甲武信岳
こぶしだけ
| 2,475b | 1999.10.22 |
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| 甲斐、武蔵、信濃の三国の境にあって、それぞれ笛吹川、荒川、千曲川の源流部がこの甲武信岳だという。
歴史のありそうな山は、なにか魅力を秘めているようで、ワクワクする気持で戸渡尾根コースから登る。
塩山駅からタクシーで西沢渓谷、東沢山荘前に5:50分着。ここからは林道歩きだ。ゲートをくぐると、 工事のトラックが丁度発車するところで、乗せて下さった。笛吹川左岸の林道10分ぐらいで、 戸渡尾根登山口があり、そこで下ろして頂く。 6:02分登山口スタート。まだ暗いのでライトをつけて歩く。 取り付きから急登で、ヌク沢の川音を聞きながら登る。この登山道は、昔、珪石を運搬するための軌道跡だそうで、 レールが所々に残っている。登山道は荒れている所が多く、土砂崩れでレールが落ちていたり、宙に浮いていたりする。また、 軌道としてちゃんと残っている箇所もあるが、こんな急な斜面によく敷いたものだと感心する。 昔の珪石採掘場の跡もいくつもあった。 |
| 登山口 | 樹間の登山路 |
| コメツガ、アズマシャクナゲの林の中、相変わらず急登は続く。立派なシャクナゲが多く、開花の頃は見事なことと、
金峰山のシャクナゲの素晴らしかったことを思い出したりした。今日は曇で、一面にガスがかかり、辺りの様子は見えない。
時々ガスが薄くなると樹林の間から鬱そうとした山腹が見えたりする。樹林帯の急登路はカチンカチンに凍っていて、
だんだん雪道になる。西破風山からの縦走路合流地点にくると一面の雪だ。これからは緩やかな登りになって、
木賊山に着く頃、雪が降ってきた。ここは樹林に囲まれ展望はなく、
あってもこの天気では何にも見えないが、ベンチが雪を被ってひっそりとしていた。
木賊山からはシラベの林を下り、辺りが明るくなって樹林帯を抜け出すと、甲武信小屋に到着。そのまま小屋の横を通り山頂に向かう。 石のゴロゴロした急登15分程で山頂に10:32分到着する。甲斐、武蔵、信濃の三国の山容が見渡せると楽しみにしてきたが、 相変わらず濃いガスで視界はゼロ。標識の写真を撮っている時、十文字峠を通ってきた人と川上から信濃川源流を通ってきた人が、 相次いで到着。見晴らしのない残念さを話ししたりするが、ともかく風が強くて寒い。 日本百名山のバッジを集めているという川上方面から来た人と一緒に小屋まで下る。 |
| 甲武信小屋前広場 | 頂上 |
| 甲武信小屋では主が、小屋前の道の補修をしていた。お茶を飲ませていただきたいというと、
”お母ちゃん、買い物に行ったので留守だよ”という。どこまでと聞くと、”明日100人の泊まり客がくるので、
ちょっと川上まで”。2,400bの山頂で、奥さんが麓まで買い物に行くとは驚きだ。
熱いお茶を頂きながら、この主こそ”徳ちゃん新道”を作った本人だと聞く。一人で作ったそうで、
帰りは是非徳ちゃん新道を行くようにと云われ、
戸渡尾根に下り、1,869b地点の分岐から徳ちゃん新道を下る。丁度、山頂でお会いした若者が下りて来て、
挨拶しながら彼はそのままヌク沢コースを下って行った。
新道はいい道だ。歩きやすく、明るい尾根の下りで、こんな素晴らしい道を一人で作るなんて本当に凄い!! ガスも消え、10月末晩秋の秩父の山々は、 下るに従って紅葉が鮮やかに残り、楽しみながら下る。西沢山荘の横に出る。林道に出て歩き出すと、 今朝乗せていただいたトラックの運転手さんとすれ違い”元気に下りて来たかい”と声をかけられ、こんな偶然もあるのだなと、 うれしい出会いに感激する。 20分程歩くと西沢渓谷バス停前、東沢山荘に到着。バスがくるまで熱いお茶とお饅頭を食べていると先ほどの若者が到着し、 私達を見てびっくりする。”どこで追い抜かれましたか”というので、新道の話しをすると知らなかったようで首をかしげていた。 紅葉見物で大賑わいの西沢渓谷だが、3人の登山者と私達2人だけの静かな山行きであった。 |