２００６年６月　採集画像日誌

６月１日　　Bois de Boulogne

異常に気温が低い日が続く中、昼休みに薄日が差したので、ちょっと散策に

当地ではシジミチョウを見かける機会は案外多くない(Aricia agestis)

コガネムシも比較的めずらしい。このコガネムシは初遭遇(Phyllopertha horticola)

このトラカミキリは普通種とのことだが、なるほどブローニュの森でも見られる

６月２日　　Bois de Boulogne

ブローニュを夜回り。チャイロホソヒラタが産卵中（ピンボケ容赦）

チャイロホソヒラタが･･･やっぱり産卵中？（ピンボケ容赦）

朽ちた切り株の上にゴミムシダマシ(おそらくNalassus laevioctostriatus)

パラレリのペア。気温が低く、虫たちがあまり活発でない夜だった

６月３日　　Paris 16e/Foret de Marly (25km west of Paris)

mm氏より荷物が届く。残りは１♂１♀だが、どうなるか･･･

さて、本日は好天なり。ところが出撃は午後遅めの時間になってしまう

ヴェルサイユを越えたところにある森。既確認種が多いが、まずカミキリから

ナラ材に、ハイイロハナ(Rhagium sycophanta)

葉の上にいつものようにぼんやりと、トラ(Clytus arietis)。

花の上に、どこでも見かけるホクチチビハナ(Alosterna tabacicolor)

これもどこでもいそうな、チビハナ(Grammoptera ruficornis)

今年初確認のマルガタハナ似のカミキリ(Pachytodes cerambyciformis)

そして、アカハナ･･･、いやアカハネムシ(Pyrochroa coccinea)

これは、カッコウムシの一種(Tillus elongatus)

ヒゲナガゾウムシ(Platyrhinus resinosus)。うぅ、ダニだらけ･･･

小さめのヒゲナガゾウムシ(Platystomos albinus)

水色のヒゲボソゾウムシ(Phyllobius maculicornis ?)

ヤナギについていた、ヒゲボソ？ゾウムシ。初確認種。同定は後日･･･

ニジュウニホシテントウ(Thea vigintiduopunctata)。背景との色合いがきれい

これは、フタホシテントウ(Adalia bipunctata)のいくつかある紋のうちの一つ

お洒落な色の組み合わせのハムシ(Chrysolina polita)。初確認種

そのハムシのアップ画像。この配色はなかなかユニークではないだろうか

尾の長いハチが産卵中。産卵管は尾とは別にあるようだ

６月４日　　Paris 15e/Foret de Meudon (5km south of Paris)

突然、ニューヨークへ出張

というのはウソ。セーヌ河の小島の上に立つ、同型の像

さて、ムドンの森へ。気温は相変わらず今ひとつ。カミキリは既確認種ばかりだった

葉の上のトラ(Clytus arietis)。どこでも見られるごく普通種のようだ

上の方にラギウム（ハイイロハナ）が見える（うー、ピンボケ）

お散歩ネットにイン！　昨日と同様、Rhagium sycophantaだった

葉陰に、ヤマカミキリ(Cerambyx scopolii)

アリかと思ったら、小さなカミキリ(Poecilium alni)

