症例紹介

卵巣の腫瘍(胚細胞腫)


この症例は、12歳齢の♀の雑種犬です。
1か月前から、陰部をよく舐めるようになり、おりものも多い気がするとの主訴で来院しました。
ここ数年、発情出血はみられていないとのことです。
おりものは、透明で粘性でした。
少しずつ、元気や食欲が低下してきているとのことでした。
卵巣や子宮の病気を疑い、腹部超音波検査を実施したところ、腹腔内に大きな腫瘍が認められ、卵巣腫瘍と診断しました。


治療
腫瘍化した左側の卵巣および、正常な右側の卵巣と子宮を全摘出しました。

←開腹し、卵巣を腹腔内からゆっくり引き出したところ。
 ←摘出した卵巣および子宮。
                       左側の卵巣が腫瘍化しています。子宮内は、内膜炎を生じ、少量の分泌物が貯留していました。
経過
手術の翌日から、少しずつ食欲が戻り、元気も回復してきました。
手術から3日目には無事に退院しました。
手術後の経過も良好です。

摘出した腫瘍は、病理組織検査の結果、「胚細胞腫」という悪性の腫瘍であることがわかりました。
この「胚細胞腫」は腹腔内播種や転移の可能性が高く、術後補助療法として、抗癌治療をお勧めします。
しかし、飼い主様との十分な相談の結果、抗癌治療は行わず、定期検診にて転移の有無をチェックしていくことになりました。

避妊していない高齢のワンちゃんは、卵巣や子宮の病気の発生率が高くなります。
発情周期(生理の間隔や持続期間)やおりものの有無などを良く観察し、
何か変化がありましたら、早めに診察および検査を受けられることをお勧めします。







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