鎌倉手帳(寺社散策)


鎌倉寺社巡り その8
建 長 寺


編集:岡戸事務所
カスタム検索


〜鎌倉を知って鎌倉観光をより楽しく。〜







=日本初の禅専門道場 鎌倉五山第一位《建長寺》=
(臨済宗建長寺派大本山)


三門(三解脱門)
 建長寺は、1253年(建長5年)、五代執権北条時頼が宋の蘭渓道隆を招いて開いた日本で初めての「禅専門道場」。
 「巨福山建長興国禅寺」と号する。
 道隆は、厳格な禅風をそのまま持ち込み、境内は塵一つなく掃き清められていた。
 掃除の行き届いている様子を「建長寺の庭を竹箒で掃いたようだ」というが、この言葉に建長寺の修業の厳格さをうかがい知ることができる。
 道隆の書いた指導書「法語規則」は国宝。道隆は、その死後、後宇多天皇より、日本で初めてとなる「禅師号」を授けられている。

参考:鎌倉五山  北条貞時十三回忌供養〜円覚寺〜(okadoのブログ)

建長寺の桜(okadoのブログ)  山内荘と北鎌倉の禅寺(okadoのブログ)


鐘楼

仏殿
鎌倉観音巡礼第28番札所(千手観世音)
鎌倉五名水金龍水 不老水(どちらも残っていない)
鎌倉地蔵巡礼第9番、第10番、第11番札所
(心平寺地蔵、斎田地蔵、勝上けん地蔵)
開山 蘭渓道隆
開基 北条時頼
本尊 地蔵菩薩
(禅宗の本尊は、一般的に釈迦如来であるが、建長寺が建てられる前にあった心平寺の本尊が地蔵菩薩だったことによるらしい。)

建長寺の塔頭   鎌倉四大寺

※ 木造北条時頼坐像、国宝蘭渓道隆像(絵画)は、鎌倉国宝館に寄託。
建長寺の国宝〜法語規則と蘭渓道隆像〜(okadoのブログ)  宝物風入・・・建長寺(okadoのブログ)



鎌倉散策マップ




三溪園にある地蔵堂
◎心平寺跡
 建長寺の建つ谷は、もとは処刑場で地獄谷と呼ばれ、建長寺が建立されるまでは「心平寺」という寺があった(「十王岩」には地獄谷の伝説が残されている。)。
 心平寺の本尊だった地蔵菩薩坐像は仏殿に安置されている(心平寺地蔵)。
 参考:心平寺地蔵堂(横浜三溪園

☆伝説!斎田地蔵☆
 昔、斎田左衛門という者が無実の罪で処刑されることになったが、討手が刀を振り下ろしても斎田を斬ることができなかった。
 地蔵を信仰していた斎田が、髪の中に小さな地蔵像を納めていたからだという。
 許された斎田は、この像を心平寺の地蔵の頭の中に納めた。
 その後、建長寺が建てられ本尊地蔵の胎内に移されたらしい。

心平寺地蔵と斎田地蔵(okadoのブログ)



◎西外門と天下禅林
 総門の前には、東西の外門があったが、現在は、「天下禅林」の扁額を掲げた西外門だけとなっている。「天下禅林」とは、「人材を広く天下に求め育成する禅寺」という意味。「天下禅林」の文字は、1628年(崇禎元年)、竹西によって書かれたもの。
 東外門には、「海東法窟」の扁額が掲げられていたが、現在は法堂に掲げられている。
 かつて、西外門の前には、鎌倉五名水の一つ金龍水があった。

◎総門
 昭和15年に京都の般舟三昧院から移築されたもので、「巨福門」(こふくもん)と呼ばれ、1783年(天明3年)の建立とされている。
 「巨福山」(こふくさん)の額は、第十世一山一寧(いっさんいちねい)の筆で、「巨」の字に点が加えられ、百貫の価をそえたものといい、この点は「百貫点」と呼ばれている。
 「巨福山」は建長寺の山号。「小袋」という地名から付けられた。


詳しくは写真をクリック
中国風の伽藍配置
 建長寺の創建当時は、中国径山万寿寺を模し、山門(三門)、仏殿、法堂が中心線上に一直線に並び、庫裡と僧堂、浴室と西浄(便所)が左右対称に配置され、山門と仏殿その他が回廊によって結ばれていた。これが日本の禅寺建築法の基となっている。
 現在も山門・仏殿・法堂が直線上に並び、禅宗様伽藍配置を伝えている。 

