7月1日 Foret de Rambouillet (50km west of Paris)
天気予報が良い方向に外れ、午後はまあまあの天気になったので、近場に出撃
昨日とはポイントを変えて、まずはこの材置き場から
飛来したハナカミキリをネットで捕えると、見たこともない色合いだった(同定はいずれ)
コトラカミキリの一種(Plagionotus arcuatus)。5月頃が旬だと思ったのに
相変わらずベニボタル(Lygistopterus sanguineus)が多く見られる
おっと、クワヤマトラカミキリと同種のトラカミキリ(Xylotrechus rusticus)だ
もう一頭。ということは、伐採材は、ポプラということだろう
アカハネムシ(Pyrochroa coccinea)。春の虫なのに、最近の低温で季節の進行が遅れているのか
ブナの立枯れを覗いてみよう
このヤマカミキリ(Cerambyx scopolii)も7月というのにいまだに見られた
新たに見つけた森の中の薪置き場
いつものトラカミキリ(Clytus arietis)
そして、この小さな甲虫が飛び回っていた(同定は後日)
そばの水溜りで小さなゲンゴロウ(Agabus bipustulatus)を捕まえた
イチモンジチョウ?(Lagoda camilla)
ヤナギを求めて森の中の湖へ。初めてのポイントだ
湖のほとりをネットも持たずに歩いていると、オレンジ色の虫が目の前を飛ぶ・・・
素手で掴むと、リンゴカミキリの一種(Oberea oculata)。嬉しい初採集
ホストはこの低いヤナギだろうか。しかし、追加個体は得られなかった
乗馬を楽しむ人が多い。道端の馬糞でスジのないセンチコガネ(Trypocopris vernalis)
同じ馬糞から、小さなエンマコガネ(同定は後日)。模様が微妙に違うか同種なのだろう
これも馬糞にいた。ガムシの一種だそうである(Sphaeridium scarabaeoides)
大きなハネカクシ(Ocypus olens)が湖に突き出たヤナギの葉の上に。採り損ねてしまう
帰りに再び最初の材置き場へ。パラレリ(Dorcus parallelipipedus)がのそのそ歩いていた
さて、帰ろう。プラタナスの見事な並木道が見えている
帰宅後に撮影したリンゴカミキリ。胸の二つの黒点が特徴的である
7月7日 Fontainebleau (50-60km south of Paris)
フォンテーヌブローの先の村まで妻と出掛けて昼食
その後はゆっくりと川沿いをヤナギ探索。ある種のカミキリ狙いである
途中で、シシウド類の花に夥しい数のコメツキムシを見つけた
こんなコメツキムシである(Agriotes ustulatus?)
これは、やはり多く見られたジョウカイボン(Rhagonycha fulva)
良さそうなヤナギはあるが、どれも虫の影はほとんどない
どうやら探索の方法が間違っているのだろう。それとも、最近の低温で発生が遅れているのか
森の中のマツ材の土場で、ツヤケシハナカミキリ近縁種(Anastrangallia dubia)♀(黒)
同じ場所で、アカハナカミキリ近縁種(Corymbia rubra)♀
さらに、小さなクロカミキリ(Spondylis buprestoides)が材の上を走る
キンイロハナムグリ(Cetonia aurata)がマツ材に来ていた。針葉樹もホストなのか?
