症例紹介

精巣の腫瘍(セルトリ細胞腫)


この症例は、14歳齢の雄のミニチュアダックスです。
数日前から血便がでるとの主訴で来院しました。
食欲はあるけれど、何となく元気はないとのことでした。
診察の結果、前立腺肥大が認められ、血便はその影響と考えられました。
また、片側の精巣が腹腔内に潜在しており(潜在精巣)、腹部超音波検査を実施したところ、
腹腔内に潜在していた精巣の腫瘍化が生じていることがわかりました。

治療
前立腺肥大に対しては、去勢手術にて精巣を摘出しました。
同時に、腹腔内精巣の摘出をしました。

←回復すると、大きな腫瘍(精巣)が認められました。
 ←摘出した精巣。左は正常な位置にあった精巣。右は腹腔内に潜在していた精巣(腫瘍化している)

手術の翌日には、食欲も旺盛で状態も良好のため退院しました。
手術後の経過も良好で、血便もみられなくなりました。3週間後の前立腺エコー検査にて、正常な大きさに戻っているのを確認しました。


摘出した腫瘍は、病理組織検査の結果、「セルトリ細胞腫」という悪性の腫瘍であることがわかりました。
この「セルトリ細胞腫」は現在のところ、確立された抗癌治療はないため、経過観察にて転移の有無をチェックしていきます。

腹腔内に潜在している精巣は、年齢を重ねるごとに、腫瘍化する確率が高くなります。
できるだけ、若くて健康なうちに、摘出手術をすることをお勧めします。





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