はっくる物語18


 昔、早生の川ザケは、川にはいる前の銀ピカの海ザケよりも脂が乗って味が良かった。

 しかし、今や川ザケは、猫もよけて通るし、カラスでさえも見向きもしないほど、食べる魚としては下魚扱いである。

 採捕場では、捕っても、孵化用の卵を取って受精させると、魚の身の方は、ほとんど売れないので、大半は穴を掘って埋めているのが実態だ。

 中には、40センチ以下の雄ザケ等は、水揚げするのも面倒くさいらしく、採捕場の仕切り網の上流に再放流するなどという、裏技も使っているようだ。

 そして、そのサケが釣りをやるのに、非常に邪魔になる存在だ。サケも、河口付近であれば、餌、ルアー、毛針と、どういう釣り方でも結構釣れるようだが、中・上流部では、もはや、何にもあまり反応しないようだ。

 ただ縄張り意識のようなものは、あるようで、この前はドライに食いつこうとしていたニジマスを追っかけて、け散らすなどと、まったく不届きしごく千万な奴、と頭にきたこともあった。

 昔は、渓流釣りシーズンの終わり頃に、サケが大量に上ってくることはなかったのだが、本州でも、北海道ザケの移入卵で、手っ取り早く増殖をはかる孵化場が増えたからか?

 いずれにしろサケなんて、ありがたみのない魚になっている。それでも、投網とヤスを持った原住民や、ものすごい硬いダブルハンドのバスロッドに、両軸リールを付けて、40グラム以上のルアーで引っ掛けに来ているバス漁師が、出没するらしい。

 もう少し品良くできないものだろうか。あーあ、また、腹を開かれた雌ザケの死骸が川岸に落ちている。

 相変わらずカラスは見向きもしない。


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