Rhagium bifasciatumがシャツにぶつかってきた。こんなこともあるんだ

葉の上に瑠璃色の小さなナガタマムシ（おそらくAgrilus cyanescens）

タマムシをフランスで確認するのは、恥ずかしながらこれが初めてである

もう近場ではなかなか新しい種に出会えない。採集方法を広げねば･･･

やれやれと、帰宅後のビール。明日から、ニューヨークではなく、香港に出張です

６月８日　　Hong Kong

香港出張。帰りの飛行機まで少し時間ができる

雨もぱらつく悪い天気。でも、せっかくだから散策に行ってみよう

眺めのよいはずの丘の上は雲の中。遊歩道を降りていく

すごい暑さと湿気。道端の潅木の葉の上に、ハンミョウ

そして、小さなタマムシ

生きたセミは３年ぶり。青地に白斑は香港カラーなのか？

天気が悪い夕方なので、昆虫撮影はことごとくストロボ使用

マダラチョウ。ようやく撮影できたけど、美しさが表現できない

これはアカシジミに近い種かな？　他にもいくつかの種のチョウを見かけた

こんな甲虫も見つけた。顎があるし、何の種類だろう

道に迷ってあせってしまった。香港とは思えない景色

何とかふもとに降りて、軽く食事して、空港へ

６月９日　　Bois de Boulogne/Orsay

出張から帰ると、パリは真夏だった。時差ボケ解消をかねて昼休みに散策

既確認種カミキリの３連発。まずは、トラ(Clytus arietis)

チャイロホソヒラタ(Phymotodes testaceus)

大きなヨーロッパヤマ♂(Cerambyx cerdo)。日中に見るのは初めてだ

ナラの樹液にアカタテハ。すっかり夏の風情

夜は友人とそのご子息とOrsay町へミヤマ灯火探索。おぉ、壁の上の方に？

網で落としてみると、今季初ミヤマ(53mm)

ゴミを被りながら壁にへばりつく、今季第二ミヤマ(48mm)

ミヤマ２頭は友人が記念に持ち帰り。画像は帰りにブローニュの森にて

６月１０日（昼の部）　　Foret de Meudon (5km south of Paris)

まだ11時半なのに、暑い。今日は花に注目しよう

おお、ヤツボシハナカミキリの近縁種(Leptura maculata)を今季初確認

日当たりの良い場所の花に、次々と飛来する

背中の模様は個体によりまちまちだ

これは、いつものトラ(Clytus arietis)。花の上では初めて見た

何か飛んでいるのを見つけ、慌ててネット･イン。あちゃー、ピンボケ

帰宅後に撮り直し。初確認種のカミキリ(Agapanthia villosoviridescens)

潅木の花に大きめのカミキリが付いているのが見えるが･･･

既確認種のヤマカミキリ(Cerambyx scopolii)だった

６月１０日（夜の部）　　Orsay

夜になっても20℃はありそうだ。連夜の出撃

しかし、今夜は満月？　ただし月の位置は低いが･･･（ブレ画像容赦）

街中の不動産店。昨晩は、ここで１♂

おぉ、今夜も店の前の舗道に、１♂(46mm)。さすが優良ポイント

次なる優良ポイントは、住宅街の中のとある街灯（ブレ画像容赦）

壁にべたっと、♂が貼り付いている(44mm)

他の場所を歩いてまた戻ってくると、さらに１♂。小さい･･･(39mm)

そのすぐそばの住宅の外壁に、また１♂(51mm)

通りかかる人は、深夜の挙動不審のアジア人をどう思っているのか？

最後に、街のど真ん中の公園内の記念館。おぉ、ライトの下に何かいる･･･

わざわざ網を伸ばして、検挙！

期待より大きくない(56mm)が、立派風な画像。どうも56mmあたりが壁だ

発生初期は♂ばかりなのだろうか。小さい３♂は森まで行ってリリース

６月１１日　　Provins (80km south-east of Paris)

