鎌倉手帳(寺社散策)


鎌倉寺社巡り その1
来 迎 寺(西御門)


編集:岡戸事務所
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=土紋装飾の如意輪観音《来迎寺》=
(時宗)

 藤沢の遊行寺末。
 来迎寺の「如意輪観音」は、鎌倉地方独特の「土紋装飾」という技法を施した像で、源頼朝の持仏堂(法華堂)にあったものと伝えられている。
 「地蔵菩薩像」は、宅間浄宏作と伝えられ、県の重要文化財に指定されている。この像は、現在は廃寺となった報恩寺の本尊だったもの(報恩寺→太平寺法華堂を経て、この寺に移された。)。

鎌倉観音巡礼第5番札所(如意輪観音)
鎌倉地蔵巡礼第2番札所(報恩寺(岩上)地蔵)
鎌倉十三仏第10番札所(阿弥陀如来)
開山 一向
本尊 阿弥陀如来

(参考:神仏分離と鶴岡八幡宮(okadoのブログ)



来迎寺の仏像

◎本尊「阿弥陀如来坐像」
 1712年(正徳2年)、鎌倉仏師三橋薩摩によって造立されたもので、鎌倉十三仏の第10番の札所となっている。 

◎「地蔵菩薩坐像」(県重文)
 岩を模した台座の上に坐していることから「岩上地蔵」と呼ばれている。
 西御門にあった報恩寺の本尊で、1384年(永徳4年)、宅間浄宏によって造立されたことが判明している。
 特徴は、「禅宗の仏像」や「頂相」に流行った衣を八の字に開き、裾を台座から真下に垂らした形で「法衣垂下」と呼ばれる様式である。
 鎌倉二十四地蔵の第2番札所となっている。 

◎「如意輪観音半迦像」(県重文)
 「鎌倉で最も美しい仏像」とも言われている。
 もとは法華堂に安置されていた像で、『吾妻鏡』に「北条政子が如意輪観音を念持仏としていた」という記録があるたことから、この像が政子の念持仏として信じられてきたが、その様式からは、南北朝時代の作と考えられている。
 特徴は、衣文に施された「土紋装飾」で、鎌倉時代後期から室町時代にかけて流行った鎌倉独特の装飾方法である。
 鎌倉三十三観音の第5番札所となっている。 

土紋が施された如意輪観音・・・西御門来迎寺(okadoのブログ)

◎「跋陀婆羅尊者像」(市重文)
 跋陀婆羅尊者は、水によって悟りを開いたと伝えられる羅漢。浴室の守本尊として祀られる。
 禅宗では、浴室は僧堂、食堂とともに「三黙堂」と呼ばれている。もとは西御門にあった報恩寺に安置されていたもの考えられている。
 近年までは、建長寺広徳庵自休和尚の肖像だと言われてきた。
 江ノ島の稚児ヶ淵には、自休に見初められた稚児の白菊が、断崖から身を投げ、自休もその後を追ったという伝説が残されている(参考:かながわの景勝50選「江ノ島稚児ヶ淵」)。




 来迎寺の開山は、「一向」といわれているが、時宗開祖の「一遍」ともいわれてきた。実際にどちらであるのか、または、どちらでもないのかは明らかではないが、1293年(正応6年)、鎌倉に大地震が起こり、亡くなった村人の菩提を弔うために来迎寺が建てられたということは判明している。
 「一遍」と「一向」は、ともに各地を遊行し踊り念仏を修したことから、「一向」の「一向宗」と「一遍」の「時宗」が混同されるようになった。
 一向宗というと親鸞が開祖の浄土真宗もそう呼ばれているが、江戸時代に、一向の一向宗は時宗に統合され、一方、浄土真宗には一向宗の名が許されている。
 昭和に入って、宗教団体法が施行されたことにより、一向宗と時宗は別々のものとされ、多くの寺院が時宗から一向の母体である浄土宗へ帰属したということである。
 参考:一遍上人地蔵堂跡


「西御門」・・・

詳しくは写真をクリック
 来迎寺のある西御門という場所は、この辺りが大倉幕府の西門の前面にあたることから付けられた地名。
 西御門には、7つの寺があったといわれ、来迎寺裏手のテニスコートがある地には、鎌倉尼五山第一位の太平寺があった。また、臨済宗の高僧義堂周信の開山といわれる報恩寺と保寿院もあり、両寺院とも現在の第二中学校がその跡地とされている。
 報恩寺は、宅間上杉氏(能憲)によって建てられ、本尊の「地蔵菩薩」(鎌倉二十四地蔵)は宅間浄宏作とされ、現在は来迎寺に安置されている。保寿院は、足利基氏(初代鎌倉公方)の母の菩提所だった。



☆伝説!如意輪観音☆
 ある日、長者の娘が遊んでいた浜で大鷲にさらわれ、その後死体となって発見された。嘆き悲しんだ長者は、供養にと娘の骨を如意輪観音の胎内に納めたという。今もその遺骨は寺に残っているらしい。 

参考:染屋時忠の伝説
魔の淵のお地蔵さま 妙法寺の鷲塚、辻の薬師堂六国見山の稚児塚、多聞院の十一面観音 塔ノ辻にも鷲にさらわれた長者の娘の伝説が残されている。

土紋が施された如意輪観音・・・西御門来迎寺(okadoのブログ)

☆土紋装飾とは?☆
 粘土や漆などを混ぜて型で抜き、刺繍の文様を立体的に表現する鎌倉独特の装飾方法。鎌倉に土紋装飾を施された仏像は七体あるといわれている。

土紋装飾の仏像


西 大 路
時宗総本山遊行寺(清浄光寺)
鎌倉の時宗の寺
太平寺跡





来迎寺:鎌倉市西御門1−11−1  0467(24)3476

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