7月1日 Paris/Foret de Marly
夏休みに入った長女を英国の語学学校に送り出す(パリの北駅)
初めての一人旅。無事にオックスフォードのホームステイ先に着いてほしい
午後、ちょっと採集へ。盛夏が来た
しかし、盛夏には実は日中に見られる虫は少なくなる
セリもノイバラも、花の上はハチのみで、カミキリは見られない
目立つ甲虫は、センチコガネくらい
イラクサの葉が穴だらけだが・・・?
ビニール傘でビーティングの真似ごとをすると、微小なゾウムシが落ちる
森の中でヒラヒラと飛ぶ暗い色のジャノメチョウ
他に見つかった甲虫は、最近おなじみのトラハナムグリ
一人旅の長女から問題発生との緊急の連絡が入り、パリ市内に戻る
やれやれ、長女が無事に着いたようだ。ワインと共にフランスーブラジル戦の観戦
フランスの勝利! 明暗を分けたアンリ(仏)とロナウジーニョ(伯)
7月2日 Foret de Fontainebleau (50km south of Paris)
快晴の中、フォンテーヌブローの森へ。暑くなりそうだ
今日の採集目標のキソコマベニハナカミキリ(Stenurella melanura)のペア
無骨な形の緑色のハナムグリ(Gnorimus nobilis)。初確認
鮮やかなほど黄色のハムシ?(同定は後日)
あとはほとんどが既確認種。ベニボタルの一種(Lygistopterus sanguineus)
薄緑色に光るカミキリモドキ(Chrysanthia viridissima?)
いつものフタスジハナカミキリ近縁種(Leptura maculata)
暑すぎるためか、カミキリは日陰の花に集まっていて、数は少ない
先日見つけた、なかなか良さそうな土場
今日もブチヒゲハナカミキリ近縁種(Corymbia scutellata)が産卵に来ていた
ブナの粗朶が積み上がっている場所。ビニール傘でビーティングを試みる
小さなケシカミキリの一種(初確認種。おそらくExocentrus adspersus)がポトリと落ちた
また落ちた。なかなか良い調子。ビーティングもやってみるものだ
次いで、今日見かけたチョウ。コヒョウモンモドキ近縁種(同定は後日)
大きなヒョウモンチョウ(同定は後日)
上記種と比べて一回り小さなヒョウモンチョウ(同定は後日)
シロジャノメ(Melanargia galathea)。キソコマベニハナ♂も見えている
ジャノメチョウの一種(同定は後日)
シジミチョウの一種(Satyrium spini?)
セセリチョウの一種(同定は後日)
そろそろ打ち止め。帰る途中のバルビゾン村で飲み物を調達
パリに帰着。伝統的な店構えのビストロ。友人家族の帰国前に夕食会を催す
7月4日 Bois de Boulogne
昨日、今日と、ひたすら暑い。アザミに付くヒメジョウカイの一種
7月6日 Bois de Boulogne
昼休みの散策。昨日雨が降り、今日はそれほど暑くない
今はアザミの花が森の主役。綺麗なセイボウを見つけた
これはいつものトラハナムグリ
ブローニュの森でこれを見つけると、ちょっと切なく感じる
この森では久しぶりに日中にカミキリムシと遭遇。それは・・・
色は赤くないが、キソコマベニハナの♀ではないだろうか
純白のヒメハナグモがハチを捕らえていた
ヘリカメムシの上にゴボウゾウムシが乗っているめずらしいシーン
娘たちがいないので、夜(といっても明るい)は妻と洒落たビストロで外食
この女性たちは英語を喋っていた。観光客だろうか
