5月1日 Montfort l'Amaury/Foret de Rambouillet (40km west of Paris)
妻とパリ近郊の小さな町巡り。モンフォール・ラモリィの町の丘の上から見た教会
その丘でカッコウムシ(Trichodes alvearius)を見つけた。昨夏のスイス以来の出会いだ
町の真ん中の広場に面したカフェでくつろぐ。今日も初夏のような陽気である
それから近くのランブイエの森へ。一つ目の小さな土場に二種のハイイロハナカミキリがいた
上がRhagium bifasciatum、左がRhagium sycophanta。広葉樹でなくマツ材であった
ナラ材には、ナガシンクイムシの一種(Bostrichus capucinus)の大きな個体が見つかる
二つ目の土場。ナラ材に、アリモドキカッコウムシ(Clerus mutillarius)
そして、このところ狙っていた、コトラカミキリ(Plagionotus arcuatus)が首尾よく見つかった
小型のヤマカミキリの一種(Cerambyx scopolii)も、既に盛んに活動している
5月2日 Bois de Boulogne
昼休みの散策。エルタテハ(Nymphalis vaualbum)をブローニュの森で見たのは初めてだ
斑紋が全くない純粋に真っ赤なナミテントウ(Harmonia axydiris)
5月4日 Bois de Boulogne
天気は良いが気温は少し下がった。ナナホシテントウ(Coccinella septempunctata)の蛹と羽化成虫
キクスイカミキリ近縁種(Phytoecia cylindrica)は数が減ってきたようだ
今最も目立つ虫は、モモブトカミキリモドキ(Oedemera nobilis)だろう
同種の♀は腿が太くない
これは別種の小さく地味なカミキリモドキ(Oedemera lurida)
ホクチチビハナカミキリ(Alosterna tabacicolor)は依然として思ったより数が少ない
葉上に止まっているイトトンボ(同定はいずれ)
コガネムシの一種(Phylloperta horticola)が見つかった。昨年よりだいぶ早い
これはジョウカイモドキの一種(Malachius bipustulatus)で、花上でよく見られる
5月5日 A la maison
材箱からヨツスジハナカミキリ近縁種(Leptura aurulenta)が羽脱していた。嬉しい初採集
5月5−9日 Melbourne, Australia
オーストラリアのメルボルンへ出張。片道だけで一日がかりの長旅だった
ホテルのそばの公園の木。「このー木何の木♪」と歌いたくなってしまう
小柄で茶色っぽいアカタテハ。翅の表側を撮れなかったのが残念だ
南半球の季節は晩秋。暖かいが、虫影は薄い。ようやく見つけたテントウムシの幼虫
そして、その成虫。アジサイの葉についていた
さすがはオーストラリア。見たこともない柄のテントウムシである
5月10日 Paris, 16e/a la maison
パリに帰ってきた。街中では、日曜日の大統領選挙の余韻が残っている
材箱には、ゴマフカミキリ(Mesosa nebulosa)の小さな個体が羽脱していた
そして4月26日に蛹化したカミキリが羽化。ヨツスジハナ近縁種(Leptura aurulenta)だった
これは5月5日に羽脱した同じ種。腹部は収まってきたが、まだ腹ボテ気味である
5月11日 Saclay (15km south of Paris)/Foret de Meudon (5km south of Paris)
仕事のヤマを終え、午後半休を取って、まずはケマダラカミキリ狙いで草原のポイントへ
曇天で日差しが少なく気温も20度に届かない。それでもノイバラが花を咲かせ始めていた
モモブトカミキリモドキ(Oedemera nobilis)が至るところで綺麗な姿を見せている
こんな草むらで・・・
首尾よくケマダラカミキリ(近縁種)(Agapanthia villosoviridescens)を発見
次いで、小さな黒いハナカミキリ(Stenurella nigra)を初めて採集
このハナカミキリは、腹部が赤いのが特徴的である
さらに、赤くて上翅にスジのあるコメツキムシ(Anostirus purpureus)を初採集
葉の上に、ゴボウゾウムシの一種(同定はいずれ)
翅の一部に色が付いているトンボ(おそらくPlatetrum depressum)
このイトトンボ(同定はいずれ)は、水色が綺麗
帰る途中に、いつものムドンの森に寄ってみた。曇天の森の風景
ブナの伐採木にいたアリモドキカッコウムシの一種(Thanasimus formicarius)
シナノキの枯れ枝で見つけたゴマダラモモブトカミキリ近縁種(Leiopus femoratus?)
