鎌倉手帳(寺社散策)


和田合戦
和田義盛の滅亡


編集:岡戸事務所
カスタム検索


〜鎌倉を知って鎌倉観光をより楽しく。〜








和田城址の石碑
 和田義盛は、三浦大介義明の孫で、三浦半島の和田の地を治めていたことから和田を名乗っている(参考:和田の里)。1180年(治承4年)、侍所別当に就任している。
 梶原景時の追放では、先頭に立って弾劾状の提出を大江広元を強迫した。
 三代将軍源実朝には信頼されていたが、泉親衡の謀叛計画に子や甥が加わっていたことが判明し、北条義時との間で対立が起こる。



〜泉親衡の乱〜
 1213年(建保元年)2月、信濃の泉親衡が二代将軍頼家の遺児千寿丸を擁立し、北条義時を討とうとする企てが露見した。
 加担した者の中には、和田義盛の子の義直、義重、甥の胤長などもおり、2月16日には一網打尽にされている(計画の首謀者130人、一味は200人に及んだ。)。その約半月後、親衡は筋違橋に隠れていたところを襲われたが、どこかへ逃亡したという。
 領国の上総国にいた和田義盛は、3月8日鎌倉に戻り、将軍実朝北条義時に嘆願をした結果、これまでの忠勤から子の義直、義重は宥された。翌日、一族98人を引き連れて御所に参り、甥胤長の宥免を嘆願したが認められず、縛られたままの胤長は二階堂行村に引き渡された。義盛は大いに面目を潰された形となった。これが、義盛に対する北条義時の挑発のはじまりと考えられる。
 胤長は、陸奥に流され屋敷は没収された。


〜胤長の屋敷〜
 和田胤長の屋敷は、御所の東、荏柄天神社の前にあったとされている。
 3月25日、和田義盛が将軍実朝に願い出た結果、「罪人の屋敷はその親族に下げ渡されるという慣例」に基づき、義盛に与えられた。義盛は代官久野谷弥太郎を住まわせている。
 しかし、4月2日、北条義時は、久野谷弥太郎を追い出し、金窪兵衛尉行親と忠家に与えてしまった。


〜和田合戦〜
 あいつぐ挑発に怒りを抑えきれなくなった和田義盛は、とうとう合戦の決意をする。
 北条義時に不満を持つ御家人は多く、義盛の一族三浦義村は起請文まで書き、味方することを約束した。武蔵国の横山党も義盛への味方を約束している。
 1213年(建保元年)5月2日、義盛は北条義時打倒の兵を挙げた。ところが、三浦義村は義盛を裏切り、義盛の挙兵を北条義時に伝えた。
 横山党の到着も遅れている中、義盛は自軍を三手に分け、それぞれ義時邸、大倉御所、大江広元邸を襲撃させた。将軍御所を攻められた実朝法華堂に避難した。この時の和田軍は、総勢150騎あまりだったという。
 義盛の三男朝比奈義秀の活躍もあって、大いに奮戦したが、次第に北条軍に押され由比ヶ浜に退くこととなる。翌早朝、頼みの横山党3000騎が合流したことによって一時盛り返すものの、次々に新手を繰り出す北条軍の前に疲弊し、義盛の子義直が討ち取られた。再び由比ヶ浜に退いた義盛は、江戸義範の軍に討たれた最期を遂げた(参考:琵琶橋 和田塚)。


和田一族が葬られたという和田塚



 和田合戦で最もその名を轟かせたのは、和田義盛の三男朝比奈三郎義秀。
 政所では次々に幕府兵士を斬り倒し、足利義氏との戦いでは、逃げる義氏の鎧を引きちぎったともいわれている。
 若宮大路琵琶橋付近では、宍戸家政と戦い討ち取っている。
 (参考:伝説!朝比奈三郎義秀



 三浦義村は、一族の和田義盛を裏切ったことにより、千葉胤綱から「三浦の犬は友をも食らう。」と言われた。将軍御所で胤綱が義村の上座に座ったところ、「下総の犬めは寝場所を知らぬな」と言われたことに対して胤綱がこう切り返したと伝えられている(『古今著聞集』)。
 朝比奈三郎義秀は、逃れて安房に渡ったとか朝鮮に逃れたという説もある。
 参考:朝夷奈切通 ユガ洞
 横山党は武蔵国の横山庄を中心として割拠した武士団。
〜有力御家人も一緒に滅んだ。〜
 畠山重忠の乱で、重忠を射倒してその首をあげた弓の名手愛甲三郎季隆は、和田義盛に味方し一族ともに滅んだ。季隆は横山党の出身。
 源頼朝の御所造営等で活躍した大庭景義の子景兼は、和田義盛に味方し一族ともに滅んだ。



 北条義時は、和田義盛を滅ぼしたことにより、政所の別当とともに侍所の別当をも兼ねることとなる。北条執権体制が確立された。
 泉親衡に利用された二代将軍頼家の遺児千手丸は、北条政子のとりなしによって出家した。 1214年(建保2年)、和田の残党に再び擁立され、六波羅を襲撃しようと企てたが、計画が露見し、幕府の襲撃を受けて自刃したといわれている。
 和田合戦の引き金となったともいえる和田胤長は、和田合戦後の5月9日に処刑された。



源氏の繁栄・衰退・再興・滅亡
和田合戦〜北条義時の徴発と三浦義村の裏切り〜





鎌倉の合戦・謀叛・暗殺の歴史トップ

鎌倉手帳トップ 鎌倉検定のページ
(3級・2級・1級の問題と解説)
カスタム検索