第22話 戦士リムル・ルフト
- 前回のあらすじ
- バイストン・ウェルは、海と陸の間にある人の心の故郷である。
- 私達はその記憶を忘れて、この地上に生まれ出てしまった……。
- しかし、ミ・フェラリオの伝えるこの物語によって、私達はその記憶を呼び覚まされようとしている。
- リムル・ルフトはラース・ワウから脱出した。それを追うミュージィ・ポーの一家……。
- ショウとマーベルは、ミュージィを退け、リムルと共にゼラーナに戻った。
- ショウ
- 「ここも急いで引き払わないと、不味いんじゃない?」
- ニー
- 「しかし、バーンの後、ドレイク軍が何も仕掛けてこないんだぞ」
- マーベル
- 「バーンは正規軍から外されたんじゃないかしら?」
- ニー
- 「え?」
- ショウ
- 「どうしてさ?」
- マーベル
- 「だってバーンって、私達に対していつも失敗してるわ」
- ショウ
- 「ははっ……!」
- リムル
- 「ニー、このミサイルはどこに置くの?」
- マーベル
- 「そこに置いといて」
- リムル
- 「はい」
- 「ねえ、ニー、修理はまだ掛かるの?」
- 「ね、私には手伝う事ないのかしら?」
- ニー
- 「こっちはいいから、ドルプルに言われた仕事を済ませてしまえよ」
- リムル
- 「ニー……」
- 「ニー、何か変ね?」
- マーベル
- 「そうかしら?」
- ショウ
- 「気にしなくたっていいよ」
- マーベル
- 「リムル・ルフトか……。ドレイクの娘……」
- リムル
- 「……私が来た事、そんなに迷惑なのかしら……」
- マーベル
- 「はい、ドワ」
- ドワ
- 「あ、すまん」
- ショウ
- 「なぁ、マーベル」
- マーベル
- 「何?」
- ショウ
- 「何で今になって、リムルはゼラーナに来たのかな?」
- マーベル
- 「ニーに会いたかったんでしょうね」
- ショウ
- 「リムルはいいのさ。問題は、ルーザが何故、リムルを脱出させたのかって事さ」
- マーベル
- 「考え過ぎじゃない? リムルの脱出をルーザが、わざわざさせたっていうの?」
- ショウ
- 「考え過ぎかな……」
- マーベル
- 「そうよ」
- ショウ
- 「そうだな……。でもさ、マーベルはいいのか?」
- マーベル
- 「よしてよ、もうそういう話はなしでしょ?」
- ショウ
- 「しかし、バーンだってリムルを利用したいと考えてるだろうし……」
- マーベル
- 「もうよしなさい」
- ニー
- 「ガバの島か。霧も深いし、島も多い……。よし、こっちに引っ越すか」
- リムル
- 「はい、ドルプル」
- ドルプル
- 「どうも」
- 「で、どうです? 我々のゼラーナの様子をご覧になって……」
- リムル
- 「安心しました。皆さんお元気で……」
- ドルプル
- 「クルー達と親しくなさって、お知りになりたい事が何か分かりましたか?」
- リムル
- 「ドルプル……何が言いたいの?」
- ドルプル
- 「貴方は、ドレイク・ルフトの娘でしょ?」
- コタノ
- 「おいドルプル……不躾じゃないか」
- チャム
- 「そうよ。変な言い掛かりつけて……!」
- ドルプル
- 「フェラリオは黙ってな。俺達はドレイクのアの国と、戦争やってんだぞ」
- 「愛は国境を越えるなんてのは、御伽話だ」
- リムル
- 「じゃあ貴方は、私が父の命令でスパイをしに来たとでも言うのですか?」
- ドルプル
- 「そんな事は……そんな事は言っちゃいませんよ」
- チャム
- 「どうしてリムルを苛めるの? 許せないわ! ニーが聞いたら怒るわよ?」
- 「あんっ!」
- ドルプル
- 「そのニー様も、貴方がいらっしゃった事で、大変苦しんでいるようですよ?」
- 「お城にお帰りになった方がいいんじゃないですか?」
- リムル
- 「うぅっ……!」
- チャム
- 「リムル……。ドルプル、酷いわ!」
- リムル
- 「はぁっ、はぁっ……」
- 「うぅっ……!」
- バーン
- 「遅くなりました」
- ショット
- 「君のレプラカーンの調整はしておいた」
