ただ、ある 



高橋 里枝子/著
ナレーション 藤弓 真千
 






 常設展示室 「一元館」(いちげんかん)

 「時は過ぎる 点滅する花々」 黄榮 

高橋元吉 
1893〜1965

煥乎堂(かんこどう)経営者として、また詩人として生涯を貫く。

前橋在住、晩年を鵠沼で過ごす。


高橋 徹
1921〜2005

元吉の長男。

戦後の混乱の中、煥乎堂経営を引き継ぎ、元吉同様、経営者として、

また画家として生涯を貫く。

2005年、煥乎堂経営から高橋一族が退任。全てを見届けて逝く。

一生を前橋で過ごす。


元吉、徹ともに、企業の常に苦しい経営の中、前橋の文化を守る砦として煥乎堂をとらえ、戦った。

高田博厚
1900〜1987

彫刻家・思想家

1931年単身フランスに渡る。ロマン・ロラン、ルオー達との出会いのなか、

作品を制作。第二次世界大戦をはさんだ30年の歳月をフランスで過ごす。

フランスに渡る時から30年の間、元吉と博厚は互いに変わらぬ友情と信頼で結ばれていた。

石川県七尾市で生まれ、フランス、晩年を鎌倉で過ごす。


博厚が日本に渡り、元吉と30年ぶりに再会を果たす。

元吉の死後、徹は煥乎堂ギャラリーにて博厚と元吉の友情の証となる「一元会展」を2005年煥乎堂ギャラリーが閉鎖されるまでの34年間、毎年開催した。

また博厚からの強い希望で後年、徹も油絵を出品。徹が作品を発表するのは「一元会」だけであった。

元吉、博厚、徹。それぞれ、生き方、自己の表し方は違っていても、いかなる状況において、常に自己と向き合い、戦い、最後までその精神の美しさを失わなかった。

その同質の魂こそが、三人を結びつけるものであった。



 元吉が愛用していた「机」 
 高田博厚氏作の「彫刻」も数点 
 徹の油絵も数点 
 
  前橋文学館 元吉のブース 
前橋文学館 元吉のブースへ

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