パリから車で１時間半、プロヴァンという中世の面影が残る町へ妻と出かける

この週末は「中世祭り」という催しがあって、真夏日なのに結構な賑わいである

町の人々は、みな中世風のコスチュームを着ることになっているらしい

子供までこんな感じ

うー、暑い。オープン・カフェで軽い昼食。ウェイトレスも中世風

帰路、妻が居眠りしている隙に、道沿いでちょっと昆虫観察

昨日初めて見つけたこのカミキリは、日本のケマダラカミキリの近縁種らしい

早いうちに、暑いパリに帰着

６月１５日　　Bois de Boulogne

気温が下がった雨上がりのブローニュの森を、昼休みに散策

セセリチョウ(Ochlodes venatus faunus)が葉の上にポツンと

伐採木の上にムカデ？　いやいや、これはホタル♀の幼虫

ナラがこんなに樹液を出しているのは、50本に１本くらい

うわ、モンスズメバチがやってきた

樹液が流れている根元を小枝で掘ると、案の定パラレリが潜んでいる

アカスジカメムシのアップ

ゴボウゾウムシの一種(Larinus planus?)。黄色いのはおそらく体に付いた花粉

気温が少し上がり、カミキリモドキ(Oedemera lurida)も活発に活動中

６月１６日　　Bois de Boulogne/Orsay

今日は晴天の昼休み。「森の再生計画」の立看板

「採る前に撮」ろうとしたら、ピンボケでしかも逃げられた

今日はモモブトカミキリモドキが眩く光る

大きなモンシロチョウ。小さいものとは別種なのか、夏型なのか

アザミの花に付くゴボウゾウムシとカミキリモドキ

こんどは「撮る前に採」った。初採集のトラハナムグリ(Trichius rosaceus)

仕事を終え帰宅途中の交差点。20時でもこんなに明るい。明日から香港出張

だというのに、ミヤマ狙いの街灯廻り。ライバルのネコ

今夜はボーズ。飛ぶ日と飛ばない日の見分けが未だにつかない。難しいものだ

６月１８日　　Hong Kong

再び香港に出張。日曜の夕刻近く、ホテルのそばの動植物公園へ

綺麗なアゲハチョウが羽ばたきながら吸蜜中

アカマダラコガネに似たハナムグリを拾った

他にも素敵なチョウが飛んでいたが、なかなか画像に収められない

６月２１日　　Foret de Meudon (5km south of Paris)/Foret de Fontainebleau (50km south of Paris)

香港出張より、朝到着の便で帰還。職場を休み、ムドンの森へ散策に

まずは今日出会ったカミキリ達。これはいつものトラ(Clytus arietis)

これもドが付くほどの普通種(Leptura maculata)

ムドンの森が冴えないので、思い切ってフォンテーヌブローの森へ

ノイバラの花に、初確認種(Stenurella melanura)。キソコマベニハナという和名があるようだ

これが、その♀の上翅の模様

続いて、また初確認種(Anastrangalia dubia)。ツヤケシハナの近縁種らしい

上記と同じ種の黒い♀

上記と同じ種の赤い♀

上記と同じ種の別の模様の♀

そして、これが♂。これほど♀と形も色も違うものなのか

これは、既確認種のヤマカミキリの一種(Cerambyx scopolii)

同じく既確認種のチャイロホソヒラタ(Phymatodes testaceus)

ブナの立ち枯れに、ブチヒゲハナカミキリの一種(Corymbia scutellata)を初確認

次いで、その他の甲虫。初確認の黒いハナムグリ(Oxythyrea funesta)

これはいつものキンイロハナムグリ(Cetonia aurata)ながら、この個体は緑が美しい

センチコガネ(Trypocopris vernalis)が食事にありついているところ

別種のセンチコガネ(Geotrupes spiniger)が食事にありついているところ

初確認種の小さなエンマコガネ(Onthophagus vacca)

ノイバラにつくコガネムシ(Phyllopertha horticola)

まだ前脚がわずかに動いていた

ベニボタルの一種(Lygistopterus sanguineus)が群れていた。赤が美しい

なかなか格好のよいカミキリモドキの一種(Oedemera podagraridae)

こちらは美しいカミキリモドキの一種？(Chrysanthia viridissima)

このハムシ(同定は後日)もきれいだ

続いて、チョウ。ムドンの森で見た(おそらく)イチモンジチョウ(Ladoga camilla)

以下、再びフォンテーヌブローにて。コヒョウモンモドキの近縁種（同定は後日）

それと同じ種の羽の裏側

ギンボシヒョウモン(Mesoacidalia agraja)

ジャノメチョウの一種(同定に努力中)

暗い色のジャノメチョウの一種(Maniola jurtina)

