症例紹介

乳腺腫瘍(乳腺癌)


 

避妊手術をしていない雌犬では、歳をとると乳腺に腫瘍ができることが多いです。
原因は詳しくはわかっていませんが、エストロジェンやプロジェステロンなどの雌性ホルモンが関係しているといわれています。
一部では、遺伝の影響も考えられています。
この症例は、15歳の雌犬で、半年前には「ギョウザ」くらいの大きさだったとのことです。
徐々に大きくなり、気づくと足を曲げられずに伸ばして座ったり、起きるときに痛がってしまうということで、来院しました。
高齢で、しかも、心臓の機能が低下しており、手術のリスクはとても高いのですが、
飼い主様とよく相談した結果、痛そうにしているのがかわいそうとのことと、転移の心配もあり、手術に踏み切りました

腫瘍は、腹壁(腹筋)に癒着していたため、腹壁を切開して摘出しました。
そけい部のリンパ節にも転移が認められ、リンパ節も同時に摘出しました。
直径15cm、重量800gの大きな腫瘍です。
病理組織検査の結果は、「乳腺癌」でした。
 
手術から2日後の様子。心配していた心臓の機能も安定しており、元気も食欲もでてきました。
傷口も問題ありません。

乳腺腫瘍は、初めての発情(生理)がくるまえに避妊手術をしていれば、99%以上の確率で発生を防ぐことができます。
初めての生理から2回目の生理の間に避妊手術を行った場合は、8%程度の発生率が確認されています。
子供をとる予定がない場合は、早い時期に避妊手術を行うと、乳腺腫瘍だけでなく、卵巣や子宮の病気の予防にもつながります。





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