穂高岳  3,190m 1996.9.12
06:00  徳沢 
09:40 涸沢ヒユッテ
12:30 北穂高岳山頂
12:40 北穂高小屋着
06:00 北穂高小屋発
15:50 上高地
11:30 涸沢ヒユッテ
10:00 穂高岳発
09:50 穂高岳着
09:00 奥穂高山荘


奥穂高岳は日本で三番目に高い山。 折角、穂高にいくのだからと、穂高連峰3,000b峰を三山 登ることにした。まず北穂高、涸沢、奥穂高の順に登る。 松本空港 14:30着。上高地には17時過ぎに着き、そのまま、梓川左岸沿いの道を徳沢まで急ぐ。徳沢園に着いたのは もう暗くなった19時過ぎであった。

翌朝、6:00 出発。梓川はすがすがしく流れ、横尾まではT時間。 横尾山荘からは、左に梓川に架かる橋をわたる。 実は、この6月30日にも横尾まで来ていた。その時は台風並の低気圧がこの辺りを襲った後で、この横尾大橋が 大雨で危険な状態の上、この先の本谷橋が決壊したとのことで、奥穂高行きを断念したのだ。 今日は天気も良く最高。横尾谷に入る。樹林帯の増水コースを進んだり、 川縁を歩いたりして広い河原に出て、又、樹林帯の中に入る。6月の大雨の 後遺症が随所に残っており、川も荒れている。左に岩登りで有名な 屏風岩が見える。垂直の岸壁を登るなんて本当に凄い。

しばらくそのまま進むと 本谷橋に着く。橋を渡った河原には大勢の人が休憩していて、川は水量も多く、広々と明るい。 5分程休憩して、すぐに樹林帯の急登をゆき、かれた沢の登山道を、 ドンドン進む。道は緩やかになり前方に涸沢が見えてきた。樹林帯を抜け、見晴らしが良くなり、 涸沢や穂高連峰を見ながらの登りは、うれしくて心がはやる。 ガレ場を進んで行くと、やがて右に涸沢小屋、左に涸沢ヒュッテの分岐に出る。 北穂高に行くには右のコースへ。ガレ場には、涸沢小屋まで大きな歩きやすい踏み石が並べられていて、 その作業を思うと驚きである。夏の盛りが終わっても、 天場には色とりどりのテントが10張以上あり、カールの中の花のようだ。
上高地 涸沢 北穂高岳への登りより奥穂高岳


涸沢テント場を過ぎ、涸沢小屋の脇から右へ北穂沢に入る。左へは奥穂高登頂へのザイテングラードだ。北穂 沢の草付き斜面は急登で、10時を廻った日差しはきつく、汗が吹き出てくる。やっと、上のガレ場に出る。 北穂高南稜に取り付き、岩だらけの道を急登する。やがて、クサリ場に出る。登り下りの人が順番待ちで大賑わい。 あれ、登山道にこんなに人がいたかなあと、思うほどだ。クサリ場を登り切ると、高度感溢れ、 右に奥穂高の素晴らしい山容が現れた。ここからの奥穂岳の姿は写真や雑誌で何度も見ているが、 実際に目の前で見ると凄い迫力だ。見とれてしまい足が前に進まない。程良く暖かい日差しもあって大きな岩に座り、 思い切りこの穂高連峰を堪能する。

テント場を通って主稜線にでる。明日行く涸沢や奥穂高への道を左に見て、分岐から右へ。 最後の岩稜の一登りが終わると、12時30分北穂高岳の山頂に到着。ヤッターと思いきや何も見えない。 乳白色の世界なのだ。さっきの分岐までは見晴らしが良かったのに、最後の登りを頑張っている間に山頂は雲の中になってしまった。 展望がないので、3,106bの山頂はただの広場のようで、頂上の写真を撮り、直ぐ下の北穂高小屋にいく。 頂上直下に建てられている小屋は、日本で一番高い所の山小屋だそうで、 建て主の小山義治氏が担いで登ったという名入りの梁もある。 小屋は、とても清潔で、何より食事がいい。食器も食事のおかずも気を配われており、感激する。今日の宿泊者は8人。


北穂高岳より槍ケ岳方面 北穂高岳山頂より奥穂高岳 滝谷


翌朝、 北穂高小屋前から日の出を拝む。真暗い空がほんの少し明るくなって、オレンジ色になって、 山々のシルエットが浮かんでくる。 サアーッとそこに朝日が当たり、槍が穂高が浮かび上がり、黄金色になって、輝いて、静かにすべての山容が現れた。 荘厳な儀式を見ているようで、息をのむ美しさだ。 余韻に浸りながら、朝食を頂く。小屋出発6:00。

北穂高山頂からは昨日と打って変わって360度の大展望。キレットを通り槍 までの美しい稜線が、穂高連峰が、ぐるりと北アルプスの山々が、キラキラと輝いてダイヤモンドのよう。 あまりの美しさに胸が痛くなるのを感じながら、北穂高をあとにする。まず、岩稜を下り、昨日の分岐まで戻り 岩塊の稜線を慎重に進む。針金がついた岩場を下り鞍部にでる。足元の滝谷、ドームからの壮烈な岩峰、 槍からキレットへの稜線、北穂への岩稜を常に見ながら、今度は、クサリをつかって涸沢岳の稜線に出る。 そして、すぐの涸沢岳山頂に到着。 山頂からは再び、今度はゆっくり景色を楽しむ。ずっと下に 白出乗越に建つ穂高山荘が見え、今度はそこに向かって砕石の岩稜の斜面を下りる。穂高山荘にはポカポカ陽が当たって、 何人かの人がテラスで休んでいるが、山荘の中は、登山者が出はらったあとの静けさだ。9時到着。 ここから岩稜の奥穂高を見上げると、堂々と大きい山容に、大勢の人が張り付いているのが見える。さあ、奥穂高へ出発!

ジャンダルム 涸沢岳より奥穂高岳 奥穂高岳山頂


山荘のすぐ上からいきなりはしごを登る。クサリ場を抜けると、砕石の道も緩やかになり、岩屑が堆積した 中を進んでいく。間もなく、奥穂高山頂に着く。山頂は広々としており2b程石が積み上げられた上に祠と標がある。 その石をよじ登り、祠の横に座らせて頂く。眼下に上高地を従え、ぐるりと北アルプスの豪華版の展望だ。 奥穂高岳は、穂高連峰の中央にあり、南西に延びる岩稜は西穂高方面、南東へは前穂高方面へ、そして北に主稜線を下る 白出乗越から北穂高、槍方面だ。その白出乗越に建つ奥穂山荘に戻る。すぐ、ザイテングラードを下る。途中、 穂高からの壮絶な石崩落音を聞いた。小説「氷壁」の一場面を思い出し、 涸沢のカールまで下りて、大息をつく。見上げる穂高は威厳に満ちて立派である。

河童橋から穂高を眺め、あんな遠くから歩いてきたのだなあと感無量だった。