- バーン
- 「申し訳ありません」
- ショット
- 「バーン、再出撃する気力はあるのか?」
- バーン
- 「あります。ゼラーナはまだ、完全に修理を終えていないでしょう」
- ショット
- 「しかし、ニー達だって今頃は、リアン海岸の工場を移しているかもしれん」
- バーン
- 「ニグ・ロウに見張らせております」
- ショット
- 「バーン……君は暫く休暇を取りたまえ」
- バーン
- 「あ、ショット様……!」
- ショット
- 「君は現在、私の雇い兵である事を忘れないでくれ。私の資金も無尽蔵ではないのだ」
- バーン
- 「んっ……」
- ショット
- 「帰りたまえ、バーン」
- バーン
- 「はい」
- チャム
- 「お帰り!」
- ニー
- 「ん?」
- チャム
- 「どうだったの?」
- ニー
- 「ガバの島へ移る」
- チャム
- 「あそこはショウと私が、バーンに捕まっていた所よ?」
- ニー
- 「だからいいのさ。まさかそこに工場を移すとは、ドレイク軍は考えんさ」
- ショウ
- 「敵の裏を掻くにはいいけど……」
- マーベル
- 「ゼラーナだけで移動するには、時間が掛かるわ」
- ニー
- 「ボゾンとダンバインにも働いてもらう」
- リムル
- 「お帰りなさい、ニー」
- ニー
- 「おい、ドルプル」
- ドルプル
- 「はい」
- ニー
- 「早速、撤退作業に入る。今夜中に工場内を纏めて……」
- ドルプル
- 「いいんですか?」
- ニー
- 「何が?」
- チャム
- 「ドルプルはね〜、リムルがスパイだって言うの!」
- ドルプル
- 「そうは言ってないだろ、ただ……!」
- チャム
- 「ニー!」
- ニー
- 「そうだな……ドレイクの娘だものな……」
- リムル
- 「ニー……!」
- ショウ
- 「ニー!」
- マーベル
- 「ニーがそんな事言うなんて……リムルが可哀想でしょ?」
- ニー
- 「ドルプルにそう思われても……」
- リムル
- 「うぅっ……!」
- ショウ
- 「リムル!」
- マーベル
- 「リムルは、命懸けで貴方に会いにきたのよ? それを……」
- ニー
- 「ここには同志が一杯居るんだ。俺が個人的な感情だけで……」
- マーベル
- 「リムルはまだ子供なのよ。あれでは自棄を起こすわ」
- チャム
- 「マーベルはいいの?」
- マーベル
- 「貴方は黙ってて」
- ニー
- 「放っとけばいい」
- ショウ
- 「でもさ……」
- ニー
- 「お前だって、リムルを本当に信じてる訳じゃないんだろう?」
- ショウ
- 「そりゃ……」
- ニー
- 「それ見ろ」
- リムル
- 「ニーまでがあんな事言うなんて、酷いわ……」
- キーン
- 「ダーナ・オシーの修理はどう?」
- コタノ
- 「一応済みましたが、フォウとのドッキング・テストをしなくちゃいけないんです」
- 「でも、マーベルさん達、忙しいから……」
- キーン
- 「何言ってんの、私がやるわよ」
- コタノ
- 「ニーに相談してみる」
- リムル
- 「キーン」
- キーン
- 「なぁに、リムル?」
- リムル
- 「ダーナ・オシーのテストをするんでしょ? 手伝わせてもらうわ」
- キーン
- 「馬鹿な事言わないで、無理よ」
- リムル
- 「何故? 私だってオーラ・バトラーの構造は知ってるわ。設計図も見てるし、扱い方は分かっているわ」
- キーン
- 「頭で知っていても、実際にやるのとは別よ」
- リムル
- 「待って」
- 「私、父のスパイじゃないのかなんて言われてるのよ。そんなの嫌よ。私は父と戦いたいのよ」
- キーン
- 「リムル……本当なのそれ。誰が言ってんの?」
- リムル
- 「そんな事はいいわ。地上人のショウ達も命を懸けてるのに、私だけ何もしないのは嫌なのよ」
- キーン
- 「リムル……」
- リムル
- 「父ならば、人から愛されて欲しいと思うのが、子供の気持ちよ」
- 「なのにそんな私の事など、何も分かってくれない……だからよ」
- 「私は父と刺し違えるくらいの覚悟は持ってるわ」