別の場所の広葉樹の土場で、コメツキダマシの一種(同定はいずれ)
ショボい成果であったが、時間切れで帰路へ
7月8日 Foret de Rambouillet (50km west of Paris)
好天との予報が外れ、曇天で気温が低い。20度を切っている
材置き場は虫影に乏しい。ベニボタルの一種(Lygistopterus sanguineus)のみ
先週訪れた池に行ってみると、さらに気温は下がり人影はまばらだった
先週運良くリンゴカミキリをキャッチした場所のそばのヤナギの幼木
目を凝らすと、いたいた。本種はやはりヤナギの枝に付くのだ
20mmの大きな個体(Oberea oculata)。緑色の糞をしている。残念ながらこの1頭のみ
気温が低く、虫が見つからない。かろうじてカミキリモドキの一種(Oedemera femorata)
そして、ヤツボシハナカミキリ近縁種(Leptura (Rutpela) maculata)♀
ヤナギの葉の上に、小さなゾウムシの一種(同定はいずれ)
同じくヤナギの葉の上に、小さくて綺麗なハムシの一種(同定はいずれ)
地面の上を歩く、センチコガネの一種(Geotrupes spiniger)
その後、ヤナギのポイントの新規開拓。沼地のような場所
この木なんか、何かの脱出孔もあって雰囲気があるのだけれど・・・
午後3時ごろには雨が強く降り始めてしまう。気温は15度前後だろう
途中の村のカフェに寄り、カフェオレで体を温める。7月とは思えない天候だ
7月11日 Foret de Rambouillet (50km west of Paris)
久しぶりに気温が20度を上回る。長めの昼休みを取って、車で草原のポイントへ
モモブトカミキリモドキ(Oedemera nobilis)はまだ健在
おぉ、このハナカミキリ♂は Stenurella meranula か、それとも S. bifasciata か
画像では分かり難いが、腹側の後ろ半分が赤いので、S. bifasciata だ。♂は初採集
このヤナギにはいかにもリンゴカミキリやエゾカミキリが付きそうだが、何もいない・・・
オレンジ色のジョウカイボン(Rhagonycha fulva)が至る所の花の上で見られる
クジャクチョウ(Inachis io)は、カメラから逃げないので撮り易いチョウだ
餌が欲しいのか、馬が自分の方へ寄ってくる
このハナカミキリは、先日南仏で初めて採集した種だ(Brachyleptura fulva)
もともと普通種とのことだが、パリ近郊では初採集である
ヤナギやポプラなどの並木道。少し風が強いが天気は悪くない
その道を、歩行性の?ハムシが横断しようとしていた(Timarcha goettingensis)
先ほど見つけたハナカミキリと同種(Stenurella bifasciata)♂
そして、これが同種の♀。パリ近郊では初採集
こんな愛嬌のあるゴミムシも見つけた(Panagaeus cruxmajor)
7月13日 Foret de Rambouillet (50km west of Paris)
今日から気温が上がる。午後半休を取って出撃するも、いきなり事故渋滞
まず、いつもの材置き場へ
久しぶりに出会った、ヒゲナガゾウムシの一種(Platyrhinus resinosus)
飛来した虫をキャッチすると、ヨツスジハナカミキリ近縁種(Leptura aurulenta)♀
次いで、同種の♂を初採集。♀に比べて色が赤い
気温は30度近い。ついに夏が来たようだ
日本のヨツスジハナにさらによく似た近縁種(Leptura quadrifasciata)♂
リンゴカミキリ(Oberea oculata)が2頭。ところが、撮影後に逃げられてしまう
こちらの方は、やや遠目に写真を撮って、その後に慎重に確保
青空の下のブナの立枯れ
甲虫は少なく、見つけたのはアリモドキカッコウムシの一種(Clerus mutillarius)と、
小柄なヤマカミキリの一種(Cerambyx scopolii)のみ
近くのマツ材には、アカハナカミキリ近縁種(Corymbia rubra)♀を3頭見つけた
湿地帯のヤナギのポイントへ
雰囲気は良さそうなのだが、虫の影はない・・・
付近の道沿いの花で、ハナカミキリの一種(Brachyleptura fulva)
これは、いわゆるキソコマベニハナカミキリ(Stenurella melanura)♀
今日は次女の誕生日なので、早めに切り上げて帰路へ
誕生日のお祝いは、次女の希望により、パリ一番の蕎麦屋で天丼
7月16日 Pontarlier (450km south-east of Paris)
400km以上離れたジュラ山地へ、日帰り採集に行く。画像は、音楽祭で有名なブザンソンの街
