槍ガ岳 やりがだけ    3,180b   97.09.24
06:45 常念小屋
09:40 大天井岳着
10:26 大天荘発
16:10 槍岳山荘着
06:49 槍山荘岳発
07:15 槍ヶ岳頂上着
07:30 槍ヶ岳頂上発
12:20 上高地
07:34 涸沢ヒユッテ発
16:30 涸沢ヒユッテ着
14:50 北穂高小屋発
14:20 北穂高小屋着
08:00 槍岳山荘発
07:40 槍岳山荘着

23日は一ノ沢から常念岳に登り、常念小屋に泊まった。24日の今日は、常念小屋から横通し岳、大天井岳を経て東鎌尾根から 槍ヶ岳へ向かい、槍岳山荘に泊まる。そして25日は槍ヶ岳を往復し、大喰岳、南岳、北穂高岳を通り、涸沢に下り、 涸沢ヒュッテに泊まる。上高地に着くのは3日後の26日の予定だ。槍ヶ岳は鋭い槍の穂先のような姿で、凛々しく、気高く、 私のあこがれの山で、表銀座コースと呼ばれているこの縦走路を行く、私の待望の日だ。

常念小屋 6:45分出発。 すぐ、横通岳の登りとなる。 振り返って朝日に光る常念岳の勇姿を目に焼き付ける。赤いトタン屋根の常念小屋が見えなくなると、 横通岳を登り終わり、回り込んで東天井岳へと向かう。風もなく、暖かい朝日に迎えられての緩やかな縦走路。 雲がわき上がっている東鎌尾根を見、 また今日も槍ヶ岳周辺に雲がまつわりついているのを残念に思いながら東天井岳で グルリと景色を楽しむ。気持ちの良い道はまだ、大天井岳まで続く。ガスが出てきた。大天荘小屋が見えてきた頃から、 ガスが広がってくる。濃霧の中、大天井岳9時40分到着。

槍岳をはじめとして素晴らしい展望を期待していたが、山頂標識の写真を撮っただけで下山。 大天荘に戻り30分程休み、いよいよ槍ヶ岳へ。大天荘から大天井ヒュッテへの緩やかな登り。 ヒュッテの前を通り、喜作新道を進む。所々で雲がきれて、辺りの景色を見せてくれる。大天井岳が雲の中から見え隠れしており、 そして一瞬パッと姿を現す。凄い!あんな所から来たんだ、と思う。尾根道の縦走路は楽しい。雲が流れて、見晴らしの良い所に陣取り、 日向ぼっこをしながら昼食。尾根道には幾人かの人が歩いており、近づいて、昔からの知り合いのように話し合う。 山だからこそ出来る技だ。
常念小屋から大天井岳へ 西岳山荘 西鎌尾根をゆく

ヒュッテ西岳に12時30分到着。昨日、常念岳から見えた西岳は、 ずーと遠くだったのに、着いちゃった! 西岳からは、鉄ハシゴを下り、いよいよ東鎌尾根を通るぞという気構えを持つ。 クサリ場が終わり、水俣乗越に出る。両側が崩壊崩れて、狭い縦走路。ここが最低鞍部。左側はスパーッときれて槍沢まで落ち、 右側はガスがかかって見えない。やがて、クサリ場、二段ハシゴ、鉄ハシゴと通り抜け、ヒュッテ大槍の小屋が見えてくる。 小屋の前を通ると、ここに泊まらないかと声をかけられるが、足は槍岳山荘に向いている。 挨拶だけして通過し、岩場を大きく曲がると、突然、雲の中から槍ヶ岳が見えた。見えたのではなく、 飛び出してきたと言う感じ。ビックリした。

岩稜の向こうに槍の穂先だけが見えたのに、それがドンドン大きくなって迫ってくる。絶景に感動する。 頂上はとても急峻で2〜3人しか乗れない感じだ。 ともかく昨日からはじめて槍ヶ岳が見えたのだ。疲れてきて、足も重くなっていたが、左下には殺生ヒュッテも見えだし、 もうすぐだと気合いを入れる。 最後の岩場をジグザグ登ると、赤い屋根が見えてきた。槍岳山荘だ。着いた。 16時10分到着。常念小屋から9時間余り歩いたのでうれしくて、急いで中に入ると、ビックリした。 なんと大勢の人でゴッタガエシているではないか。 槍沢から来た人、槍から下りてきた人、そしてこれから登る人、あちこちから来た人で小屋は超満員。 食事の順番も3回目で呼ばれる。さすが、天下の槍だと思った。いよいよ、明日槍ヶ岳登頂だ。
槍ケ岳が見えてくる 槍ケ岳山頂 槍ケ岳から穂高連山を望む

