剣 岳

2,998b 1997.08.22


7:50 室堂
10:00 剣御前小舎
11:50 剣山荘着
12:08 剣山荘発
14:19 剣岳着
14:50 剣岳発
17:00 剣山荘着
06:41 剣山荘発
10:10 室堂


今から100年余り前、剣岳を初登頂した人がその頂上でさびた槍の穂や錫杖を発見。前人未踏の岩峰と思われていた剣岳は、じつは奈良時代から修験道の霊場だったというのだ。岩壁にはカニの横ばいカニの縦ばいの難所があるので緊張気味で、 ポピラーなルートの別山乗越から剣山荘泊で登る。

7時50分、室堂ターミナルから、大勢の観光客に混じってミクリガ池方面へ進む。血の池、リンドウ池を過ぎ雷鳥平へ向かう。 雷鳥沢キヤンプ場を抜け、浄土川を渡るともう観光客の姿はなく、道も登山道になった。今日は朝から抜けるような青空。 右に別山から立山にかけての稜線、左に大日連峰の山稜を見ながら雷鳥沢をジグザグに登る。雄山、大汝山、真砂岳と立山連峰 そしてその下に残る雪渓は絵を見ているような美しさで、立山の中に自分がすっぽり入り込む、 はめえの一コマのような錯覚に陥ってしまう。 雷鳥親子が登山道にちょこちょこ歩いていて、私達が来ても逃げようともしない。驚かさないように静かに 端の方を歩く。

しばらくの急登のあと、 別山乗越、剣御前小舎前に出た。 ここから道は2手に分かれていた。右に、立山連峰そして別山の山腹の雪渓を下って、剣沢荘、剣沢キャンプ場へ。左に、 剣御前の稜線の腹を巻いて、剣山荘へのルートだ。今日は剣山荘に泊まる予定なので、左の稜線の雪渓を緩やかに下って剣山荘に向かう。 白馬や後立山方面の景色は右手にずーと広がり、足元の劔沢には、剣沢荘や赤や黄色のテントがパラソルのようだ。 おおらかで雄大な景色を堪能しながら緩やかな道を進む。ゴロゴロした 岩場を乗り越すと目の前に剣岳がすごい迫力で迫ってきた。 剣山荘の赤い屋根も見えてきて、そこにめがけて一気にくだる。

雷鳥沢キャンプ場 後立山連山を見ながら剣山荘へ 足下の剱沢を見ながら剣山荘へ

剣山荘着11時50分。今日はここで泊まり、明日剣岳にアタックする予定であったが、早く着いたのでこのまま山頂をめざすこと にした。一服剣の登山道にたくさんの人が見えるが、まだ昼頃のせいか小屋の中はシーンとしている。すぐ宿泊をお願いして、 荷物を置き、カッパと食料少々持ち、出かけようとすると、 小屋の主が、今から登るとなると帰りは5時頃になるから、気をつけて行くようにと、見送ってくれる。12時08分 剣山荘出発。 山荘からすぐ一服剣への登りだ。丁度登山者が下山してくる時間帯なので、すれ違う度ごとの挨拶に忙しい。

お花畑の斜面を登り、剣御前の稜線からのコースとの合流点を通過し、岩の道を登り切ると一服剣山頂に着いた。ここでも下山する登山者が何人も休んでいて、それぞれの場所を陣取り、広がる北アルプスの展望を楽しんでいる。‘これからですか、お気をつけて’と声をかけられる。そのままピークを過ぎる。 目の前には前剣が高く聳えている。一端コルまで下がり、岩礫の急登。 大岩を通り抜け岩稜に出る。目指す前剣の頂上はすぐ上だ。 やっとすれ違う登山者もいなくなり、前剣頂上に着いて、目の前の剣岳を見ながらゆっくり休憩する。

ここから少し行くとクサリ場があり、岩峰を乗り越し、いよいよカニのたてばいの岩稜の登りとなる。 難所と聞いているので、緊張する。岩稜のとりつきの最初のボルトが高く、足がそこまであがらなく苦労するが、 要所要所に確実にボルトが打ち込まれているので思っていたより楽だ。でも、振り返ってみるとすごい。 スパッと切れた岩稜の足元から、勢い良く風が吹きあがり、高度感でザワッとする。人のいない剣岳の最後の カニのたてばいも終わり、岩場を進んでいくと、14時19分頂上に到着。

前剱 剣山荘 一服剱

生憎と先程からガスってきて、山頂からの展望はなくなった。大パノラマを期待していたが残念。大きな岩の上の祠で 記念撮影をし、この剣岳を夫と二人だけで占領出来た喜びに暫し、浸る。 30分程休憩し下山開始。もときた岩場を過ぎると、今度は、 カニの横ばいから始まった。登りはカニの縦ばいで下りは横ばいだ。 鎖につかまり慎重に渡るが、何所か岩稜が下まで切れている。 横ばいが終わる時点で岩稜と殆ど垂直に下りる鉄ハシゴがあった。

ここで女性二人がしゃがみこんでいるので声をかけると、ハシゴまで行く事が出来ないと云う。 2〜3歩進むと鉄ハシゴの手が見えるのだが、 少し下がり気味の一枚岩の先は切れ落ちていて、ホールドもないので、恐怖感が先にたってしまったのだろう。 夫が手助けしてハシゴに乗せると、やっと降りることができたと喜んでいたが、私達がこなかったらどうしたのだろう。 頂上だけがガスっていたようで、すぐ青空が見え素晴らしい展望となった。 岩礫はすべって足を取られそうになり気が抜けないが、景色を楽しみながら、 ゆっくり下りる。やっと剣山荘が見え、予定通り5時に到着。 小屋は満員で8組の夫婦と同室になる。

夜中、明け方と大雨と強風でどうなるかと思ったが、6時頃小雨になり、同室のご夫婦はみんな剣岳へ登っていった。 6時40分、 日が差してきた。 澄んだ空気の中にどっしりとした黒く大きな剣岳に見送られ、下山する。雷鳥平に9時頃、室堂に10時頃到着。 今日も天気が良い。抜けるような青空に立山連峰が絵のように立ち並び、 室堂はたくさんの人で賑わっていた。

カニの縦ばい下部 カニの縦ばいの上部 頂上