夏至は特に日が長いので、きりがない。この辺で散策をストップしよう

帰路の途中のバルビゾンの村にて

６月２３日　　Orsay/Bois de Boulogne

今宵も♂ばかり･･･

しかも50mmそこそこかそれに満たない小型ばかり･･･

フランスが決勝進出を決めて盛り上がっている夜･･･

車や人に踏まれないよう、救出活動をしている自分･･･？

それにしても相変わらず･･･

街灯に飛来する甲虫は、ミヤマだけ･･･

帰りにブローニュの森で。樹上にミヤマの影かと一瞬期待したのだが･･･

６月２４日（昼の部）　　Foret de Meudon (5km south of Paris)

妻が車を使うというので、電車で近場のムドンの森へ

今日のテーマはクリの花のスィーピング。一度やってみたかったのだ

ヒゲボソゾウムシの一種、かな？

こんなゾウムシも（帰宅後撮影）(Philopedon plagiatus?)

おっと、タマムシ(Agrilus cyanescens)。既確認種ながらタマムシが採れたのは嬉しい

これも初確認のテントウムシ(おそらくAdalia decempunctata)

小さなジョウカイボン(Cantharis livida)

クリの花粉まみれのコメツキムシ

このハナムグリも花粉まみれ。いつものハナムグリとは別種のようだ(Potosia cuprea)

目当てのカミキリムシは、ド普通種のみ(Leptura maculata)。こんなものか

スジボソヤマキチョウに似たチョウ(Gonepteryx rhamni)を初めて撮影

ああ、喉が渇いた。電車で帰る前に、生ビール。背景は駅舎

近郊を走る電車の車内の様子

メトロの車窓から見えるエッフェル塔

６月２４日（夜の部）　　Orsay

昨晩に続き、ミヤマが飛びそうな夜。いつもの不動産店の前の歩道で

いつもの住宅街の白色灯に照らされた壁で。今季は13頭連続で♂のみ

そして、ついに今季初の♀が住宅街の車道上で。車かネコが襲う前に救出(?)

ビロウドコガネの一種(Serica brunnea)。めずらしいことに、パラレリの轢死体も見つけた

６月２５日　　A la maison/La Vallee (25km west of Paris)

昨晩採ったミヤマ。またもや56mmの壁を破れなかった

大顎の迫力が不足しているが･･･

パリ周辺で普通に探していると、このサイズが限界なのかもしれない

今日は一日中雨模様。というわけで、家族で郊外のアウトレット・モールへ

自分にとっても体を休めることができる日曜となった

６月２７日（昼の部）　　Bois de Boulogne

昼休みの散策。アザミの花にトラハナムグリ(Trichius rosaceus)

モモブトカミキリモドキ(Oedemera nobilis)が黄色い花の上で輝いている

このゴボウゾウムシ(Larinus planus)はアザミの花が好きなようだ

同じくアザミの花に、ヒメジョウカイの一種(Rhagonycha fulva)

なかなか個性的なカメムシ（同定は後日）

６月２７日（夜の部）　　Orsay/Bois de Boulogne/Paris 8e

フランス出張中のmy氏からの依頼により、ミヤマ街灯採集へお連れする

いつもの不動産店の前でミヤマ♀を撮影するmy氏。今夜はこの１頭のみだった

自分にとって初物のコガネムシ。ナガチャコガネに似ている（同定は後日）

WCのフランスの勝利を祝ってクラクションを鳴らしながら行き交う車

ブローニュの森も一つのポイントだけ覗いてみる。常連のカミキリ

ホテルへ送る途中、シャンゼリゼ大通りは時ならぬ通行止めとなっていた

原因はこれ。フランスの勝利に気勢を上げて深夜のシャンゼリゼを練り歩く人々

６月２８日　　Bois de Boulogne

今日も昼休みの散策。緑が濃くなり、盛夏の様相

このトラハナムグリは良い虫だが結構よく見かける。ド普通種かも

このハムシは、初確認(Xanthogaleruca luteola)

これは初夏以来よく見かけるオオモンシロチョウ(Pieris brassicae)

６月２９日　　Bois de Boulogne

連日の昼休みの短い散策。面白い花が咲いている

初確認のシジミチョウ(Celastrina argiolus)。あらら、残念ながら、見事なピンボケ