途中の道端で花を覗くと、朝露に濡れたハナカミキリがいた(Pachytodes cerambyciformis)
スイス国境近くのポイント。着いたのは朝の8時前で、日が差しておらず、寒いくらい
それでも、狙いのパキタ(Pachyta quadrimaculata)が朝露に濡れながら花に付いていた
これは、サビキコリの一種(Agrypnus murinus)であろう
日差しのあるところまで山を登ると、ヤツボシハナカミキリ近縁種(Leptura maculata)
これは山地性のハナカミキリ(Brachyleptura maculicornis)
次いで、平地にも多いキソコマベニハナカミキリ(Stenurella melanura)
高山性のチョウであるベニヒカゲの一種(Erebia aethiops)をよく見かける
もう一つの狙いのクビアカハナカミキリ近縁種(Carilia virginea)。青色が綺麗
花にいたヒラタコメツキの一種(Anostirus属)。山地性の希少種にも見えるが、おそらくは普通種
これも山地性のハナカミキリの赤い♀(Anastrangalia sanguinolenta)
もう十分に日が差し始め、気温がじりじりと上がっていく
ある林道を通り抜け、標高1000mほどの道沿いの地点。シシウド類の花が咲いている
そこでも、パキタ(カタビロハナカミキリ)をいくつか採集
そしてクビアカハナ近縁種(クビは赤くない)もいくつか採ることができた
別の林道沿いの開けた場所にあったブナの土場。残念ながら何も見つからなかった
林道の途中はこんな感じ。標高1000mとなると、ほとんどが針葉樹(トウヒ?)である
標高1100m付近の林内にあった針葉樹の材置き場
平地では春のカミキリであるハイイロハナカミキリ(Rhagium inquisitorが見られた
さらに、普通種のアカハナカミキリ近縁種(Corymbia rubra)が飛んできた
ピドニアかと思ったら、ホクチチビハナカミキリ(Alosterna tabacicolor)だった
林道を登ると、台地の上に牧草地や村が広がっていて、森はけっして深くない
林道沿いの小さな薪置き場。広葉樹も混じっていたが、ここでもめぼしい虫は見られなかった
このような美しい場所が多い
道沿いの花をチェックすると、山地性のカッコウムシ(Trichodes apiarius)
標高を少し下げて、ブナなどの広葉樹が混じる森にクワガタを求めて入ってみる
朽ちた材を割ってみると、体長15mmほどの小さなオサムシが出てきた
セダカオサムシの一種(Cychrus attenuatus)のようだ。この仲間は初採集である
森の中はあきらめ、道沿いに針葉樹の土場へ
ところが、見られたのはアカハナ近縁種♀が1頭だけ。とにかく土場に虫がいない
昼過ぎになると、暑くなり、なかなか虫は見つからない。景色を撮るばかり
めぼしい虫の追加を得られないまま、時間ばかりが過ぎていく
途中、湿地帯の花で見つけた小さなゾウムシ(同定はいずれ)
仕方なく帰路へ。途中の土場でも、何の成果も上がらない
さて、450kmの帰り道を急ぐとしよう
7月19日 Bois de Boulogne
久しぶりに昼休みの散策。盛夏に入ると、昼間に見られる虫の影はぐんと減ってしまう
花の上には甲虫は見られない
ここでも樹皮を剥がしてしまう人がいるようだ
唯一見つけた甲虫である、アザミの葉の上のゴボウゾウムシの一種
7月21日 Perigord (500km south of Paris)
家族旅行でフランス南部へ。ロカマドールという崖の上の村の眺め
採集は時折車を停めて道端で。ハナムグリの普通種×2
有名なラスコー壁画の洞窟へ向かう途中の、吹き上げのポイント
赤に黒い模様のハナカミキリ(Brachyleptura cordigera)に再び出会うことができた
このハナカミキリ(Pachytodes erraticus)は、調べてみるとフランスでは希少種らしい
これはパリ近郊でも見られる普通種(Stenurella melanura ♂)
花の上の小さなコメツキムシ(同定はいずれ)
ラスコー洞窟の周囲は濃いナラ林が広がっており、ミヤマクワガタが多そうな場所だ
本物の洞窟は壁画の保護のため閉鎖中で、レプリカの洞窟(ラスコー2)を訪問した
赤に紺の縞模様のカッコウムシ(Trichodes alvearius)
上と似た種のカッコウムシ(Trichodes apiarius)
普通種のアカハナカミキリ近縁種♂(Corymbia rubra)
宿泊先のサルラという街の古い街並み
7月22日 Perigord (500km south of Paris)/Pyrenees (700-800km south of Paris)
