症例紹介

ハムスターの体表腫瘍


ハムスターの腫瘍
ハムスターは腫瘍の発生が多く見られます。
皮膚、筋肉、内臓、骨など様々な場所に発生します。
皮膚の腫瘍は、小型のハムスターでは比較的早期治療を行えば、多くは予後が良好ですが、ゴールデンハムスターでは悪性のものも多い傾向にあります。
治療法は、腫瘍の種類や大きさ、ハムスターの年齢などを考慮して決めます。

この症例は、1歳齢の♂のジャンガリアンハムスターです。おへそのところにできものがあるとの主訴で来院しました。
腹部の体表にできた腫瘍です。
初診時の大きさは1cmくらいで、元気や食欲に問題なく、自分で気にしている様子もないとのことで、内服薬による治療で経過を見ました。
しかし、治療から1カ月後には、腫瘍の大きさは2cmくらいに腫大し、少し食欲も落ちてきました。
また、自分で気にしてかじってしまう傾向にありましたので、麻酔のリスクを十分考慮した上で手術に踏み切りました。

 
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                  摘出した腫瘍(大きさ2cm)と手術後のハムスターの様子。
 
腫瘍は、腹壁(腹部の筋肉)に癒着しており、摘出はなかなか困難でした。
麻酔の深さを十分注意して行わないと、呼吸が停止してしまう危険性があるので、麻酔管理も大変でした。
手術時間は30分くらいで、無事に終了しました。
腫瘍が大きかったため、手術創もとても大きくなってしまいました。
麻酔から覚めて、元気に走り回り、食欲も問題ないことを確認して、その日の夕方退院しました。
手術後10日目には傷口もすっかりきれいになりました。

ハムスターの手術は、麻酔のリスクがとても高く、飼い主様にとっても手術を決断するのには大変悩まれると思います。
しかし、手術をしないと痛みや不快感で食欲が落ちたり、元気が落ちたりする場合には、最終的に手術を決断される方が多いです。
ハムスター本人の体調に問題がなく、麻酔管理さえしっかり行えば、比較的安全に手術を行うことは可能です。






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