笠ヶ岳
かさがたけ

2,897b
1999.08.26


05:12 新穂高温泉 10:50
06:20 笠新道登山口 10:00
10:10 杓子平 07:49
11:40 尾根分岐 07:00
12:55 笠ヶ岳山荘 06:13
13:15 笠ヶ岳頂上 **
飛行機からの笠ヶ岳(2月)


新穂高温泉から、笠新道を通って山頂に登り、笠ヶ岳山荘に一泊。翌日、新穂高温泉に下るコースを行く。

新穂高温泉、笠山荘5:12分出発。まだあたりは薄暗く蒲田川の左俣の林道を歩く。 すぐに、左手に砂防ダムの工事現場が現れ、その規模の大きいのに驚く。自然の猛威の痛々しい爪痕をみながら、 やっと辺りも明るくなって、その砂防ダム工事の上にすくっと立った笠ヶ岳を眺める。それはびっくりするほどはるか遠く、 あんな遠く、高い所まで歩くんだと思うと、その長丁場に気を引き締める。 一時間程の林道歩きで、笠ヶ岳への分岐点に着いた。まっすぐ進むと双六小屋に行くようで、前後して歩いていた3人のグループは、 そのまま進んでいった。私達は分岐点の案内板を見ながら、登山口にある水場でお水を飲み、6:20分登山口から樹林帯に入った。

すぐに、笠新道の急登が始まった。ここは急な登りが続くと聞いていたので、樹林帯の中をモクモクと登る。 汗ビッショリあえいでいると、一人の男性が下から登ってくるのが見えた。そしてすぐ追いつかれ、 あいさつして見送ると、”今日はどちらでお泊まりで”と、その人が云う。 ”笠ヶ岳山荘です。小屋が新しくなったと本に出ていましたので、楽しみです。”と云うと、 ”では山荘で会いましょう”とニコニコしながら、あっというまに姿がみえなくなった。 凄い人がいるものだと思いながら、又、モクモクとジグザグ急登を進む。樹林帯の上が開いてきて、頭の上が明るくなってくる。 振り返ると、樹々の上から穂高連峰が覆い被さるような勢いで迫ってきて、その大きな山容に歓声を上げる。

林道から笠ヶ岳を望む 樹々の上から穂高連峰が 杓子平

振り返り、振り返り穂高の山並みを見ながらなおも急登を続ける。展望がどんどん広がり、 見上げるようだった穂高連峰がどんどん目の高さになってくる。 2年前に登った槍から奥穂高までの縦走路を思い出し、あれが南岳、あそこがキレットの滝谷あたりと、しばらく足をとめて眺めいる。 登った山々をこうして対岸で眺めるのは本当に楽しい。特に変化の富んだ縦走路だったので、 南岳のあの辺は雨がひどくて視界が利かなかったことなど、 昨日のことのように思い出す。尾根に飛び出し、10:10分杓子平に着いた。緩やかな尾根上はお花畑で、 そのお花畑の中に登山道は続く。 急登から解放され、別天地にやっとたどりついたような、うれしい気持ちで秋のキリンソウやリンドウ、アザミなどの秋の花々に迎えられ、 ルンルンお花畑を歩く。山はこういう楽園があるのでやめられない。

お花畑からコバイケソウが混じる草斜面になって、岩肌のむき出しゴロゴロ石の登山道になった。 前方に笠ヶ岳に続く稜線を目指し、緩く広がる道を進む。時々、雲がサーアときて稜線を包み隠し、又、サーッと消えていく。 日の光も程良く暖かで、稜線手前の急登も登り切り、稜線上に出た。 あたりの景色がパノラマのように広がる。右に双六岳、弓折岳へ。左へは笠ヶ岳に続く稜線上の尾根道で、 いくつものピークがずーと続いている。丁度、分岐点の標識に若者が一人休んでいて、ご苦労さんと声をかけてくれる。 彼は黒部五郎岳から双六小屋に泊まり、笠ヶ岳の山頂を極め、今ここに到着したという。 ”わあ、私のあこがれの登山コースだ”と云うと、ちょっときつかったけれどと、満足な笑顔。 満ち足りた登山をするとやっぱり顔が良い。その黒部五郎岳周辺は雲がまつわりついて、山容は見えないが私もいつか登りたい。 ”明日は雨だそうで、私はこのまま下ります”と手をふりながら、彼は笠新道を下ってゆく。