道沿いに大規模な材置き場を発見。ところが、何も見つからなかった
ラ・ロック・ガジャックという、川沿いの美しい村
ピレネーへ大移動。高速道路のサービスエリアで見つけた初採集のカミキリ(Arhopalus rusticus)
ピレネー地方のルルドというキリスト教の聖地
夕方になってしまったが、ピレネーの山に入ってみる
小さい画像で恐縮ながら、花の上に普通種のハナカミキリ(Brachyleptura fulva)
これはパリ近郊でも多く見られるジョウカイボンの一種(Rhagonycha fulva)
この夜は気温がさほど下がらなかったので、街灯廻りに出てみる
おおお、いたいた
ピレネー産ユーロミヤマクワガタ♀(Lucanus cervus)
パラレリ♂(Dorcus parallelipipedus)も近くの街灯で見つけた
この小さな甲虫も街灯で採集。何の仲間だろう
7月23日 Pyrenees/Aude (700-800km south of Paris)
ルルドの町外れの早朝の風景
道端の草の葉の上で赤いオトシブミ(おそらくAttelabus nitens)を見つけた
ピレネーの山をドライブ。標高2000m付近の眺め
山間の村の道端で撮ったハナカミキリ(Brachyleptura fulva)
同じ場所で、コガネムシ(Amphimallon solstitiale ?)が日差しの中をブンブンと飛んでいた
山登りの自転車をいくつも見かける。お疲れさまである
標高1400m付近の吹き上げポイントで、道端の花をチェック
ベニシジミ(Lycaena phlaeas)
シロジャノメの一種(Melanargia galathea procida ?)
平地より大きめなハナカミキリの一種(Stenurella bifasciata)
同種のペア
ホソバネカミキリ(Stenopterus rufus)。いずれもパリ近郊の平地でも見られる種だったのが残念
大移動して、世界遺産の城壁の街、カルカッソンヌに到着
古い街並みを取り囲んでいる城壁の一部
7月24−25日 Aude/Tarn (500-600km south of Paris)/Paris
カルカッソンヌ市街の広場での朝市
パリへ向けて北へ移動開始。山間部を車で通るも土砂降りの雨だった
途中で休憩した場所で見つけたガの一種(同定はいずれ)
一面のヒマワリ畑。こんな場所がいくつも見られた
道端で見つけた、ツチハンミョウの仲間(Mylabris variabilis)
アルビという街の聖セシル教会
コルドという丘の上の古い村からの眺望
道端で見つけたキンイロハナムグリ(Cetonia aurata)
ポプラの材置き場を見つけて停車したが、何も見つからなかった
途中で一泊して、翌日(25日)一気にパリに帰還。総走行距離は2300kmほどだった
7月28日 Foret de Rambouillet (50km west of Paris)
天気が今ひとつで7月下旬にしては低温ながら、午後に出撃
期待のいつもの材置き場は、甲虫の音沙汰なし。もう夏は終わったのか?
道端の花にも、カミキリムシの姿は見えない
カミキリモドキや、
ジョウカイボンなどがいるのみ・・・
ふと、花の上に大きな影が。このヤマカミキリ(Cerambyx scopolii)、まだ活動しているとは
青と赤が綺麗に輝くセイボウ(青蜂:同定はいずれ)
何故かとても気に入った、アブの仲間(同定はいずれ)
リンゴカミキリのポイントも、何も見られなかった
初めて見つけた広葉樹の小さな材置き場
見つかるのは、センチコガネ(Geotrupes spiniger?)ばかり
何とか見つけたド普通種のハナカミキリ(Leptura (Rutpela) maculata)
本日の狙いの沼地のヤナギ・ポイントに到着
夥しい数のアメンボ
ちょっと日陰になっているが、良い雰囲気のヤナギに突入
その幹に、ずっと探していたジャコウカミキリ(Aromia moschata)がペアで付いていた!
ついに念願の初採集(画像は♀)
これは脱出孔と思われるもの
採集シーズンの終盤戦で、ようやく出会うことができた
そして、普通種のアカハナカミキリ近縁種(Corymbia rubra)を摘む
さらに、赤と紺の縞模様のカッコウムシ(Trichodes alvearius)
通りかかった村のカフェで、満足の一服
ちょっと馬を撮影
帰る前に最初の材置き場へもう一度
普通種ながらヨツスジハナカミキリ近縁種(Leptura aurulenta)♀を採集
さて、帰路へ
ジャコウカミキリを入れるほどの容器がなかったので、Volvicのボトルで持ち運び
その中で相変わらず交尾中