日陰の葉の上にいたチョッキリの一種(Lasiorhynchites cavifrons)
セリ科の草の花に来ていたホクチチビハナカミキリ(Alosterna tabacicolor)
今シーズン初めて出会ったチビハナカミキリ近縁種(Grammoptera ruficornis)
キリがないので、そろそろ帰路へ
5月12日 Foret de Meudon (5km south of Paris)
時折日が差す天気で、気温は高くないが、午後短時間の採集にムドンの森へ
ノイバラの花に今シーズン初見のハナカミキリ(Pachytodes cerambyciformis)を見つけた
これはどこにでも見られるトラカミキリ(Clytus arietis)
葉の上で日向ぼっこしているハナムグリ(Cetonia aurata)
当地のクサカゲロウは、黄緑色ではなく水色である
今日もケマダラカミキリ(Agapanthia villosoviridescens)に出会うことができた
ケマダラカミキリがいた、森の中の道端の少し開けた草むら
メタリックなブルーに光る小さなナガタマムシの一種(Agrilus cyanescens)
ビーティングで落ちてきた、同じく小さなナガタマムシの一種(Agrilus cinctus?)
これもビーティングで得た初採集のヒメジョウカイの一種(Rhagonycha lignosa)
帰り道にて撮影(注:運転中の撮影は危ないので止めましょう・・・)
5月13日 Foret de Rambouillet (40km west of Paris)
午後3時から夕刻まで時間が空いたので、雨の後のランブイエの森の土場へ
強風のためか、甲虫は空振り。画像はアワフキムシの一種(Cercopis vulnerata)
次に、とある森の中の土場。以前、管理者から採集の包括的な許可を得ている
慎重に見回っていくと・・・、おぉぉぉぉ!
昨夏のスイス以来の出会いであり、フランスでは初採集(Saperda scalaris)
ナラの伐採木に青いナガタマムシの一種(同定はいずれ)
そしてマツの伐採木に別のナガタマムシの一種(上翅損傷個体。同定はいずれ)
同じくマツの伐採木に、黄色いコメツキを発見
日本のツマグロヒラタコメツキ(Anostirus castaneus)と同種のようだ。初採集
よく見られるアカコメツキの一種(おそらくAmpedus sanguineusだろうが自信なし)
マツ材の上にツヤケシハナカミキリ近縁種(Anastrangalis dubia)の♂がいた。今季初見
上で採れた黄色の美麗なカミキリの顔面の画像
そして横から。普通種とのことなので、できるだけ多く出会いたいものだ
5月14日 Bois de Boulogne
昼休みの散策。肌寒いくらいの気温の中、動きの鈍いエゾスジグロシロチョウ(Pieris napi)
櫛ヒゲの小さな甲虫。ドリルス科というホタルに近い仲間の種らしい(Drilus flavescens)
水色のヒゲボソゾウムシの仲間(Phyllobius maculicornis)が活動を始めていた
白くて赤い模様のあるハナグモがハチを捕らえたところ
この時期では毎度おなじみ、ホクチチビハナカミキリ(Alosterna tabacicolor)
5月15−16日 Bois de Boulogne
ここのところ最高気温が20度に届かない低温が続く。画像中央はシナノキ
ナミテントウ(Drilus flavescens)と思われるが、この斑紋はあまり見かけない
今が旬のカミキリモドキ2種(Oedemera nobilis & Oedemera lurida)
ナナホシテントウ(Coccinella septempunctata)は、至るところで一斉に羽化している
ホクチチビハナカミキリ(Alosterna tabacicolor)は、寒いながらも数が見られる
今シーズン、ブローニュの森で初確認のチビハナカミキリ近縁種(Grammoptera ruficornis)
5月18日 Foret de Fontainebleau (50km south of Paris)
休暇を取って朝からフォンテーヌブローの森へ。午前10時前に到着
夥しい数のコフキコガネ(Melolontha hippocastani)が草むらや木々の葉につかまっている
この小さなコガネムシ(Phylloperta horticolla)も無数に飛び回っている
ノイバラの花の上に、初めて見るハナカミキリ(Anoplodera sexguttata)がいた
後ほど図鑑で調べてみると、わりとめずらしい種とのことだ
キンイロハナムグリ(Cetonia aurata)とツヤケシハナカミキリ近縁種(学名は後掲)♂
これは、ヤマカミキリの一種(Cerambyx scopolii)。本種はこのように訪花する
先日別の場所で初めて見つけた黒いハナカミキリ(Stenurella nigra)を一頭だけ発見
ちょっとしたことで、オサムシ(Carabus intricatus)が採れてしまった
ここで場所変え。河畔の林でとあるカミキリムシを狙ってみるが・・・
