那須岳
なすだけ
| 1,917b | 1997.04.21 |
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| 今日はどんよりとした重い空だ。黒磯駅から那須ロープウエー山麓駅に着くと、うっすらと山頂付近が見えたが、
5分もしないうちに辺りは濃霧に包まれてしまった。ロープウエーに乗り山頂駅におりると、
一面の深い霧で、辺りの様子も分からないまま、茶臼岳の斜面を登り始める。
3人いらした登山者の姿も霧の中に消え、砂礫の斜面30分程登ると、巨岩が重なった茶臼岳山頂に着いた。
山頂にある小さな祠と一緒に写真を撮り、ゴロゴロした岩を少し下って三本槍岳へと向かう。 那須岳は、那須連峰の中で今も噴煙をあげているこの茶臼岳と朝日岳、三本槍岳をも指すと言う。その最高峰、三本槍岳に 進むが、すぐに左の方からゴウゴウと凄い音が聞こえてくる。視界のきかない霧の奥をすかして見るが、なにも見えず 硫黄の臭いと噴気の音だけで、姿の見えないごう音はとても恐ろしい。 草一本生えていない荒涼とした道が目の前に見えるだけで、そのまま進む。 小石が積み重なった塀の中に石室のような小さな小屋が現れた。峰の茶屋に着いた。そして岩稜帯を行く。 恵比寿大黒岩の前を通り、朝日岳の分岐を見て、ガレ場を進む。濃霧の中は、すぐ前を歩く夫の姿も見え隠れだ。 |
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| 茶臼岳山頂 | 三本槍岳山頂 | 三春の滝桜 |
| 木道が現れて、湿地帯を進む。間もなくハイマツの中になった。そして平坦地に出て、山頂に到着。
山頂は風がふきあれ、おちている板をひろうと三本槍岳の標識板だった。ハイマツの陰に隠れて風をよけ、25分休んで往路を下る。
霧は益々濃くなって、モクモクと視界ゼロの世界を歩き、先程の峰の茶屋に着く。
ここから茶臼岳の火山礫斜面をロープウエー山麓駅へと下る。霧の中、斜面の途中で振り返ると、一瞬ガスが切れ、
岩肌をむき出しにした荒々しい朝日岳方面が見えた。が、又すぐ霧の中になった。
このような、ずーと濃霧の中の登山ははじめてだが、最後に一瞬でも那須岳の山肌を見せてくれて、ほのぼのとうれしい気持ちになる。 黒磯駅から三春の滝桜を見に行くことにした。桜見物で満員の電車とバスに揺られ、 三春の桜へ桜へと動く人並みに押されながら畑の中の大きな桜の前に来たとき、たった一本の桜なのにあまりの艶めかしさに圧倒される。 今日が満開の最高頂のようで、桜全体から芳紀が漂い、天から油でも注いだように、照り輝いている。本当にうっとりする美しさで、 この良い時期に訪れることが出来て幸せ一杯だった。 |