この作業日記はかなりの長編になりますので興味のある方のみお読みください。
これは知人の車です。
特殊な車両なため、まともにお店などに修理を頼むと修理費がかなりかかるため、泣く泣く手放す方向になっていると聞きました。
一度見せてもらい、だいたいかかるであろう材料費を提示して、その材料費を出せるなら、私が治しますということになり修理を引き受けました。
FRPの加工や補修には自信があり得意なほうですが今回は一筋縄ではいかないのと、このときは屋内で作業出来る場所がなかったので、ほとんどを野外作業で
行わなければなりません。
そのため天候にかなり左右されるということで時間がかかるのも承諾してもらわなければなりませんでした。
幸か不幸か、シーズンオフに入っているのと、来春から知人は単身赴任で1年〜2年、県外へ行ってしまうため時間がかかってもよい、と言ってくれました。
ですが、いつまでもだらだらという訳にもいかないので、一応期日を翌年のお盆に帰ってきたときには乗れるようにするということにしました。

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外での放置期間が長くなることが考えられるのであらかじめ錆びに対しての処置をしておきます。
本来ならフロントフェンダーは交換しなければならないほどのダメージを受けているのですが
この車両の場合、フロント周りはFRPの被せ物で出来ていて、ヘッドライトの取り付けなどに影響が出るつくりではないため、叩いて形にして再使用する方向
で行きました。
これによって部品代を抑えることが出来ました。

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フェンダーを叩きだしながら形を整えて何度も仮合わせしていきます。

kc14、
形になったところで壊れたパーツをパズルのように組み合わして様子を見てみます。
ここでバラバラになったパーツがほぼ全部そろっていることに気が付いた方もおられるかもしれませんが、
これには理由があり、以前大破したエアロバンパーを私がきれいに治したと言う余談があります・・・、
このときに
「FRP製品は破損したパーツが大幅に欠品していなければ、ほぼ元の形に治すことは出来ますよ。
もちろんまったく同じに治すということは難しいですけれど。」
みたいなことを私が言っていたのを知人が覚えていたらしく、もしかしたら治してもらえるかも・・・と思い、破損したパーツを出来る限り全部拾っておいたそ
うです。


kc19,20
これほど大きく破損して、しかもかなりバラバラになっているものは一度に全部形にすることはできないので、一部分ずつ形にしていきます。
ということで、ヘッドライトの付く部分からFRPで繋いで行くことにしました。
おもての面にガムテープが付いているのは、表側から形を固定し裏側からFRPで張り合わせているためです。

kc22,
FRPの補修は基本的に、裏側を張り合わせて乾いたら、表側を張り合わせるといった順序で行われますが、
今回はかなり複雑な補修のため基本はもちろんのこと、知識と経験を活用しないと形にするのは困難でしょう。

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ボンネットを締めて形になっているか?違和感は無いか?などチェック。

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FRPでの補修行程が一段落です。
はじめの状態から比べれば、だいぶ形になってきたのではないでしょうか。

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FRPが固まったらFRPの余計な部分を削り落として、厚盛りできるパテで、ある程度形になるように盛ります。
ここからは、根気と体力の勝負です。大した設備があるわけでもない場所なので研ぎの作業は全部手作業です。
何度もパテを付けては研いでの作業が続くと思うと、それだけで気が遠くなっていきます。
設備があれば何分の一かの労力と時間で終わってしまうのに・・・・・・。

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厚盛りパテが固まったら形の荒だしをして、中目パテで形を整えるように付けます。

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中目パテが乾いたら、形を整えながら研いでいきます。
研ぎ終わったらポリパテを中目パテまでで形が整えきれなかった所や、面を整えやすいように付けます。

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ポリパテが乾いたら、形を整えるのはもちろんのこと面も整えながら研ぎ込んでいきます。
文章にすると何行でしかありませんが、パテ作業が一番時間かかっていると思います。
やっとここまできました、長かった、途中何度くじけそうになって涙をのんだことか(注、冗談です。そんなことはありません)

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研ぎ終わったらサフェーサーを入れるためにマスキングします。
今回はかなり大きな修復でパテの面積も大きいので、
パテのス穴なども多くあると思われます。ですので2液硬化型のサフェーサーを使用することにしました。
2液硬化型は1液のものに比べて、肉厚になりパテなどによるス穴などが埋まりやすいなど
今回の修復では後の作業性も考えての選択です。

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これだけ大きな補修面だと、広範囲にわたって、大きなス穴が発生しているので、
サフェーサーが乾いたら、パテでス穴を埋めます。
パテが乾いたらパテを研いでサフェーサーをいれます。
ここまでくればあと一息、塗装作業を残すのみです。

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入念に塗装前の下地処理を行いマスキングしていきます。

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塗装終了です。
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マスキングを剥がしたところです。


kc43,45
バフがけなどの最終仕上げを終わらせ、パーツ取り付けをして完成です。
仕上がったときに、喜んでくれる知人の姿を思い浮かべながら、ここまで頑張りました。


おまけ
このカプチーノのリアバンパーです。
経年劣化で塗装が剥がれています。
知人が気になってしかたがないということなのでついでに治しました。
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