月出山
ウオルチルサン 809b 2008.4.06〜4.11



月出山(ウオルチルサン)は韓国南端、昔の百済の国にある。一帯は国立公園になっていて、海岸近くの平地に突き出た月出山は、巨岩奇岩が随所に見られ、山全体が水石の展示場と云われている。
色々なコースがあるようだが、沢コースで頂上の天皇峯へ行く登山道をジョさん、ハクさんが案内してくださった。月出山遭難救助隊長のジョさん、通訳のハクさんは共に、霊岩郡庁の職員さんで、私達5人は、この一週間霊岩郡の各地を案内して頂いた。

登山口8:30分出発。石を敷き詰めた道はまだ木々の芽吹きがないので、サンサンと日が入り快適。すぐに、断崖絶壁につけられた鉄製階段になる。この階段はVベルトを切断して敷き詰めてあるので滑らなく幅も広く、歩きやすい。エゾヤマツツジの鮮やかな紫が点在する中、大岩を乗り越え、くぐり、30分位歩くと谷を挟んだ峰につり橋が見えてきた。このつり橋は(雲橋)地上120bの高さに建設され、長さ52bで韓国で一番長いつり橋だという。

そして間もなく、滝に出る。この辺りからイチゲやスミレ、カタクリなどの春の花が姿を見せる。巨大な一枚岩が積み重なった岩群や岩峰を見ながら、鉄階段を幾度も登る。稜線近くになると、あのつり橋はかるか左下の方に見える。最後の鉄階段を登り11:02分山頂の天皇峯に到着する。山頂は意外にも平たい岩盤で広々としており、同時に300人ぐらいは座ることができるという。麓に広がる雄大な景色を眺め、ひんやりとした風が心地よく、50分程休憩する。

下りは、すぐに急な鉄階段を下り、いろいろな形に見える岩が面白く、屋久島のような景色だなと思いながら分岐に出る。見上げる天皇峯の頂上に幾人かの人が動いているのを眺め、鏡浦臺登山口の方へと下る。カタクリの群生に川は流れ、気持ちの良い下りで13:40分登山口のキャンプ場に到着。
霊岩郡庁のスタッフの方が車を回して下さり、車に乗って麓の満開の桜トンネルを走る。韓国にも桜名所が随所にあり、見事な桜が点在している。丁度いま桜は満開で、その桜トンネルから見上げる月出山はとても高貴で、高い山にのぼってきたような満足感を感じる。

この霊岩郡は、日本に百済文化を伝えた所で、王仁博士の王仁廟が建てられている。そのせいか若い人でも日本語を勉強している人も多く、日本の歴史にも詳しく、霊岩陶器文化センターでは韓国と日本の歴史が並べて展示してあった。韓国も南の端となるとさすがに遠く、札幌発14時の便でまず仁川空港(インチヨン)へ。地下鉄にのって国内線の金浦(キンポ)空港へ移動し、ここから光州(ガンジュ)空港へ。そして車で1時間位乗りやっと霊岩郡に着く。飛行機が遅延したこともあり、霊岩郡の民宿についたのは真夜中12時だった。今回は、たくさんの韓国の人々とふれ合い、長い歴史のある韓国文化を肌で感じた、韓国を再認識する旅になった。


天皇寺登山口 8:30→頂上着11:02→頂上発11:50→鏡浦臺(キョンボテ)登山口13:40


鉄製階段を登りながら山頂を見る 樹間の登山路
巨大な一枚岩が重なった岩群を見ながら 岩をよじ登る
つり橋(雲橋) 山頂からの景色
山頂 山頂から下りた分岐から山頂を見る