2006年11月 採集画像日誌




11月1日  Foret de Montmorency (15km north of Paris)

[] 今日はキリスト教の祭日(全聖人の日)。パリの北の、標高200mの山を初めて訪れてみる

[] パリの近くでは最も標高が高い場所だが、森の樹種は期待のブナではなくほとんどクリだった

[] 落ち枝を見ても、コルリクワガタの産卵痕は見つからない。クリ林では厳しいか

[] 仕方がないので、材を起こして虫を探すという最も安易な採集を試みると、早速ゴミムシが

[] こんどは、一回り小さい別の種のゴミムシ

[] これは、日本のキンナガゴミムシに似た緑色がきれいなゴミムシ

[] 材の下で越冬中のナナホシテントウをフランスでは初めて見た

[] クロヒラタシデムシは、材の下や中で越冬中のところがよく見られる

[] 越冬中の丸まり方が実に中途半端だが、いったい何のためだろう

[] 直径30cmほどの大きな材を起こそうとすると、なんと、コルリの産卵痕が見つかった

[] その材の下側の地面に接して湿っている場所に、コルリ幼虫がいた

[] さらに別の太い材。コルリはクリ林でも生息し、また太い材にも産卵することが改めて分かった

[] 材を起こすと、その下にコルリ幼虫がこぼれ落ちている。ちょっと不思議な光景だ

[] 残念ながら成虫は見つからず。ある細めの材で、コルリ成虫を期待して食痕を追っていくと・・・

[] なんと、ハイイロハナカミキリの一種の成虫が出た。カミキリ成虫を割り出したのは初めてだ

[] 暖かかった10月が終わって今日から気温が下がったが、アカタテハは活動中

[] そしてセンチコガネは、まだまだ結構な数が活動中である

[] 探索は昼食前に終了。初めての種には出会えなかったが、それでもフィールドに出るのは面白い


11月6日  Foret de la Montagne de Reims (140km east of Paris)

[] 溜まっている休暇を一日取って、シャンペンで有名なシャンパーニュ地方の山へ

[] 山と言ってもパリから100km少し行ったくらいでは、標高は300mもない。霧が濃い朝だ

[] 樹種はナラが中心で、期待していたよりもブナは少なかった

[] 初めてのオサムシ(Carabus granulatus)に出会う。日本のアカガネオサムシと同種のようである

[] 材の下で越冬中のデオキノコムシ(Scaphidium quadrimaculatum)

[] 材の中に意外にもエンマコガネ(Onthophagus vacca)が見つかった

[] さらに意外なことに、材の下に小さなクビボソハムシの仲間(Oulema melanopus)がいた

[] コルリクワガタを探していると、空いた蛹室にナガゴミムシが入っていて紛らわしい

[] コルリの幼虫は多く見られるが、成虫はいない。そんなときに目立つのはアカコメツキだ

[] 大きなブナの木の下が開けている。このような場所はコルリ探しの好ポイント

[] 10cm×3−4cmほどの小さな材だが、古さ・湿度ともに雰囲気は十分

[] 手で割ると、早速コルリ♂(Platycerus caraboides)が出た。ようやく成虫に出会う

[] 同じ材から、続いて出る。黒く見えるがゴミムシではない

[] 表に返すと、♀。こんなに色が濃い♀はめずらしいのではないか

[] さらに、再び♂

この♂は、黒化型と言ってよいほど色が濃い。黒いヨーロッパコルリは初めてだ

[] 場所を移動するために山の森を抜けると、一面のブドウ畑。もちろん、シャンペン用の畑だ

[] 小さな村ごとにシャンペンの造り酒屋があるようだ

[] これはその酒屋のシャンペンの酒蔵だろう

[] 今日は10度を切るほど寒いのに、センチコガネは活動中。小ぶりで瑠璃色に輝いている

[] 苔に覆われた切り株。苔を崩すと、オサムシが採れることがある

[] ほら、コガネオサムシ(Carabus auronitens)が出てきた

[] 疲れてきたので帰ろう。ブドウ畑は黄葉を楽しむには時期が遅すぎたようだ


11月10日  Wien, Austria

[] ウィーンへ短い出張。画像は国立オペラ劇場

[] 帰りの飛行機待ちの時間に、自然史博物館に行く。たいへん立派な建物だった

[] 時間がないので昆虫標本を中心に見て回る。画像は世界の大型クワガタの比較展示

[] これは、タマムシとコメツキの標本展示。タマムシ・コメツキは欧州産の展示は少なかった

[] カミキリの展示の一部。ヨーロッパルリボシカミキリの標本も見られる

[] 熱帯のチョウのジオラマの一部。やけに生々しいジオラマなのが印象的

[] 博物館内のカフェのメニューの一部。何なんだ、「芸者煎茶」って?

