treasure

―  7月7日 ―

催涙雨


冴実vr.


「忘れなさい」
(彼との思い出を全て?)

「捨てなさい」
(培った私の想いを?)

君の瞳はいつもそう言ってた

 だけど

「忘れたくない」
(記憶の中にしか彼はいないから)

「捨てたくない」
(共に過ごした時間は本物)

私は何度も呟き返した

だって 簡単に忘れられる思い出なら
最初から思い出にさえならないよ
簡単に捨てられる想いなら
最初から好きになんかならないよ

でも解ってる

「忘れなさい」も
「捨てなさい」も
君の精一杯の優しさ
私が前を向いて歩けるように

冷たく
けれど温かな言葉
きっとずっと
「忘れる」事は出来ないけれど
「捨てる」事も出来ないけれど
でもいつか 

その優しさの傍にいてもいいですか?


※※※※※※※※※※※※※※※



艶Ver.

「忘れたくない」
(もう触れる事さえ出来なくても?)

「捨てたくない」
(その想いさえ伝わらなくても?)

君は何度もそう言った

 だけど

「忘れなさい」
(覚えているのは僕だけでいい)

「捨てなさい」
(もう君の涙は見たくないから)

心の中で呟き返した

だって

触れる事さえ出来ないのなら
最初からいなかった事にすればいい

伝える事さえ出来ない想いなら
捨ててしまえば楽になれるのに

でも解ってる

「忘れたくない」も
「捨てたくない」も
君と彼との想いの具現

いつかは心の奥に沈んでしまう 形無き物だから

きっとずっと 「忘れる」事は出来ないだろう
「捨てる」事も出来ないだろう

でもいつか 

ありのままの君を受け止められますように



※※※※※※※※※※※※※※※



翼Ver.

「忘れていいよ」
(本当は覚えていて欲しくても)

「捨てていいよ」
(過ごした時間も想いも全部)

辛い想いをさせるくらいなら
いっそ全て無くしてしまえばいい

「幸せだったよ」と その一言さえ伝えられなくて
「泣いていいよ」と 抱き締める事すら出来なくて

ただ君の涙を見つめるだけ
伸ばした腕は届かずに
何も触れずに引き戻す

幾度となく交わした想いも
何度となく抱き締めた体も
もう僕には守れない

他の誰にも渡したくはなかったけれど
夢の中でしか交わせぬ言葉も
記憶の中でしか触れられぬ温もりも
君を癒せはしないから

幸せを願う 

君が元気でいるように
いつも願う 

誰かの隣で笑えるように



    (written by 琳架さん)









3vr.いただきました。
昨年いただいていた冴実vr.とあわせて、先日いただいた艶、翼vr.を一緒にあげさせていただきました。
琳架さんの物語を読みこむ力といいかすか、感受性の凄さには、毎回感嘆の声があがります。
素敵な詩をどうもありがとうございましたv







2009,3,1 up


top