乳がん検診

日本で乳がんに罹患する女性は20人に1人の割合で年々増加傾向にあり、30歳〜64歳の女性の癌による死亡のトップとなっています。乳がんは、早期に発見できれば治癒する可能性が非常に高い病気ですので、定期的に検診を受けることにより、早期発見をすることが重要です。乳房のしこり、乳腺からの分泌物などがあればもちろん、症状がなくても40歳以上の女性は年1回の検診をおすすめします。当院で行う乳がん検診は、マンモグラフィ・超音波検査(エコー)です。

 
超音波を使って乳房の断面像を得る検査です。検査用のゼリーを体の表面に塗ることで、超音波を効率よく乳房に伝達でき、すべりも良くなるので乳房全体をスムーズに検査することができます。また痛みや身体に対する影響の少ない検査です。手で確認できない数mm の腫瘍やのう胞の有無、乳管の変化などを調べます。
乳房は乳腺や脂肪といった、やわらかい組織でできているので専用のX線撮影装置を使います。乳腺を圧迫板という透明の板で挟みながら、上下と左右の方向から、それぞれ1枚ずつ、両方の乳房で合計4回撮影します。乳房を圧迫する為、痛みを伴うこともありますが、よい写真を撮るためには乳房をなるべく均等に圧迫して撮る事がとても必要です。少しの間、頑張って下さい。
 
受診によい時期

乳がん検診を行うのに最適なのは、月経開始後1週間〜10日くらいです。乳腺は女性ホルモンの影響を受けているため、月経が始まる直前は、乳房が硬くなったり、強い痛みを感じたりする場合があります。

事前にお知らせ下さい。
  • ペースメーカーを装着している方
  • 妊娠中や妊娠の可能性がある方
  • 豊胸手術をしている方
  • 乳房を手術した方・授乳中の方
 
「乳がん検診が不安な方へ」当院では、安心して乳がん検診を受けて頂けるようさまざまな取り組みをしております。
■女性技師による乳がん検診を行っております。■マンモグラフィ検診画像認定施設
デリケートな箇所の検査ですので、検査をためらわれる女性が多いようです。当院では女性技師によるマンモグラフィ・超音波検査(エコー)も行っておりますので、安心して検査を受けて頂けます。※女性技師が不在の場合もございますので、女性技師限定の場合は、予めご連絡の上ご確認ください。
マンモグラフィ検診精度管理中央委員会では、施設画像評価委員会が作成した基準をもとに継続的に画像・線量評価および良い画質を得るためのマンモグラフィ施設・画像・線量評価を行っており、当院はマンモグラフィ検診施設として、マンモグラフィ検診精度管理中央委員会より認定されています。
乳がん検診のQ&A
乳がんにかかりやすい人は? 一般に40歳以上の女性に多く、肥満の方、30歳以上で出産をしていない方、高齢初産の方、授乳していない方、初潮が早く始まった方、閉経が遅かった方、血縁者に乳がんになった人がいる方は、そうでない方と比べて乳がん発生が少し多い傾向があります。
放射線(X線)の
被ばく量は大丈夫?
マンモグラフィによる放射線(X線)被ばくは、主に乳房だけで、白血病の発生など骨髄等への影響はほとんどありません。1回の撮影で乳房が受ける放射線の量は、東京からニュ−ヨ−クへ飛行機で行くときに浴びる自然放射線量のほぼ半分です。マンモグラフィによる健康影響は、ほとんどないと考えてよいと思われます。
なぜ圧迫するのですか? 乳房を圧迫し、乳房の厚みを薄くすることで、少ないレントゲンの量で撮影でき、固定することで動きによるボケを減らすことができます。また乳腺の重なりが分離されて、内部をよりよく観察することができます。
マンモグラフィによる
検診の精度は?
欧米ではマンモグラフィによる検診が、乳がん死亡率を減少させることが科学的に証明されています。マンモグラフィで発見される乳がんの70%以上は早期がん(転移が起こりにくい乳がん)です。早期乳がんでは、乳房温存療法(乳房を大きく切ら取らないで乳房を残す治療)など乳房や心身に負担の少ない治療を受けられる可能性が高いだけでなく、乳がん死亡率も低くなる可能性があります。しかしながら、マンモグラフィも万能ではなく、乳腺組織の発達した方は病変が検出しにくいなど、限界がありすべての乳がんを発見することはできません。
乳がん検診の限界は
ありますか?
すべてのがん検診に言えることですが、すべてのがんを100%発見できる検診はありません。検診後、次の検診までに乳がんが見つかる場合もあります。