気温が下がらないので、深夜にブローニュの森に出撃。ゴミダマの一種
とても小さなヨーロッパヤマカミキリ♀。やはりミヤマクワガタとは出会わない
郊外の街灯ポイントに行くもボーズ。うーむ
7月7日 Bois de Boulogne
ちょっとコースを変えて散策。マロニエの葉が早くも変色し始めている
キンイロハナムグリ(Cetonia aurata)がなぜか地面の上にいた
トラハナムグリ(Trichius rosaceus)は皆勤だ。あ、いつも自分が好きで撮ってるだけか
たいへん迫力のあるアブ
もっと迫力のある、大きなハチ(Xlocopa violacea)。もっと近くで撮りたかった
今日もセイボウを見つけた
針葉樹材の近くに飛来してきたカミキリムシ・・・
アカハナカミキリ(Corymbia rubra)の♂であろう。ブローニュの森にもいたんだ
7月8日 Foret de Lyons/Honfleur, Normandie
妻と二人で一泊旅行にノルマンディへ。まずはリヨンス・ラ・フォレ村
我儘を言って短時間だけ森へ採集に出かける。しかし、あいにくの雨模様
ビーティングで落ちてきたゾウムシ(Strophosoma melanogrammum)
このヒゲボソゾウムシ(?)も傘の中に(同定はいずれ)
葉の上で見られたのは、ハムシダマシくらい
花は咲いているが、天気が悪いせいか、虫の数はまばら
そんな中で、おお・・・
初確認のカミキリムシ(Stenopterus rufus)。上翅が寸足らずのホソバネ系だ
もう1頭。調べると、日本には同属がいない種のようである
妻が車で待っているので、採集はお終い。折角の機会だったのに、雨が憎い
なんと、村に戻って昼食を食べたら、晴れてきた
しかし、次の目的地へ移動しなければ。移動中に採ったキソコマベニハナ♂
モモブトカミキリモドキは、色がきれいだったので、撮影だけ
ドライブを続けて、この日泊まる港町のオンフルールに着く
夏の夕食には、テラス付きのレストランで冷えたロゼ・ワインが最高
7月9日 Honfleur/Etretat/Louviers, Normandie
朝食はホテルのダイニング・ルームで。なかなか素敵だった
美術館に寄った後、オンフルールの港町に別れを告げて・・・
海岸の景勝地で有名なエトルタへ
ノルマンディ地方をドライブすると、必ず行き会う牛の牧場
パリへ帰る途中、高速を降りてとある森でちょっとだけ道草。森に寄ると雨模様・・・
花の上の甲虫は、ヒメジョウカイとハナノミばかり
カミキリはマルゲリータ似のPachytodes cerambyciformisを1頭のみ
パリに帰ってくると、今夜の決勝を控えて、あちらこちらで盛り上がっていた
試合は残念ながらフランスの負け。後半のジダンのヘディングシュートが惜しかった
7月10日(昼の部) Bois de Boulogne
ナラの幹に止まるシータテハ。Cの字をうまく写すのはなかなか難しい
あとは、いつものトラハナムグリ(Trichius rosaceus)と・・・
キンイロハナムグリ(Cetonia aurata)。変わり映えしない画像をご容赦あれ
7月10日(夜の部) Orsay/Bois de Boulogne
メールをもらったパリ在住のO氏とともにミヤマ街灯採集へ行くも、ボーズ
仕方ないので、ブローニュの森でパラレリ採集。気になる立ち枯れの根元に穴が・・・
その穴に頭を突っ込んでいたパラレリ♂を取ると、その下にミヤマ♀がいた!
