3月2日 Bois de Boulogne
3月だ。昼休みに時間を取って、職場近くのブローニュの森を散歩
ところどころに花が咲き始め、ハチやアブも飛んでいる
大型のハチまでゆっくりと活動を始めているようだ
前から気になっていた、セコイアの生木にある脱出孔とおぼしき小さな穴
それを観察していると、テントウムシが見つかった
どうやら初めて出会ったテントウムシのようだ(Halyzia sedecimguttata)
他にも活動している小さな甲虫がいた。ケシキスイの一種(Meligethes viridescens)だろうか
スミレもところどころで花を咲かせていて、森は早春の様相である
3月3日 Foret de Rambouillet (30km west of Paris)
ランブイエの森へ車を飛ばす。モクレン(と思う)がこんなに咲いている
ランブイエの森は、フォンテーヌブローほどではないが、広い。動物飛び出し注意の標識
しかし、森の中で虫を見つけるのに少し苦労した。苔むしりで、ようやくオサムシ
Carabus problematicus。青紫色を帯びる。フォンテーヌブローでも見かける普通種である
シラカンバ(?)の赤腐れ材から、小さなアカコメツキが出た
上翅の色が黄色に近いほど薄い。希少種のAmpedus nigroflavusだろうか
同じ材から出た、たいへん小さなハネカクシの一種(Tachyporus hypnorum)
オサムシは、その後朽ち木から2頭追加
さて、昼前に帰らねば。プラタナスの並木が長く続く道
まだ3月初旬というのに、見事な桜並木。当地の桜は早いのと、暖冬のせいだろう
3月7日 A la maison
材箱からは同じものしか出てこないが、出てきてくれるだけましであろう
今回は、当分の間生かしておこうと思う
3月8日 Bois de Boulogne
天気が良かったので、弁当持参で昼食をさっさと済ませ、昼休みにブローニュの森へ
好天のわりにそれほど暖かくないが、クマバチの仲間は活発に活動していた
先日見つけたのと同じケシキスイの仲間(Meligethes viridescens)
カシワの幹に見慣れない紋のテントウムシ。ナミテントウ(Harmonia axydiris)かもしれない
これはナナホシテントウ(Coccinella septempunctata)。欧州の個体は紋(星)が小さい
保護対象であるヤマカミキリ(Cerambyx cerdo)が育っていた立枯れなのに、切られていた
その切り株の上で見つけた小さなハネカクシ(同定はいずれ?)
野草は日本と似た種が多い。これはキランソウに似ていると思う
3月10日 Foret de Rambouillet (30km west of Paris)
好天の下、ランブイエの森の別の場所へ下見に出た
川沿いを走るが、目当てのヤナギ林はなかなか見つからない
樹種不明の材の中にカミキリ幼虫を見つけたので、持ち帰り
別の材からは、瑠璃色のカミキリモドキ(Ischnomera cyanea)が出てきた
3月11日 Saclay (15km south-west of Paris)
今日も天気が良かったので、車で20分少しの場所へ散策に
左画像はシータテハ。他にクジャクチョウやヤマキチョウが飛んでいた
叩き網を使ってみると、瑠璃色の小さなハムシが落ちてきた(Oulema melanopus)
シダレヤナギはもうすっかり芽吹いて黄緑色になっている
ヤナギの幹に脱出孔を確認。果たしてジャコウカミキリものだろうか
ポプラの枝を叩くと、小さなゾウムシが落ちてきた(種の同定はまたいずれ)
3月14日 Bois de Boulogne
めずらしいくらい好天が続く。昼休みにブローニュの森へ。まだ景色は冬枯れ
ナナホシテントウは活動を本格的に開始している
アカタテハ(近縁種:Vanessa atalanta)とシータテハを見かけた
この野草はキランソウに似ている
3月17日 Foret de Meudon (5km south of Paris)
曇天だったが、ムドンの森の散策へ
小さな土手の苔をめくると、コガネオサムシ(Carabus auronitens)が見つかる
全部で5頭見つかったが、大小3頭だけ持ち帰り
叩き網を持って、いろいろな所を叩いてみる
小さなテントウムシが落ちてきた
いろいろな柄があるが、上下の個体を含めてすべて同じテントウムシのようだ
学名上はトホシテントウ(Adalia decempunctata)だが、星の数は個体によって様々である
これは、上の種より大きめのテントウムシ(Halyzia sedecimguttata)
これは何か分からない。ケシキスイの仲間だろうか(同定はいずれ?)
3月17日 Bois de Boulogne
夕方、娘たちのテニス・スクールの時間待ちで、道路を越えてブローニュの森の外縁へ
森の一部には、鮮やかな新緑が既にずいぶんと出ていた
とある樹種の材から、蛹を採集。幼虫の抜け殻を見るとカミキリではなさそうだが・・・
大きさは違うが同種だと思われる。無事に、そしてどんな成虫になるのだろうか
3月22日 A la maison
17日に採集した蛹が羽化した。よく見かけるアカハネムシの一種(Pyrochroa serraticornis)だった
3月24日 Paris 16e/Foret de Meudon (5km south of Paris)
天気が悪く寒い土曜日(画像は、セーヌの上をメトロが通るビル・アッケム橋)。午後は雨となった
ご近所の日本人蝶屋さんO氏の親子と、雨の中をコガネオサムシ採集へ(画像はO氏提供)
苔の下で、Carabus problematicus のペアが見つかる。ムドンの森では初採集
3月25〜31日 Tokyo, Japan/Shanghai, China
東京と上海に出張したが、その間の虫に関係した出来事は、
東京でむし社に寄ったことくらいだった(左画像は、上海の外灘から浦東地区を臨んだ風景)
3月31日 A la maison
材箱でヤツボシハナカミキリの近縁種(Leptura maculata)♀が羽脱していた。普通種でも嬉しい