建長寺・円覚寺の伽藍配置(okadoのブログ)


詳しくは写真をクリック
山門(三門)
 三門は、「三解脱門」の略。涅槃(悟り)に至るために通過しなければならない三つの関門(空・無相・無願)のこと。楼上には、釈迦如来・五百羅漢・十六羅漢が安置され、その下を通ると心が清浄になるといわれている。
 江戸時代に万拙碩誼によって再建されたもので、古狸が再建の勧進に活躍したことから「狸の三門」と呼ばれている。
 「建長興国禅寺」の扁額は、後深草天皇の筆と伝えられている。 

建長寺山門の大扁額(okadoのブログ)  狸の山門(三門)〜建長寺〜(okadoのブログ)

☆伝説!狸が三門建設の勧進僧に☆
 三門を再建する際、和尚さんにお世話になった狸が、勧進僧に化けて諸国を廻った。
 しかし、いろんな所で自分のシッポを見られ、次第に「勧進僧の中に狸が化けた和尚がいる」との噂が広まる。
 ある日、狸和尚は籠に乗った。噂を聞いていた籠かきたちは、「もしかしてこの和尚が…。」と考え、犬を連れてくると、その犬が和尚を噛み殺してしまった。しばらくすると和尚は狸の姿に戻ったという。
 その時に狸和尚が所持していたお金は、無事建長寺に届けられた。


詳しくは写真をクリック
前栽列樹(ビャクシン(柏槇))
 仏殿の前栽として植えられたもので、宋風の前庭様式を踏襲したもの。
 鎌倉時代の建物は焼失してしまっているが、7本のビャクシンの木だけは火災から免れた。蘭渓道隆が宋から持ってきた種を植えたとも伝えられ、幹回りは7メートルにもおよぶ巨木(新日本名木百選)。
 かつての絵図には10本のビャクシンが描かれ、総門と三門の間にも左右それぞれ6本のビャクシンがあったという。


詳しくは写真をクリック
仏殿
 芝増上寺の徳川二代将軍秀忠夫人(崇源院)の霊廟を移築したもので、重要文化財に指定されている。本尊地蔵菩薩坐像が祀られている。
 2010年6月29日、本尊背後に安置されている「伽藍神像」が国の重要文化財に指定された。

◎本尊地蔵菩薩坐像
 1253年(建長5年)の『吾妻鏡』には、「丈六の地蔵菩薩をもって中尊となし、同像千體を安置す」と記されている。
 丈六とは、仏像の大きさを表す用語で、1丈6尺を略したもの。
 現在安置されている地蔵像は室町期の作と考えられている。
 禅寺で本尊が地蔵菩薩というのも珍しく、かつて地獄谷と呼ばれた場所の心平寺の跡に建てたことから、地蔵菩薩を本尊にしたのだという。
 仏殿脇壇には、心平寺のものと伝わる地蔵菩薩坐像が安置されている。

心平寺地蔵と斎田地蔵(okadoのブログ)

☆伝説!兀菴普寧☆
 建長寺二世の兀菴普寧(ごったんふねい)という僧は、本尊地蔵菩薩に礼拝をしなかったという。菩薩はまだ修行の身であり、自分は悟りを得た仏であるので、菩薩より位が上という理由のようである。
 北条時頼の要請で建長寺に住持したが、時頼が死ぬと間もなく中国に帰ってしまったという。かなり気難しい方で「兀庵」(ごったん)という名から「ごたごた」という言葉が生まれたといわれている(参考:浄智寺)。


詳しくは写真をクリック
法堂
 法堂(はっとう)は、住職が仏に代わって須弥壇上で説法するための堂(仏法を講義する場)。
 文化11年(1814年)に再建され、千手観音が安置さている。関東では最大の法堂。
 かつては東外門に掲げてあった「海東法窟」の扁額が掲げられている。西外門の「天下禅林」と同じく竹西によって書かれたもの。

 平成22年、中国少林寺より信託された禅宗開祖達磨大師坐像。

雲龍図
 法堂の天井画は、十二所に住む日本画家小泉淳作の雲龍図で、製作には足掛け3年の時間を要した。天井に雲龍を描くのは、仏教において龍は仏の教えを人々に伝えるといわれ、修行僧に「法の雨を降らす」という意味がある。
 参考:雲龍図

