症例紹介

膣の腫瘍(線維肉腫)


膣の疾患
膣脱:膣が反転し、外陰部から完全に脱出した状態。
膣の過形成:膣の粘膜が充血、腫脹し、その一部が塊となって外陰部から突出した状態。
        発情期に分泌されるホルモンの影響が関与しています。
膣の腫瘍:膣粘膜にできる腫瘍。腫瘍が大きくなると外陰部から脱出します。


この症例は、12歳齢の♀のゴールデンレトリバーです。お尻から腸が出てきているとの主訴で来院しました。
しかし、出てきているのはお尻からの腸ではなく、膣から腫瘍が出てきている状態でした。
大型犬の12歳は、高齢ですので、手術のリスクも大きいのですが、このまま放っておくと、排尿困難なども考えられるため、手術に踏み切りました。

←外陰部から膣にできた腫瘍が出てきている状態。上に肛門があります。
 ←外に脱出した腫瘍を摘出し、さらに奥にも腫瘍ができていました。
外に出てきていた腫瘍を摘出したのち、さらに奥にも腫瘍ができていることがわかり、それも摘出しました。
腫瘍は、外尿道口(おしっこがでる穴)のすぐそばでしたので、もう少し遅かったら、おしっこが出なくなっていたかもしれません。
←腫瘍のすぐ下に見える小さな穴が外尿道口(おしっこが出る穴)です。

←さらに、小さなポリープもできていました。大きくなる前にこれも摘出しました。

←摘出後。手術後は少し腫れていましたが、2日目にはすっかり腫れも引き、きれいになりました。
手術の翌日から、食欲も旺盛で回復も早く、手術から3日目には無事に退院しました。
手術後の経過も良好です。

摘出した腫瘍は、病理組織検査の結果、「線維肉腫」という悪性の腫瘍であることがわかりました。
この「線維肉腫」は局所再発(同じところにまた腫瘍ができること)の可能性が高く、今後も注意深く経過を観察する必要があります。

ゴールデンレトリバーは腫瘍の好発犬種と言われております。
中齢〜高齢期には定期的に健康診断を受けて、早期発見に努めましょう。






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