症例紹介

フェレットの副腎疾患


フェレットの副腎疾患
3歳以上のフェレットに良く見られ、最も一般的なのは副腎の腫瘍(腺腫あるいは腺癌)または過形成です。
はっきりとした原因はあきらかではありませんが、以下の要因が考えられています。
1)早期の不妊手術 2)食事の原因 3)日光不足(室内飼育) 4)近親交配

症状:左右対称性の脱毛(尾の付近から徐々に肩のあたりまで)、皮膚が薄くなる
   雌の場合、陰部の腫大、乳頭の肥大
   雄の場合、前立腺腫大による排尿困難、攻撃性が増す
  季節性があり、春から夏にかけて悪化し、秋から冬にかけては治まることがありますので、良くなったと思って
  そのまま経過を見てしまうと、病気が進行していきます。
診断:超音波検査やホルモン測定により診断できます。
治療法:最も良い治療法は、外科手術による副腎の摘出です。
  ただし、病気の進行により貧血が生じている場合や高齢で麻酔のリスクが高い場合、また、他の疾患を併発
  している場合などには、内科療法を選択します。
  内科療法は、ホルモン剤(酢酸リュープリン)注射を4週間に1回行います。

この症例は、約5歳齢の雌のフェレットです。
脱毛がみられ他院で皮膚病の治療をしていましたが、改善がなく進行してきたために来院されました。
超音波検査の結果、両側の副腎が腫大していました。
左側の副腎は比較的摘出は困難ではありませんが、右側の副腎は後大静脈という大きな血管に密着しているため完全摘出は困難であり、部分摘出となります。
また、5歳という年齢はフェレットでは高齢になりますので、麻酔のリスクが高まります。
このことを踏まえて飼い主様と相談し、内科療法で治療することになりました。
酢酸リュープリンの注射を4週毎に2回注射をしたところ、脱毛は改善されてきましたので、注射の間隔を5週毎に延ばして経過をみています。

            
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 治療前のフェレットの外観(体幹部の脱毛)                  治療して3ヶ月後の外観(脱毛はすっかり改善されました)
 


フェレットの副腎疾患は、比較的多くみられます。
同じような脱毛の症状でも、雌の雌性ホルモンによる場合もありますので、詳しい検査が必要です。
若い年齢で診断でき、左側の副腎のみの腫大の場合は、外科手術で治療できます。
年齢や経過、および全身状態により治療法を検討する必要があります。
なかなか治らない脱毛、あるいは進行する脱毛がみられたら早期発見のためにも出来るだけ早めに受診されることをお勧めします。






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