唐門(勅使門)・方丈(龍王殿)
 屋根が唐破風(反曲した曲線状の破風)となっている。方丈前の中門で「勅使門」と呼ばれている。仏殿と同じく芝増上寺の徳川二代将軍秀忠夫人の霊廟の門を移築したものといわれている。
 唐門の正面の建物が方丈。総門同様に昭和15年に京都の般舟三昧院から移築された。宝冠釈迦如来が安置されている。
 参考:茶筅供養 詳しくは写真をクリック

保存修理が終了した建長寺の唐門(okadoのブログ)


大庫裡

得月楼

茶道と禅道(茶禅一致)〜建長寺の茶筅供養〜(okadoのブログ)


詳しくは写真をクリック
庭園(心字池(さん碧池))
 方丈背後の庭園は、蘭渓道隆の作庭で国の名勝に指定されている。禅宗庭園の源となった。心という字を池の形としたため「心字池」と呼ばれている。
 この庭には、霊松と呼ばれる大きな松の木があった。大覚禅師が庭に出てみると、松の木の上から話しかけるものがあるので、「あなたはだれですか?」と尋ねると「鶴岡八幡宮の神である。」と答えたという。


詳しくは写真をクリック
梵鐘
 北条時頼寄進で蘭渓道隆の銘文が浮彫りにされた梵鐘は、鎌倉三名鐘の一つで国宝。鋳物師は物部重光。

鎌倉三名鐘(okadoのブログ)


詳しくは写真をクリック
西来庵
 蘭渓道隆の塔所。建長寺派の専門道場。開山堂の背後には蘭渓道隆の墓がある。
 山門は薬医門。開山堂の門は、芝増上寺の徳川二代将軍秀忠夫人の霊廟(崇源院)にあったものを移築した。

◎蘭渓道隆像(頂相)
 頂相とは、禅僧の肖像画。道隆のそれは国宝(鎌倉国宝館に寄託)。
 11月の宝物風入の際には、建長寺でも公開されている。
◎黒漆須弥壇
 円覚寺の前机とともに、鎌倉の伝統的工芸品「鎌倉彫」の原形となったとされる(国指定有形文化財:鎌倉国宝館に寄託)。須弥壇とは、仏像などを安置する台座のこと。
 参考:鎌倉彫再興碑

建長寺の国宝〜法語規則と蘭渓道隆像〜(okadoのブログ)
運慶〜鎌倉の武家政権と奈良仏師〜(okadoのブログ)  国の伝統的工芸品・・・鎌倉彫(okadoのブログ)






詳しくは写真をクリック
茶屋「招寿軒」:『葛西善蔵とハナ』
 作家葛西善蔵が宝珠院で暮らした際、三度の食事や晩酌の相手をしたのが招寿軒の娘浅見ハナ。小説『おせい』は、ハナがモデルとなった。
 回春院に善蔵の墓がある。

詳しくは写真をクリック
河村瑞賢墓
 半僧坊に向う途中、招寿軒を左に折れると江戸時代に活躍した土木事業家河村瑞賢墓がある。建長寺裏に別荘があったという。

作家葛西善蔵と鎌倉(okadoのブログ)  建長寺の華厳塔(okadoのブログ)




詳しくは写真をクリック
半僧坊大権現
 裏山中腹にある建長寺の鎮守。
 後醍醐天皇の皇子「無文元選禅師」(むもんげんせんぜんじ)が開いた静岡県浜松市にある方広寺が半僧坊の本元。
 禅師につき従っていた男が、薪採りや水汲み、食事の仕度をしていたので、「飯僧」と呼ばれ、のちに「半僧坊」と呼ばれるようになったという。この男は、禅師が中国での修行を終え帰国する途中で嵐に遭った際に禅師を助けたといわれている。

建長寺の鎮守・・・半僧坊大権現(okadoのブログ)

 半僧坊参道には、茶店が軒を並べている時代もあり、大変賑わっていたという。招寿軒もその一つ。
 半僧坊信仰が全国に広まったのは、明治時代で、方広寺の山火事の際、円明大師(無文元選禅師)の墓と方広寺の鎮守「半僧坊」が類焼を免れたことから、半僧坊の威徳によるものという評判が広まった。

天園ハイキングコース(鎌倉アルプスを散策)
半僧坊からさらに上ると「勝上けん」展望台に到達する。
ここからは、覚園寺瑞泉寺などに通ずる天園ハイキングコースとなる。