[] 博物館で買ったアリモドキカッコウムシのしおり。欧州ではカッコウムシは人気があるのかしらん


11月16日  Paris, 16e

[] ボージョレ・ヌーボーの解禁日。店頭に並ぶ何種類ものボージョレ・ヌーボー


11月18日  Paris, 1er

[] 好天の土曜だが、採集に行く時間は取れそうにない。画像はセーヌ河

[] このところの陽気のためか、若葉を芽吹いてしまった街路樹のマロニエを見つけた


11月19日  Foret de Meudon (5km south of Paris)

[] 昼食後に晴れ上がったので、ごく近場のムドンの森へ行って短時間の散策

[] 林床の材を起こすと、時折見られるゴミムシたち

[] このような恐ろしげなご婦人にも出会える(モンスズメバチ)。初めて採集してみた

[] 林の道の両脇に溝があり、ところどころ苔に覆われた小さな崖ができている

[] そこをめくると・・・、コガネオサムシ

[] 小ぶりな個体だ

[] コルリクワガタも探してみたが、幼虫を見つけたのみ。こんなに近場の森では難しい

[] 午後の傾いた日差しが、終わりかけている黄葉を照らしている


11月23日  Hoi An, Vietnam

[] ベトナムの中部の町での国際会議のために出張

[] 到着後に数時間空いたので、ホテルのそばの草むらを散策。イタドリハムシに似たハムシ

[] 気温は30度を優に超えて暑いが、トンボが多く秋の様相。画像は別のハムシ

[] これは、やや派手な小さなハムシ

[] こんなテントウムシも見つかった

[] 草むらの花にはモンシロチョウのようなシロチョウが多く飛来していた

[] カバマダラではなくハレギチョウの一種らしい。ツマグロヒョウモン♀に色合いがそっくりだ

[] これも大型のチョウ。やはりマダラチョウの一種だろうか(羽ばたいているので、ピントぶれ)

[] 小さなハナムグリ。南国だからといって、みんな色が派手である訳ではないようだ

[] 南国らしいと言えば、この大型のカメムシなんかはそうかもしれない

[] そして、このガも南国らしく派手な模様だ

[] ホテルに戻ると、翅の裏が地味な色のタテハチョウ。翅を広げると、鮮やかなオレンジ色なのだが・・・

[] ホテルの灯りに飛来するのだろう、この小さなコガネムシが多く見られた

[] ホテル内で死骸を拾ったヒョウタンゴミムシの一種。海岸が近いことを思わせる


11月25日  Hoi An, Vietnam

[] 会議明けの週末の早朝、ホテル近くの海岸を散歩。シオカラトンボを小さくしたようなトンボ

[] まだ午前7時ながら、暑くなる前に草むらで昆虫観察。セセリチョウが葉の上に

[] 大型のチョウが悠々と飛んでいた。リュウキュウアサギマダラと同じ種か

[] 草むらを低空飛行するアゲハチョウ(オナシアゲハ)。和名のとおり尾状突起がない

[] トンボが数多く飛んでいるが、撮影は難しい。鮮やかな羽のトンボを捕まえてみた

[] 帰りの便が夕刻のため、世界遺産のホイ・アンの町を訪れてみる

[] とにかく蒸し暑い。日向を歩いていると、熱中症になりそうだ

[] そんな時にも昆虫探索。街中の工事中の敷地内に無断侵入

[] 上の画像の中央の木の樹皮めくれで、大きな甲虫を見つけた

[] これほど大きなコメツキムシは自身初めてだ。体長は33mmほど

[] 同じ樹皮めくれにいた、ゴミムシダマシの一種

[] こんどはその近くの空き地の草むらに突入

[] 鮮やかな模様のシジミチョウ。翅の尾状突起が頭部を擬態しているかのようだ

[] 他にもチョウが飛んでいるのだが、なかなかじっとしてくれない。地味なセセリチョウ

小さなテントウムシも見つかった

[] 白っぽくて、なにやら印象的なカエル

[] 暑くて我慢できずに退散。町のそばでは、昆虫探索自体に限界がありそうだ

[] カフェに入って一休み。冷えた生ビールがあって良かった

[] さすがに元フランスの植民地。軽い昼食を取ったらフランスパンが付いてきた