正真正銘パリ産ミヤマ♀。掘り出し採集は、昨年に次いで2度目だ
7月12日 Bois de Boulogne
こんなナラもあるのだが、残念ながら樹液は出ておらず虫はいない
たまには樹液に集まる蛾などはいかが。右はベニシタバ
夜の樹液でハチを見ると、シーズンの終わりが近づいていることを感じさせる
7月14日 Besancon (400km south-east of Paris)
妻と二人でフランス東部・スイスへ旅行。まずはブザンソンというフランスの町で宿泊
ブザンソンに向かう道路沿いで採集。アカハナ近縁種♀(Corymbia rubra)
ツヤケシハナ近縁種♂(Anastrangalia dubia)
ツヤケシハナ近縁種♀(黒色)。♂と♀は形も色も大きさも随分異なる
キソコマベニハナ♂(Stenurella melanura)。ベニなのは♀だけ
ナガシンクイムシの一種も採集Bostrichus capucinus
ブザンソンに程近い、川沿いの美しい村、オルナンス。釣り人の姿が見える
初確認種の小さなカミキリ(Pseudovadonia livida)。日本には同属の種がいないようだ
先ほどの川の水源地となる、鍾乳洞から勢いよく出てくる滝
再びツヤケシハナ近縁種♀(赤地に黒紋)
マルガタハナ似のカミキリ♀(Pachytodes cerambyciformis)
放牧されている牛の群れ。欧州らしい、牧歌的な風景
7月15日(前編:フランス東部〜スイス国境:ジュラ山地) Jura, France
ブザンソンのホテルで朝食。さあ、スイスへ向かって出発
ジュラ山地を越えていく。標高800m付近の道路わきの駐車場からの景色
うーん、ここでも普通種だけなのか(Leptura maculata)
と思っていたら、大きめの見慣れないカミキリが・・・
初確認種。フタコブルリハナと同属のようだ(Stenocorus meridianus)
美しい蛾のファンの方、この画像をどうぞ
標高1000m付近の道路わきの駐車場。既に針葉樹帯ながら素晴らしい環境
早速、美しく輝く種を初確認。クビアカハナと同属種(Carilia virginea)
さらに、パキタがここそこに
うーん、肩が広くてなかなかのフォルムをしている(Pchyta quadrimaculata)
キソコマベニハナ♀(Stenurella melanura)。平地よりも色が鮮やかに感じる
ゾウムシのファンの方、どうぞ
アブのファンの方、どうぞ
妻を待たせていたので30分しかいられなかったが、仮に一日中いても飽きそうもない
7月15日(後編:スイス中央部アルプス近辺) Interlaken 〜 Grindelwald 〜 Brienz, Switzerland
スイスに到着。トゥーン湖畔からの眺め
有名な観光地グリンデルヴァルトへ向かう途中で、絶好の土場が・・・
いきなりキンヘリタマムシに逃げられる。画像はトラハナムグリ(Trichius fasciatus)
初確認のカミキリを発見。和名はヤマナラシモモブトカミキリ(Acanthoderes clavipes)
これがその生態画像。保護色で見分けが難しい
鮮やかな配色のカッコウムシが飛んできた(Trichodes apiarius)
キンヘリタマムシを逃したのが悔しかったので、この土場で粘る
すると、んん・・・?
これは・・・
幸運にも、ルリボシカミキリに出会うことができた(Rosalia alpina)
と思えば、ド普通種もいたりする(Clytus arietis)
またもや鮮やかなカッコウムシ。よく見ると先の種とは別種(Trichodes alvearius)
素敵な蛾ファンの方、どうぞ
セイボウのファンの方、どうぞ。結局、キンヘリタマムシは何度も飛り逃がした
さあ、観光の続き。グリンデルヴァルトに到着
アルプスの眺めが素晴らしい
帰りも土場で小休止。ツヤケシハナカミキリ近縁種♀(黄土色)(Anastrangalia dubia)
保護色で見難いが、ヒゲナガカミキリの一種が交尾中(Monochamus sutor)
先ほどの絶好の土場で、キンヘリタマムシに再挑戦
幸運にも出会えたのは、ヤツボシカミキリ近縁種(Saperda octopunctata)
ブリエンツ湖畔のホテルで宿泊。明日もグリンデルヴァルトでアルプス観光
7月16日(スイス中央部アルプス近辺) Brienz 〜 Wengen 〜 Grindelwald 〜 Luzern, Switzerland
今日はロープウェイに乗って見晴らしの良いところへ
ロープウェイを途中で降りて、山の中腹を散歩
コガネムシ発見。確認途中でポロッと落ちてしまった
緑色の眼をした大きなアブ
落ち着いた赤色のカミキリを発見(おそらく、Anastrangalia sanguinolenta)
このカミキリも初確認(おそらく、Cortodera humeralis)
この上なく快適な場所での昼食
瑠璃色に輝く大きなハムシ(同定は後日)。残念ながらピンボケ
これはアカガネサルハムシに似た黄緑色に輝くハムシ(同定は後日)
麓の土場で、再びヤマナラシモモブトカミキリに出会う(Acanthoderes clavipes)
妻が助手席でうたた寝している間に、昨日の土場へキンヘリタマムシ探し
うわぉ、きれいなカミキリが飛んできた
デザインがなんともお洒落である(Saperda scalaris)
と思うと、普通種も飛んでくる。アカハナ近縁♂(Corymbia rubra)
遂にキンヘリタマムシの一種(Scintillatrix rutilans)の捕獲・撮影に成功!
