鎌倉手帳(寺社散策)

秋の鎌倉 鎌倉検定



陽だまりの唄

岡戸事務所
編集:岡戸事務所






 『陽だまりの唄〜詩と随筆と〜』は、2007年(平成19年)に、私の農林水産省時代の先輩・萩原光之さんが定年退職をするにあたって発行した詩集・随筆集です。

  ※作者の許可を得て投稿しています。


陽だまりの唄


 昭和二十二年、親父が四十五歳おふくろが四十二歳だった時に、十人兄弟の末っ子として私が生まれたのです。 

 昭和二十二年だったから良かったものの、もう少し後だったら、この世に生まれていない運命だったような気がしてなりません。

 私が小学校へ入学する日に、「おばあちゃんと来た」「あばあちゃんと来た」と子供達にはやし立てられた時だけは悲しかったと、おふくろからは聞いたことがありましたが、あの頃の農家の主婦は、五十歳を過ぎると本当にいいおばあさんに見えた事でしょう。 

 私がもの心ついた頃には、髪の毛は白く、冬になってヒビだらけのおふくろの手を見た時、早く春が来てくれないかなぁと思った程です。


 私が高校生の時の作品に、


 春よ!

  一足早く来ておくれ

  私の大切な母の為に

 花よ!

  今すぐに咲いておくれ

  大切な母の為に

 ごそごそな母の手を

 いつか見たとき

 白髪の母を

 そっと見る時

 いつもそう思う

 春よ、花よ

  一足早く来ておくれ


 こんな作品がありますが、一年毎に歳をとっていく両親の姿をどうしようもない寂しさで見ていた気がします。

 貧乏人の子だくさんで、着る物は兄貴のお古・食べ物もいつもおふくろが等しく分けてくれましたが、この世に生まれて来たおかげで、悲しみも、そして生きている喜びもその何倍か味わえました。

 歳をとってからの子どもだったし、兄や姉達もいっぱいいた事だから、あふれる程の愛情を注がれて、今の「極楽とんぼ」の私ができあがったのでしょう。

 そんな私ですが、何とか定年を迎えられそうです。

 今は亡き両親や、いつも見守ってくれている兄弟、そして職場の仲間、友人、そのほか色々な人達に見守られ、支えられて今まで幸せに過ごして来られたのです。

 そんなのどかな日々の中で、心に響いた事などを遊び心で詩に書いたり、文に書いたりして、自分なりに楽しんで来ましたが、妻や仲間・友人の後押しがあり、何とか一冊の本を作り上げることができました。

 すべての作品をこの一冊にまとめた事から、力の入った作品、さらりと書き上げた作品、色々になっていますが、読んでくれる、読んでくれないはともかくこの本を皆さんに差し上げられる事が、私としては最高の喜びです。

 (自己満足・自己満足)


詩・・・心のままに


随筆・・・私の足跡







〜萩原光之作品集のご紹介〜

南風
(昭和46年発行)

萩原光之:詩・随筆集
(『陽だまりの唄』に続く作品集)

萩原光之:版画集

家庭菜園メモ