2006年8月 採集画像日誌




8月10日  Foret de Lyons, Normandie (100km North-west of Paris)

[] 時差ボケ調整を兼ねて今日は休暇。ノルマンディへ。収穫後の小麦畑でワラを作っているところ?

[] 緑がどんよりと濃くなり、夏の終わりを予感させる

[] 日本から持ってきたビーティング・ネットを早速持参

[] 落ちてくるのは小さなゾウムシ、テントウムシ、カメムシ、ハサミムシの類のみ

[] 予報を裏切り、天気が芳しくない。日差しがないと気温は20度を下回る

[] 花はあるがカミキリは見られない。ようやく見つけた普通種(Leptura maculata)

[] サカハチチョウ(の近縁種)(夏型)はまだ飛んでいる

[] アカガネサルハムシに似た美しいハムシ。こちらの方がやや大きめか

[] 小さなモンシロチョウの一種。パリ周辺では見かけない

[] 2時間でカミキリが2頭目。小さいがアカハナ(の近縁種 Corymbia rubra)のようだ

[] 昼過ぎに少しの間だけ日が差したが、花の上の甲虫が極めて少ない状況に変わりはない

[] 仕方がないのでクワガタ屋に戻る。ブナらしき材に怪しい小さな穴が・・・

[] 別の穴の中を覗くと、イッカククワガタが見えている。斧を遠くの車から取ってこなければ

[] 遠路を往復して持ってきた斧で慎重に割ると、イッカク(Sinodendron cylindricum)♀

[] 同じ材のさらに別の小さな穴

[] 掘るように削ると、またもやイッカク♀。活動中なのか新成虫なのか、判然としない

[] また♀が出る。これは新成虫のように思うが・・・

[] これも♀。腹部の膨らみ具合から、新成虫であろう

[] 続けざまに出てくるのは、何故かやはり♀ばかり。大小の個体にはこんなに差がある

[] 分かりづらいが、左に♀新成虫、右に♀の蛹が見えている

[] 成虫9頭目にしてようやく出てきた♂。羽化したばかりで上翅などがまだ茶色い

[] さらに、左が羽化したての♂、右が♀。材割りには少し時期が早いということだろう

[] 結局、ノルマンディのブナの森では、夏はほぼ終わっていたように感じた

[] 森の外の道端でトラハナムグリ(Trichius fasciatus)。先月山間部で採れたのと同じ種だ

[] 食べ物を買いにリヨンス・ラ・フォレ村に寄る。広場のカフェはもはや夏の風情ではない


8月12日  Le Puy de Dome/Clermont-Ferrand (400km south of Paris)

[] 北フランスは週末が悪天候との予報を受け、中部の山地まで車を飛ばす

[] 青空は見られるのだが、気温が低く、20℃を切っている。夏空に見えるのだが・・・

[] 標高1000m近い場所の林道を車で入るが、カミキリは非常に少ない

[] ようやく見つかったのは、以前スイスで見つけた赤いカミキリ(Anoplodera sanguinolenta)

[] しばらくして、普通種のアカハナ♂(Corymbia rubra)が見つかる

[] 朝は雲がかかっていた古い火山(Puy de Dome)の山頂も今はすっきりと見える

[] 飛翔中のセンチコガネをネット・イン。光沢が緑がかっている。初採集種かもしれない

[] またアカハナかと思ったら、どうやら先に採れた赤いカミキリの♂のようだ

[] これは普通種中の普通種。本当にどこでも見られる(Leptura maculata)

[] 別種のコルリでもいないものかと材を拾ってみると、早速産卵痕が

[] その近くの材からクワガタ幼虫が出たが、なんとこれはイッカクだ

[] 不明の蛹も出る。持ち帰ってみよう。やはり材割りには時期が早過ぎるようだ

[] ゴミムシなど目に付いた甲虫も採集

[] 闇雲のビーティングで、オトシブミ(Apoderus coryli)を見つけた(ピンボケ容赦)

[] 夕方、車で火山を登ってみると、なかなかの眺め。名水ヴォルヴィックの産地である

[] 山麓の中都市が、クレルモン・フェラン。ここに一泊することにした

[] 個人的に、フランスで最も名前の響きの美しい都市だと思っている

[] ホテルで今日の採集個体を整理


8月13日  Le Puy en Velay/Chaise Dieu (450-500km south of Paris)

[] 低温が続く。せっかく遠くに来たのだから、突き出た岩山の上に建つ寺院で有名な観光地へ

[] この大きなマリア像も別の突き出た岩山の上にある

[] 岩山の上から見た街(Le Puy en Velay)の眺め

[] そこから程近い山地へ車を走らせてみるが、気温は15℃を切り、しかも針葉樹だらけ

[] 何ら採集成果のないまま、標高1000mほどの街で昼食。寒さのため観光客は服を着込んでいる

[] 延々と走り広葉樹が出始めたところで、ようやくアカハナ♀(Corymbia rubra)

[] 次いで、以前ノルマンディで採集したホソバネ系のカミキリ(Stenopterus rufus)

[] これも既採集種ながら、鮮やかな色合いのカッコウムシ(Trichodes apiarius)に出会うと嬉しい

[] 道すがら立ち寄った土場で、オニグモとコガネグモを合わせたような大きなクモを見つけた

[] 天候のためか季節がもう遅いのか、朝から走り回って乏しい成果。夏も終わりだ

[] 夕方から夜にかけて400km以上の道のりを延々と飛ばして、帰宅。疲れたぁ


8月15日  Val Suzon (Dijon), Bourgogne (300km south east of Paris)