周囲の環境、風通しとも素晴らしい土場だった。楽しませてくれて、感謝
そして、再び観光へ。ロープウェイで見晴らしの良い所へ
何とも心地よいひと時
今夜泊まるルツェルンへ移動。その途中で、ちょっと一服(Carilia virginea)
やはり、山地の個体は色が鮮やかに感じる(Stenurella melanura)
湖畔の素敵な都市のルツェルンに到着。自分は20年以上ぶりだ
7月17日(ルツェルン〜コルマール(フランス・アルザス地方) Luzern 〜 Colmar (Alsace, France)
ルツェルンを朝出発。フランス東部のアルザス地方へ
アルザスの小さな都市、コルマールに到着
アルザス・ワインと料理に舌鼓(スイス料理があまり美味しくなかったから・・・)
今日は昆虫の採集・観察はお休み。画像はシジミチョウ(同定は後日)
暑い日が続く。リックヴィル村で生ビール
7月18日(コルマール〜ヴォージュ山地〜パリ) Colmar 〜 Vosges 〜 Paris
コルマールのカフェ・レストランで朝食
パリへの帰路として、ヴォージュ山地越えの道を選ぶ
ところが、案に相違して、カミキリは平地で見られる種ばかり
標高にして1000m近い高地だが、いわゆる普通種しか見られない
ちょっと期待外れだった
これは、カミキリ間の「異種格闘技」
このトラハナムグリは山地性なのか、盛夏に多い種なのか(Trichius fasciatus)
このハナムグリは平地でも見られる(Oxythyrea funesta)
スイスで見られたのと同じカッコウムシ(Trichodes apiarius)
山を下り、延々と続くシャンパーニュ地方の小麦畑を通って、パリへ帰還
7月21日 Orsay/Bois de Boulogne
月が隠れた蒸し暑い夜だったので、ミヤマを拾いに街灯廻りへ
オオクワ、じゃなかったパラレリが飛んでいるのだから、条件のよい夜のはず
ところが、ミヤマの街灯への飛来は、とっくに盛りを過ぎているように思う
街灯に照らされた壁には、ゴミムシばかり。周りにはライバルのネコさえいない
これはめずらしい、ゾウムシが街灯下で見られた
口直しに、帰りにブローニュの森の暗闇の中へ。すると、ミヤマ♀が見つかった!
ミヤマが樹上を歩く場面を初めて見た。ただし、これは切り株である
非常に軽い。おそらく産卵後の個体であろう。シーズンの終わりを感じる
7月23日 Foret de Fontainebleau (50km south of Paris)
フォンテーヌブローの森へ、午前中の2時間だけ探索
ノイバラの花が終わり、めぼしい花が無くなってしまった
かろうじてセリの花にアカハナ近縁♀。とても小さい個体だ
目に付いた粗朶にビーティングを試みる
クモやこんなカメムシ?しか落ちてこない
ブナの倒木も叩いてみよう
5mmほどの微小なモモブトカミキリの一種が落ちた(Leiopus nebulosus)
土場にも何も見当たらない。暑い盛りは午前中といえど甲虫の気配が少ない
ならば、チョウを撮影。ジャノメチョウの一種(Pyronia tithonus tithonus)
シロジャノメ(Melanargia galathea serena)
シジミチョウの一種(Lysandra coridon ?)
帰路のバルビゾン村の近く。森から遠い場所の花には、カミキリムシは望み薄
ハチやアブだらけで、めぼしい甲虫はこのハナムグリのみ(Oxythyrea funesta)
7月25日 Bois de Boulogne
立ち枯れの根元に、(ニセ)ノコギリカミキリの近縁種(Prionus coriarius)