そのループの高さを大雑把に分けると目線より高い、目線と同じ、目線より低いの三つのようです。
HARDYの竹竿でもあまり古いものや、新しいものは良く知らないので、1970〜1990年代に作られた一部の竹竿に限って言うと、スレッドの色がその竿が作り出すループの高さを示しているようです。
緑色は目線より高い、赤色は目線の高さ、黒色は目線より低いループを示しているといった具合です。
フライを始めた頃、私は緑色のを使っていました。 そのうち小平さんから「緑色のはすぐ飽きちゃうから、他の色のに替えた方がいいよ」と言われ、赤色のと黒色のを買いました。
その頃は、小平さんからループの高さの話を聞いても、正直いって何のことか全く分かりませんでしたが、後から買った竹竿を使っていくうちに、だんだんとその意味がわかってきました。
何の事はない、釣り場によっては腰まで立ち込んだり、足場が水面から高い場所、水面に張り出した木の下を釣る時等、その場に応じてループの高さ調節を自然にやっているわけで、当たり前の事でした。
しかしながら竹竿を使い分けてみると、緑色のは限られた釣り方で威力を発揮するもののように思えてきました。 一例を挙げるとContinental Special 6feet8ins.の場合、ウェイトフォワードラインをシュートしてパラシュートフライを高い位置から落とす様な使い方が合っているようです。 作られた経緯を想像するとリクエスト・特注で作られた竿が多いように思われます。
赤色と黒色の場合は、先の緑色の場合と少し趣を異にするようです。 カタログを見ると#3〜#4のラインを使うライトレンジのものには緑色のが多く、#5〜#7のラインを使うミドルレンジには赤色か黒色が多いようですが、どうもそれだけではないようです。
赤色のは色々なループコントロールが可能で、一本の竿で様々なキャスティングスタイルに適応できるHARDYの示す世界標準とも言うべきインターナショナルモデルが多いようです。
黒色のに関してはPhantomシリーズしか知らないのでその中で述べたいと思います。
なかには毛嫌いする人もいるらしいのですが、魚から釣り人が見える非常にゆったりしたチョークストリームのような流れで大き目のドライフライ、特にメイフライ等を水面すれすれにゆっくり飛行させると、着水前に空中で魚が掛かるという場面に良く遭遇しました。
これは非常に低いループコントロールが出来るドライフライアクションの竿を使った場合に限るようです。 色々な竹竿を使ってみましたが、赤色のPerfectionあるいは黒色のPhantomをよく使うようになりました。
重くて使いづらいと言う人もいますが、風等の自然条件に関係なく安定したラインコントロールができるので、私の勧めで始めはいやいやながら使っていた友人達も今ではすっかり慣れてその良さを理解してくれたようで、他の竿は使わなくなりました。
ところで、良くキャスティングセミナーで自分と同じ竿を見付ける度に借りて振ってみるのですが、自分の竿と比べるとまるでアクションが違い別物のように感じられたので小平さんに質問しました。
「他の人達は、あんた程振ってないからだよ」
「そういう人達は普段釣りに行く時は別の竿を使っているのでしょうか?」
「そのとおり。キャスティングスクールロッドといって、人が集まる時に見せびらかしに持ってくるようなもんだよ」
「へーえ、そういうもんなんですかねぇ。せっかく良い道具持ってても、そんな使い方しかしないなんてねぇ。まるで宝の持ち腐れですね」
「Phantomを持っている人はたくさんいるけど、実際使っている人は極僅かだからね。まして低いループを思い通りにコントロールしている人なんて滅多にいないからね。もったいないことだよねぇ」
W.F.Hardy, Pope, Marvel等、ひと頃は色々な竿を持っていましたが、現在所有しているのはPerfection 9' #5とPhantom 8'6" #6の二本だけになってしまいました。 Phantomの宣伝みたいになってしまいましたが、私はメーカーの回し者ではありません。
ある方から「CC.de.Franceにはスレッドの色がケ−ンカラ−、黒、クリムゾンのものがある。また、9feetのFeatherweight Perfectionでも赤と緑のものがある。これらは色が違えば使い方が違うのでしょうか?」との質問をいただきました。
「〜あまり古いものや、新しいものは良く知らないので、1970〜1990年代に作られた一部の竹竿に限って言うと、〜」ということで、W.F.Hardy, Phantom, Perfection, Continental Special, Marvel, Featerweight を実際に振り比べた結果、これらの竿は明確にル−プを使いわけるように作られていて、それをスレッドの色を分けることにより釣り人に知らせていると感じたうえで書いています。(1998.09.13)
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