見つかるのは黒いハナムグリ(Oxythyrea funesta)と、
赤に黒点のヨツボシナガツツハムシ似のハムシ(Clytra laeviuscula)等々だけ
再び森に戻り、今度はマツの伐採木の土場でタマムシ狙い
土場の周りには様々なチョウが飛び交う。左はシジミチョウの一種(Heodes tityrus)
これは、鮮やかな模様の小型のヒョウモンチョウ(同定はいずれ)
カミキリムシも飛来する。ツヤケシハナカミキリ近縁種(Anastrangalia dubia)の赤い♀
同じ種の黒い♀
マツ材で時々見かける中型のゾウムシ(Hylobius abietis)
ヒゲナガモモブトカミキリ近縁種(Acanthocinus aedilis)が飛来したのをキャッチ
これは初採集種の、オオマルクビヒラタカミキリ(Asemum striatum)
もう1頭飛んで来てくれた
ハイイロハナカミキリの一種(Rhagium inquisitor)がシャツにまで駆け上ってくる
ヒゲナガモモブトカミキリ近縁種が交尾中
土場を離れて別の場所へ。ブナの伐採木にいたベニコメツキの一種(Denticollis linearis)
これは、ブナの土場。森の中で周囲は開けておらず、条件はあまり良くない
クチキムシの一種?(同定はいずれ)
コメツキムシダマシの一種?(同定はいずれ)
普通に見られるアカハネムシ(Pyrochroa coccinea)だが、シラカバ材とのコントラストが綺麗
なんと、土場で材の陰からコルリクワガタ(Platycerus caraboides)♂が出てきた
クモマツマキチョウ(Anthocharis cardamines)の♀
太いブナの伐採木が一本だけ横たわっていた
そこで念願のタマムシをGET。撮影に失敗し一度は逃がしたが、再度飛来してくれた
ムツボシタマムシの近縁種(Chrysobothris affinis)だ。普通種ながら初採集
ブナの切り株で見つけた、クチキムシの一種(Pseudocistela ceramboides)
キノコに付いていたオオキノコムシの一種(Tritoma bipustulata)
再び先ほどのマツ材の土場に戻り静かに虫の飛来を待っていると・・・
大きな緑色のトカゲが現れた(Lacerta agilis)。ピンボケをご容赦願う
ブナの土場に戻ると、ゴマダラモモブトカミキリ近縁種(Leiopus nebulosus)。初採集
これは小さなカッコウムシ(Tillus elongatus)の黒い♂
帰る前にもう一度河畔の林を探索してみる
ヤナギも多いのだが、狙いのものは見つからず。作戦の練り直しをしなくては
5月19日 A la maison (Leiopus属の比較)
昨日採集できた、Leiopus nebulosus。体長8mm
これはこれまで採集してきた、Leiopus femoratus。体長5-6mm
これで両者が異なる種だということがはっきりしたと思う
5月20日 Foret de Rambouillet (40km west of Paris)
一日中、雨。夕刻近くに上がるだろうと、痺れを切らしてランブイエの森へ
小雨模様で、気温も低い。開けた場所の土場は、やはり何もいない
森の中の土場へ。小雨くらいなら、材の陰に潜んでいる虫が見つかるのではないか・・・
土場に行き着くと、途端に土砂降り。日頃の行いのせいか?
いくら何でも無茶かもしれないと思ったが・・・、んん?
黄色いサペルダ(トホシカミキリ属)(Saperda scalaris)がいてくれた。感謝!
他は、いつもの青いナガタマムシの一種(Agrilus sp.)だけ(ピンボケ御免)
ずぶ濡れになって、早々に退散。近くの村のカフェで暖を取りながら雨宿り
他の客は競馬の実況中継に見入っている
雨は一向に止みそうもないので、仕方なく帰路へ
パリに戻ってもずっと雨続きという、残念な日曜日だった
昼休みの散策。今日はいつもと違う場所へ
洞の奥に潜んでいたパラレリ(Dorcus parallelipipedus)を引きずり出してみた
訪れたかったのは、ノイバラが無数に咲いている場所
ところが、見つかる甲虫はいつものモモブトカミキリモドキ(Oedemera nobilis)
たまに見つかるのは、これもいつものホクチチビハナカミキリ(Alosterna tabacicolor)
そして、ごくたまにチビハナカミキリ(Grammoptera ruficornis)
カササギの仲間(望遠で撮影)。尾が長く、飛んでいる姿は美しい
夜の森の中の道端に、緑色に光るものが・・・
ホタルの♀(Lampyris noctiluca)。光るのは♀だけだ
好天で気温が高くなるとの予報。午後、半休を取って近郊のランブイエの森へ
まずは、この土場に侵入。しかし、思ったより虫影は薄い
フランスで初めてエンマムシを見つけた(同定はいずれ)
カミキリは、ゴマダラモモブトカミキリ近縁種(Leiopus nebulosus)が数頭だけ
移動を続ける。今日は本当に夏のような天気だ
次に、この小さな土場
ここはアフロヘアー君(ナガシンクイムシの一種(Bostrichus capucinus))が運動会をしていた
