はっくる物語9


 私はフライをやっていて気付いたことがあります。

 最近は色々な竿がどこでも手軽に買えるようになりました。 しかしながら釣り人の技術はその竿に対して合っていない人が多いと思います。 キャスティングセミナーに参加している人のなかでビギナーにそういう傾向が多く見受けられました。 ほとんどのベテランの人はまだ扱い慣れないからじゃないかという人が大半でしたが、使っている竿にある共通性があったようです。

 それは、長さが 8feet以下、ラインが #3〜4以下の短めの何々スペシャルという竿が多くみうけられました。最近私が使っているのは 8feet 6ins. #6 の竿ですが、限定的な釣り場で #4 の竿も使う事があります。 とは言ってもほとんどそういう釣り場に行かなくなったので、あまり使う事がなくなりました。 ですから、使っている道具のギャップのせいかと思っていました。

 それで幾人かの竿を借りて振ってみましたが、どの竿にも名前の割りにあまり主張がなく様々なキャスティングに対応する許容度というか、寛容性が狭いと思いました。 ということは、竿メーカーが、雑誌等に出ている人達の仕様に従って作られた、何々スペシャルという個性的なオリジナル竿を標準的モデルの様に宣伝しているからでしょう。 限定された釣り場で、特殊なキャスティングスタイルのみが通用するという、非常に特化された専門的な部分で出来る人だけが使えると言う事になるでしょう。 特に国産の竿に多いようです。

 それは、やりはじめのビギナーにとって大問題だと思います。 私がフライを始めた頃の様に万人向けの設計という考え方が少なくなってきたと言う事でしょう。 誰もが入りやすい、しかも、やればやる程深く面白いというフライの世界に誘うような竿は、もう出来ないのでしょうか。 そう思うのは、私だけでしょうか。 近頃は、その事を切望して止みません。


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