明月院 ハ イ キ ン グ コ ー ス
建長寺 半僧坊 勝上けん展望台 十王岩 鷲峰山 天園 貝吹地蔵 瑞泉寺
↑↓ ↑↓ ↑↓ ↑↓ ↑↓
朱垂木やぐら 百八やぐら
覚園寺
獅子舞
永福寺跡
お塔の窪やぐら
十二所神社
大江広元墓
初め弁天
明王院



朱垂木やぐら(十王岩〜回春院)  明月谷から勝上献へ
鎌倉アルプスの散策・・・前編 後編



☆伝説!「いざ!鎌倉」 謡曲「鉢の木」☆
 五代執権北条時頼が旅に出た際、大雪に見舞われたため、荒れ果てた家に泊めてもらった。家主は客人が時頼とは気づかなかったが、暖をとるための薪もないことから、梅や松、桜の鉢の木をくべてくれた。
 この時、家主は、今は落ちぶれているが「いざ!鎌倉」というときには、一番に馳せ参じる覚悟であることを時頼に話した。
 後年、軍勢を集めた時頼は、言葉違わず一番に馳せ参じたこの武士(佐野源左衛門常世)に、薪にしてくれた鉢の木にちなんで、梅田、松枝、桜井を領地として与えたという。

落ちぶりたりといえどもこの源左衛門、鎌倉殿の御家人として、もし幕府に一大事がおこれば、千切れたりとも  具足を着け、錆びたりとも薙刀を持ち、痩せたりともあの馬に乗り、一番に鎌倉に馳せ参じ、一命を投げ打つ所存でござる。

北条時頼の廻国伝説(okadoのブログ)

  
☆伝説!けんちん汁は建長汁か?☆
 禅宗寺院の料理を精進料理というが、「けんちん汁」もその精進料理。
 建長寺を開いた蘭渓道隆が、野菜の皮やヘタを無駄にしないように発案したのが「建長汁」。これがなまって「けんちん汁」となったといわれる。豆腐を崩して入れるのは、誤って落した豆腐を入れたことからきているらしい。
 ちなみに、江戸時代の沢庵和尚(たくあん)が発明した漬物は「たくあん」である。

けんちん汁〜建長寺の精進料理〜(okadoのブログ)


☆伝説!梶原施餓鬼☆
 毎年、7月15日には「三門梶原施餓鬼会」が行われるが、何故、梶原施餓鬼があるのか?
 施餓鬼会の日にある武士がやってきて、施餓鬼会が終わってしまったことに残念がっていたので、大覚禅師(蘭渓道隆)がもう一度行ってあげたところ、その武士は大変喜び「自分は梶原景時の霊である。」といって帰ったという。
 以後、建長寺では、施餓鬼会が終わったあと梶原施餓鬼を行うようになった(梶原景時の変  梶原景時の追放 梶原景時の墓)。  

詳しくは写真をクリック

梶原景時の変(okadoのブログ)  建長寺の三門梶原施餓鬼(okadoのブログ)


建長寺の塔頭

 日本初の禅専門道場として栄えた建長寺には、49の塔頭があったといわれている。塔頭とは、高僧の塔のあるところ。現在は12の塔頭がある。

同契院 天源院 正統院

妙高院 龍峰院 回春院
〜鎌倉を知って鎌倉観光をより楽しく。〜


鎌倉の臨済宗の寺  建長寺の塔頭  禅〜自身で開く悟り:鎌倉新仏教〜




雪の建長寺
≪主な行事≫
立春の前日:節分会 2月15日:涅槃会
4月8日:降誕会(花祭り) 5月28日:茶筅供養
6月16日:河村瑞賢供養 7月15日:三門梶原施餓鬼会
8月23〜24日:開山忌 11月3日前後:宝物風入

鎌倉の紅葉・黄葉
建長寺の紅葉・黄葉
建長寺の桜(okadoのブログ)
建長寺のボタン(okadoのブログ)
建長寺のイワタバコ(okadoのブログ)
宝物風入・・・建長寺(okadoのブログ)




山ノ内道の散策






鎌倉散策マップ

建長寺:鎌倉市山ノ内8  0467(22)0981

〜鎌倉を知って鎌倉観光をより楽しく。〜

鎌倉寺社巡り その8トップ

鎌倉手帳トップ
鎌倉検定のページ
(3級・2級・1級の問題と解説)
カスタム検索