そのそばに、ブナの大木の立枯れがあったので、近づいてみる
立枯れの幹の上では、ハナノミ(Tomoxia bucephala)が運動会
小型のヤマカミキリ(Cerambyx scopolii)が飛来する
ヒゲブチハナカミキリの近縁種(Corymbia scutellata)の♀も飛来
そして、これは同種の♂。♂は初採集。スマートな体型だ
根際には、ハイイロハナカミキリの一種(Rhagium sycophanta)が歩いている
ナガクチキムシの一種(Melandrya caraboides)もいくつか見られた
さらに移動して、クリ・ナラ・ブナの広葉樹が混じる土場へ
大きめのナガタマムシの一種(Agrilus biguttatus)のアップ画像。飛ぶと青く光って綺麗だ
小さなナガタマムシも何種類か見られた(画像の種の同定はいずれ)。
ムツボシタマムシ近縁種(Chrysobothris affinis)の生態画像を何とか撮る
そして、二頭採集。すばしっこいので、本当に苦労する
よく見られるトラカミキリの一種(Clytus arietis)
この小柄なハナカミキリ(Pachytodes cerambyciformis)が土場の周りを飛んでいた
こんどは10km以上移動して、シラカバの土場へ
シラカバ材の幹の上に、見たことのないトラカミキリがいた。保護色が効いている
複雑な紋様のトラカミキリである(Xylotrechus rusticus)。普通種らしいが、初採集
このベニコメツキの一種(Denticollis linearis)は、いつも見るのとは色違いだ
ヒメシラオビカミキリ狙いで針葉樹を叩くも、落ちるのはゾウムシなど(同定はいずれ)
夕刻の時間となったので、本命である、森の中の土場へ
その前に、切り株で初めてのトラカミキリに出会ったが、逃げられてしまう
逃げられたことを悔いながら、土場へ。ところが、案に相違して、虫影は薄い
チャイロホソヒラタカミキリ(Phymatodes testaceus)は今季初見
このハイイロハナカミキリ(Rhagium sycophanta)は色が黒めだ。変異個体かもしれない
丸っこいハムシが見つかった(同定はいずれ)。何をしていたのだろう
綺麗な色のセイボウ(青蜂)。ちょこまか動くので、上手く撮れない
その後、先ほどの場所で、逃がしたトラカミキリ(Xylotrechus antilope)を何とか採集
そして、帰路へ。午後7時半近くでも、まだこの明るさだ
暑いくらいの昼休み。こんな日は見つかる甲虫は少ない
かろうじて、いつものトラカミキリ(Clytus arietis)
アカタテハ近縁種(Vanessa atalanta)をアップで
お気に入りのトラハナムグリ(Trichius rosaceus)が1頭だけ見つかった
南仏在住のファーブル氏から小さな小包が届いた
我儘言って送ってもらうよう頼んだ、カミキリムシ(Agapanthia cardui)である
ケマダラカミキリと同属で、小ぶりな種だが上翅中央にスジが通っていて格好よい。氏に多謝
雨と低温には勝てない
妻と郊外をドライブしたが、雨が降りしきるばかり
ある材置き場では、「コバネ」のジョウカイボンの一種(Malthodes scriptus)と・・・
いつものアリモドキカッコウムシ(Thanasimus formicarius)くらいしか見られない
ランブイエに程近い、シュヴルーズという町の教会。雨に煙っている
3月に戻ったかのような寒さ。晴れはしたが、最高気温は14度ほど
日向ぼっこしているアオカメノコハムシ(Cassida rubiginosa)
アカスジカメムシ(Graphosoma italicum)は至るところで見られる
シナノキの緑陰
青と赤が美しいセイボウ(同定はいずれ)をナラの切り株で見つけた
日差しが出るとの予報だったので、昼休みを長めに取って車で少しだけ遠出
カミキリが一種(Stenurella nigra)にカミキリモドキが二種
赤に黒斑のツツハムシ(Clytra laeviuscula)
これは初めて出会った黒いハムシ(Galeruca tanaceti)
ヤナギの潅木を叩いて落としたコメツキ(同定はいずれ)
同じくヤナギから、チョッキリの一種(Pselaphorhynchites aequatus)
さらに同じくヤナギから、テントウムシの一種(Calvia quatuordecimpunctata)
キリギリスの仲間は自分は不案内。まだ幼体のようだ
5月21日 Bois de Boulogne
5月23日 Bois de Boulogne
5月24日 Foret de Rambouillet (40km west of Paris)
5月25日 Bois de Boulogne
5月26日 A la maison
5月27日 Port Royal des Champs/Chevreuse (30km west of Paris)
5月29日 Bois de Boulogne
5月31日 Saclay (15km south of Paris)