[] 今日は祭日。「にわか単身」の最後の悪あがきで、南西へ300km車を飛ばす。おぉ、夏の雰囲気

[] 森の道を走っていると、良さげな土場が見つかる

[] ところが、見つかった甲虫はアリモドキカッコウムシのみ。これは初採集種だからいいか・・・

[] 花には各種のチョウが群がっているのだが、甲虫はめったに見られない

[] ヒョウモンチョウ、シロチョウ、シジミチョウ、ジャノメチョウの仲間が多い

[] ようやくカミキリを見つけたが、どこにでもいる種(Leptura maculata)だ

[] 森の側に位置していて日当たりと風通しの良い絶好の土場に見えたが・・・

[] やはりアリモドキカッコウムシだけ闊歩していて、カミキリは影もない

[] 周囲の花にチョウが沢山舞っている。キチョウは初撮影

[] 動物の排泄物に群がる水色がきれいなシジミチョウ

[] とても小ぶりなヒョウモンチョウ

[] アザミの花に付いていた模様のきれいなガ

[] 甲虫は黒い小さなハナムグリ(Oxythyrea funesta)くらい・・・

[] 白斑のないものもいたが、同種なのだろう

[] 山を登ってみるも、何も見つかりそうにない。かといって材採集を始める気にもなれない

[] 道端に、ベニヒカゲの一種

[] 車を当てもなく走らす・・・

[] 土場の直ぐ脇にカミキリの好きな花が咲いていたが、各種のハチに占領されていた

[] おーい、めぼしい甲虫やーい

[] イチモンジチョウ。チョウは8月が良いのかもしれない

[] 時間がだいぶ経って、とうとう最後の望みの土場

[] やはりこれのみ。悪あがきも尽きたようだ。これにて、この夏の採集はほぼ終了


8月17日  A la maison (Paris)

[] 12日に採集した蛹が今朝羽化を始めていた。コルリ♂のようだが、何だか大きい気がするが・・・

[] ちなみに、職場近くの街路樹のマロニエは、既に秋の色づきだ

[] 冒頭から約10時間後の画像。期待のPlatycerus capreaではなく、やはりcaraboidesなのか


8月18日  A la maison (Paris)

[] 昨夕、家族が日本から戻ってきた。それとともに待望の1冊がパリの我が家にも


8月19日  Bois de Boulogne

[] ブローニュの森を短時間だけ散歩

[] ルッキングだけだと甲虫は・・・

[] せいぜいテントウムシくらいしか見つからない

[] アカスジカメムシの裏側は、赤地に黒い点々

[] 林の中をイトトンボが飛んでいた

[] マロニエの紅葉・落葉は早く、すっかり秋の気配

[] ほら、足元にキノコも


8月20日  Foret de Meudon (5km south of Paris)

[] 久しぶりに近場のムドンの森を短時間の散策

[] 「集虫力」のある花は見られるが、ハチやアブばかりで、甲虫の影はほとんどない

[] その中にセイボウがいた。小さいがとても美しい

[] 花の上で見られた唯一の甲虫のハナノミ(同定は後日)

[] おや、ベニシジミ(Lycaena phlaeas)が止まっている。初撮影

[] 各所でビーティングを試みるも、小さなゾウムシ(同定は後日)が時折落ちるのみ

[] 森の中で開けた場所には虫がよく見られるが・・・

[] 葉上に飛来したヨツボシモンシデムシ類似種(Nicrophorus vespilloides)。うへ、ダニだらけ

[] 帰宅後にダニを洗い落として撮影。初採集

[] 気温は20℃以上はあるのだけれど、甲虫の賑わいはどこへやら・・・


8月22日  A la maison, Paris

[] 先日訪れたクレルモン・フェランがあるフランス中部オーベルニュ地方の自然保護のポスター

[] 昆虫ではアポロチョウなどと並んでイッカククワガタも載っている。希少種なのだろうか


8月23日  Bois de Boulogne

[] 昼休みにブローニュの森を散歩

[] 見つけた甲虫は、しぶとく咲くアザミにしぶとく付くゾウムシと・・・

[] 小さいけれどとてもお洒落な感じがするテントウムシ

[] ちょっと面白い花が咲いている

[] ドングリはまだ青いけれど、いくつも落ちている


8月24日  Bois de Boulogne

[] 20℃を優に下回った夜、パラレリの様子見にブローニュの森へ。樹液ではハチが優勢

[] 追いやられているのか、樹液のないところに小型の♂と♀

[] この樹液は空いているのに、クサカゲロウがいるだけ

[] 切り株にいた小型の♂

[] 夜の森ではウサギ達が活発に動き回っている


8月26日  Bois de Boulogne

[] 今夜は20℃近くありそう。ブローニュの森では小型のパラレリのペアが樹液に付いていた

[] 2つの木でパラレリを10頭ほど確認。気温が下がらなければ、パラレリの活動は続く


8月27日  Montargis (80km south of Paris)

[] パリの南のモンタルジという運河の街に行った。うーん、特にどうと言うことのない所だった

[] もう甲虫の気配はないので、虫採りはなし。画像は川沿いで見かけたアオイトトンボ


8月30日  Bois de Boulogne

[] 天気がいいので昼休みにブローニュの森を散歩

[] 甲虫の影は非常に薄い。大きなアブが花に来ていた

[] シータテハが葉の上で日向ぼっこ

[] 昼間のナラの樹液の主は、アカタテハ(近縁種)


8月31日  Bois de Boulogne

[] 今日も陽気に誘われてブローニュの森を散歩。秋の趣だ

[] 草は新たに生えてくるが、甲虫の姿は見られない

[] カメムシはいくつかの種が引き続き活発に活動中

[] 保護色で見分け難いが、地面の上のバッタ。跳ぶと羽が水色で美しい

[] モンシロチョウは数多く飛んでいる

[] ブローニュの森ではめすらしく、シジミチョウが飛んできた

[] 夜は、パラレリがまだ活動中