鎌倉手帳(寺社散策)


御成敗式目
(貞永式目)
〜武家政権のための法令〜


編集:岡戸事務所
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〜武家の法典〜
 1232年(貞永元年)、三代執権北条泰時によって武家の法典「御成敗式目」が制定された。全51条からなるもので、51条という数は17の3倍で、聖徳太子の憲法17条に由来する数という。
 源頼朝以来、鎌倉幕府には、このような法が制定されておらず、「道理」や「先例」に基づく裁判が行われてきたが、幕府の勢力が大きくなるに連れて、土地争いなどの揉め事が多くなってきた。
 そこで、制定されたのが御成敗式目(貞永式目)である。
 御成敗式目は、室町幕府の建武式目をはじめ、戦国時代、江戸時代を通じて武家の法の基本となった。
 参考までに、「御成敗式目」の制定時期と、「寛喜の大飢饉」の時期が重なっていることから、飢饉の影響を受けているとの説もある。

〜泰時消息文〜
(御成敗式目の精神と目的)
 北条泰時が御成敗式目を制定した後、六波羅探題の弟重時に送った書状(泰時消息文)には、御成敗式目の精神と目的が書かれていたという。
 「裁判が当事者の地位によって左右されるなどということがないように、公平な裁判を行うための基準となる法で、無学の御家人らにもそれを周知徹底し、法の無知によって罪に陥れられることのないようにすることが目的である。」
 また、「武家社会の道徳規範たる道理に基づいて定められているもので、公家社会の律令、格式を変更するものではない。」としている。

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北条泰時の御成敗式目(貞永式目)
新法不遡及の原則〜再婚した後家の所領返還問題と御成敗式目〜
不易の法〜北条政子の御教書と御成敗式目〜



御成敗式目の概要


前書  新法不遡及の原則


1条・2条  神社・仏寺の修理と祭祀、仏事の励行

3条・4条  守護の職務・警察権限

大犯三箇条(たいぼんさんかじょう)
 御成敗式目によって守護の権限が成文化されている。
 守護の権限は、@大番催促(おおばんさいそく)、A謀反人の逮捕、B殺害人の逮捕。大番催促とは、鎌倉の警護に当たる御家人の振り分け。

5条  地頭の年貢滞納の処分

6条  幕府と朝廷・本所との裁判管轄

7条・8条  不易の法と知行年紀法

不易の法
 源頼朝頼家実朝の源氏三代と北条政子の時代に、幕府から与えられた所領は、旧知行者が訴訟を起こしても改められない。
知行年紀法
 20年を越えて継続して知行してきた所領は、知行するに至った事情の如何を問わず、知行権を保証する。

9条〜15条  刑法

18条〜27条  民事訴訟法

悔返し権
 親などがいったん譲与した所領を取り戻す権利。子孫の死後や女子・外戚への譲与にも悔返し権が認められていた。

28条〜31条  裁判制度・訴訟手続

32条〜34条  刑法

35条〜  各種規定


 御成敗式目の制定以後、式目の不備や補充をした「式目追加」あるいは「追加法」と称される法令が発布されている。





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