鎌倉手帳(寺社散策)


鎌倉寺社巡り その6
塔 ノ 辻


編集:岡戸事務所
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塔ノ辻跡碑
 道路が交差する「辻」に「塔」が建てられている所を「塔ノ辻」と呼んでいた。由比ヶ浜大通り(長谷小路)の笹目の十字路には現在も塔が残されている。
 鎌倉には、「塔ノ辻」と呼ばれる場所が7箇所あった。筋違橋(宝戒寺)付近、鉄ノ井付近、建長寺前、浄智寺前、円覚寺前、下馬、そして笹目。
 伝説によると、由比の長者といわれた染屋時忠の娘が鷲にさらわれ、散らばっている肉片や骨を見つけては塔を建てて供養した所が「塔ノ辻」だといわれている。
 古地図によると、染屋時忠の屋敷近くにも多層塔の絵が描かれている。こちらは「長者塔」と呼ばれていた。
 笹目にある塔ノ辻の五輪塔には、現在でも花が供えられている。
 「塔ノ辻」から斜めに由比ヶ浜へと向かう道は、日蓮龍ノ口へ護送される時に通った道。現在は、長谷観音の交差点から海岸方面への道が整備されているが、鎌倉時代にはこの道がなく、塔ノ辻から斜めに入る道が海岸への道(坂ノ下・極楽寺ヘと通じる道)であった。


笹目の変形五輪塔
 笹目にある五輪塔は、唯一の塔ノ辻の遺構。
 しかし、染屋時忠の娘にまつわる伝説は、塔ノ辻以外にも残されている。

甘縄神明神社 来迎寺(如意輪観音)
魔の淵のお地蔵さま 辻の薬師堂
妙法寺(鷲の宮)
 六国見山(稚児墓) 多聞院(岡野観音)

〜龍口刑場までの護送行程〜
 日蓮は、『種種御振舞御書』に「ゆひの浜にうちいでて」とあることから、塔ノ辻から由比ヶ浜に出たものと考えられる。
 そこから、「稲村路」(稲村ヶ崎)を越えたのか「極楽寺切通」を越えたのかは不明であるが、同書には「御霊神社」という名も見えることから、極楽寺切通を使用したというのが一般的となっている(ただし、この時代に、極楽寺切通が掘削されていたかは疑問がのこるところ。)。







長谷小路の散策  塔ノ辻から由比ヶ浜への古道



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