翌朝、槍岳山荘を 6時49分スタートする。今日はこれから槍を往復してまた山荘に戻り、 キレットを通って北穂から涸沢まで行く予定。
目の前の槍の最後の頂きには、たくさんの人が登っていて、クサリ場の順番を待って登山道で足踏みする間、 あたりの景色を楽しむ。今日は快晴。昨日歩いた東鎌尾根、 大天井から常念岳への稜線がずうっと見える。2〜3分でクサリ場の順番が来て、ハシゴを登る。以外とスイスイと登る事ができた。 剣岳より長いクサリ場も苦なく乗り越え、25分で山頂に到着。

山頂は凄い!20〜30の人がひしめきあっている。 下から見上げる槍の穂先はとても狭く 2〜3人しか立てないと思っていたが、以外と広い。周りは絶壁なので、皆、慎重に中腰になって移動している。 ここが日本で五番目に高い山。3,180m。穂高が、野口五郎岳が足元にひろがっている。もう山、山、山、 日本は山国だとしみじみと思う。 今日はこれから、あの遠くに見える穂高まで行く。雲一つない真青な空と、北アルプスの360度の大パノラマ。 こんな素晴らしい展望は滅多に見られない。感激と満足感で一杯になりながら、槍ヶ岳を下りる。 ここでも登りと下りはルートが分かれており、岩壁のクサリ場を慎重に通過、槍岳山荘へ下る。
槍岳山荘 大喰岳山頂 南岳山頂
槍岳山荘 8:00出発。  いよいよ、今回のハイライト、南岳を通ってキレット、北穂高そして涸沢へと 長い縦走路を行く。キレットは険しいとのことで、緊張してスタートする。 槍岳山荘を出る時は何人かの人の姿があったが、気が付くと誰もいない。あんなに良い天気だったのに, 飛彈乗越に下る頃から小雨がぱらつきだし、一時間位で大喰岳に着くと霧が立ちこめ、それから二時間位歩いて南岳に着いたときには、 強風と大雨ですごい天気になってきた。一面の霧でTm先がボーッとしか見えない。南岳小屋の中に避難する。 小屋の中には10人位の登山者がいた。何組かはこのまま戻ると云っている。二組はキレットを諦め、南岳から南岳新道、槍平に下りていった。私達はこのまま進む。

凄い風で恐ろしく、気持ちを引き締め、いよいよキレットへ向かう。幸い、雨が小降りになり、 気が付くと風も穏やかになっていた。 ハシゴやクサリ場を抜け、4〜5人を追い越し、途中、長谷川ピーク付近で岩場を下りられない人がいて、 渋滞しており、5〜6人がそのまま狭い尾根で立ち往生。夫が殆ど垂直な横の岩を下りていってしまったので、 私も恐ろしいが必死で付いていく。「飛騨泣き」が難所と聞いているので、 それがどこだと緊張して岩場を登ったり下りたりしているうちに、 通り抜けたらしい。さっきの所がそうだと聞いて、一生懸命歩いていたので、どこがどこだかわからないうちに、 目の前の岩壁も登り切って、北穂高小屋に着いてしまった。

小屋には14時20分到着。いつの間にか、雨もやんで、薄日も差し、振り返って、切り立った岩稜の尾根路を眺め、 あんな凄い所を通過してきたことに、感無量。ホッとしたせいか空腹に気が付き、小屋のテラスで昼食。 この北穂小屋には、去年奥穂を登ったとき泊まったが、食事がおいしく、気持良く寝れたので、また泊まりたい所だが、 明日の天気は悪く、雨との予報。30分程休憩している間にも、空模様がまた怪しくなってきた。 黒い雲が滝谷の方から沸き上がってきて、涸沢に向かって下り始めると又、雨が降り出してくる。そして、 すぐ本格的な雨になった。北穂から涸沢まで遠い事。濡れた岩石は滑りやすく、やっとの思いで涸沢ヒユッテに着く。 16時30分到着。雨はドシャブリになっていた。ヒユッテでは新しい方の小屋に泊まる事が出来、ストーブもガンガン燃えて、 疲れもフッ飛んだ。

翌朝は雪になった。7時34分、涸沢ヒュッテから下山開始。雪はすぐミゾレになる。本谷橋を渡る頃から日が照りだし、 暖かい日差しの上高地には12時20分到着した。緊張感を持って歩いた一ノ沢から上高地までの長い縦走路も終わり、偉大なる自然 に包まれて、足はとっても疲れているのに、心がやさしくなるのを感じながら、バスを待った。