月の開たばかりの山小屋は、まだ冬のようだなと思い知る。 翌朝、曇りで風強し。4人のグループは地蔵岳から青木鉱泉へ下りると言う。私たちもそのつもりで一緒に小屋から出たが、 強い風が私の顔をなで、目に砂が入った痛さを思い出す。すると、夫が笑いながらもときた道を戻ろうという。 6時、4人の人たちと別れ、ルンルン下る。途中、杖立峠辺りで立派な日本カモシカと出会う。 カモシカは登山道の縁の草を食べており、4〜5bまで近づく私たちを完全に無視。モクモクと草を食べ二本の角をピクッと動かす。 貫禄充分で一度もこちらを見ないまま、草をたべながらバックで下がる。こんな大きな野生カモシカを見るのははじめてだ。 夜叉神峠登山口に10:40分到着。 |