稜線を目指して 笠ヶ岳を見ながら 頂上と笠ヶ岳山荘


笠ヶ岳目指しての尾根歩きは楽しい。小さなピークをいくつか越え、雲の中に隠れたり現れたりする笠ヶ岳を見ながらルンルン歩きで、 二組のご夫婦が休憩しているのに会い、今日は一緒に小屋泊まりと確認し、しばらく進むと抜戸岩に着いた。 両側が岩の狭い道を通り抜けると、ずーと先を歩いていた夫が休んでいた。夫は自分のペースで歩くので、 いつもサッサッと先に行ってしまう。要所要所で私を待っていてくれて、ここから夫と一緒になって、 播隆平を左下に見て、ハイマツの尾根道を進む。雲がどんどんわいてくるが、笠ヶ岳がみえ、笠ヶ岳山荘が見えてくる。 12:55分笠ヶ岳山荘に到着する。真新しい小屋はまだ木の香りがして、早速、宿泊手続きをしょうと玄関に入ると、 ”お待ちしていました”と主が出迎えてくれた。なんと先ほどお会いした方ではないか。 小屋の主と知らないで、健脚な方ですねと言ったのが恥ずかしい。大笑いしながら案内をしていただく。

荷物をおき、すぐに山頂に行くことにした。丁度、雲が切れて、山荘のベランダから槍から穂高までの稜線が手に取るような距離で現れた。 雄大な景色に体がゾクッとしてくる。山頂へは岩がゴロゴロした緩やかな登り15分位で到着。高く積まれたケルンがいくつもあり、 大きなケルンの岩に座って穂高連峰を改めて眺める。槍が丁度目の高さで、、穂高連峰にからみつく雲があちこち動き回り、 一瞬すべての稜線が見えたかと思うと、キレットあたりが隠れ、穂高の山が隠れ、そして又、穂高連峰の長く続く稜線が姿を現す。 この大パノラマに感激で、生き物のような雲がおもしろく、一時間余り山頂で過ごしてしまう。三人の登山者もやってきて、 一緒に並んで展望を楽しんだが、山頂も雲に覆われてしまい、みんなで小屋に戻ることにした。

山荘から笠ヶ岳山頂 笠ヶ岳山頂(背景は穂高連峰)
山荘は11人の宿泊者。食事もおいしく、山の話で皆わきあいあい。同室者は4組のご夫婦で、 4人とも百名山を80とか90何山とか登っていて、私は45山目なのでみんなの自慢話を聞くが、それも楽しい。 夜中に凄い雨音で、目がさめる。食事もすんで、下山準備をするが、雨の勢いは衰えず、 6:13分、10人でかたまって下山することになった。稜線上は風も強く必死で歩く。 分岐から笠新道に入ると、風はさえぎられて弱くなるが、相変わらず、たたきつけるような大雨。 杓子平で四人が休憩すると列から抜けた。私達はそのまま雨の行進。モクコクと笠新道の急斜面を下りる。 ずぶぬれになって登山口10時に到着。

登山口近くなってから雨は上がって、相前後して3組夫婦の到着。 みんなしてカッパを脱ぎ、お互い、ひどかった道中をいたわり合ってお別れする。休まず下山したので、 みんなはここでゆっくりすると言うが、夫と私はぬれついでなので、そのまま林道歩きを50分して、新穂高温泉に到着。 そして温泉に入り、生き返ったような気分になった。それにしても凄い雨だったので、温泉につかっていると 笠ヶ岳に登ったのが夢の中の出来事のように思えた。