- キーン
- 「リムル、いいわよ。発進して」
- リムル
- 「了解」
- 「飛びますように」
- キーン
- 「リムル、パワー掛けて! そのままじゃ海に突っ込むわ!」
- リムル
- 「あぁっ、ぶつかる……!」
- 「ふふっ、キーン、飛べた飛べた……ね?」
- キーン
- 「よーし、飛ぶのに慣れたら降下。いよいよ実戦的よ」
- リムル
- 「了解、了解」
- キーン
- 「方向転換の時はスピードを落とすのよ」
- 「駄目、早過ぎる! スピードを落として!」
- リムル
- 「ああん!」
- キーン
- 「レバーを戻してからゆっくり」
- リムル
- 「ええ」
- 「うぅっ……!」
- キーン
- 「ほら、ただ飛ぶだけじゃないの。レバー引いて」
- リムル
- 「ええいっ……!」
- キーン
- 「うっ……!」
- 「何で私の所にわざわざ落ちるの?」
- 「無茶しないでよリムル。貴方、本当は私をやっつけに来たんでしょう?」
- リムル
- 「何で逃げるの? 待ちなさいよ!」
- キーン
- 「いい加減にしてよ! 何で私にばかり向かってくるの?」
- リムル
- 「ドッキングのテストしに来たんでしょ? やりましょうよ」
- キーン
- 「冗談じゃないわよ、まともに飛べもしないで。そんな事出来ますか」
- リムル
- 「じゃあ、何故一人でテストに出ようとしたの?」
- キーン
- 「オートマチックでやるテストよ」
- リムル
- 「私はやるわ」
- キーン
- 「駄目!」
- リムル
- 「ええいっ!」
- 「あぁっ……!」
- アレン
- 「どうだ、フェイ? 新型のレプラカーンとズロンの相性は」
- フェイ
- 「良好だアレン。ズロンのオートマチックは上手く行くのか?」
- アレン
- 「ジェリル、やってみろ。ズロンを待機させ、レプラカーンのみ戦闘体勢だ」
- ジェリル
- 「了解。レプラカーンは初めてだ。言う通りにするよ」
- 「ズロンは上手く旋回待機してくれてる。」
- アレン
- 「よーし、ズロンとドッキングしろ。リアンの海岸へ向かう」
- ジェリル
- 「了解」
- 「お待たせ」
- ニー
- 「ゼラーナ、重過ぎたかな?」
- 「ショウ、荷物を前へ出しておけ。第二便用だ」
- ショウ
- 「了解」
- 「キーンはどうしたんだ? それに、リムルも見えないようだけど……」
- ニー
- 「リムルの事は放っておけ。キーンはすぐ戻ってくる」
- 「ほら」
- ショウ
- 「フォウにも軽い物は積み込ませろ」
- チャム
- 「了解、了解」
- 「キーン、引越しよ。荷物運びを手伝って、って……リムル?」
- リムル
- 「しっ、私がここに居るってみんなに言わないで」
- チャム
- 「何でさ?」
- リムル
- 「スパイがオーラ・バトラーに乗ったら、ドルプルに叱られるわ」
- チャム
- 「あら! リムル、やっぱりドレイクさんのスパイなの?」
- リムル
- 「違うわよ!」
- チャム
- 「じゃあ、言ってもいいじゃない」
- リムル
- 「ニーに心配掛けたくないでしょ?」
- チャム
- 「そっかそっか、内緒にしててあげる」
- マーベル
- 「ドワ、どこに目を付けてるの? ぶつかるわよ!」
- ドワ
- 「どれだけゼラーナが重量オーバーか分からんだろ?」
- コタノ
- 「もっとゆっくり行けばいいんじゃないの?」
- ドワ
- 「馬鹿言え、いつ敵が来るかもしれん。こんな……」
- コタノ
- 「あっ、マーベルの前方に何か……三機来るぞ」
- 「マーベル、前方から何か来るようだ。注意しろ」
- マーベル
- 「レーダーは当てにはならないでしょ?」
- コタノ
- 「でも、いやにはっきり映ってる」
- アレン
- 「フェイ、何故降下するんだ? リアンの海岸はもう少し先だ」
- フェイ
- 「何言ってんの、下の霧の塊を見なよ。ゼラーナは動いてるかもしれない」
- アレン
- 「成程、あり得るな……」
- マーベル
- 「ん、来る……!」
- ジェリル
- 「ん? いい勘してるね、フェイ。このまま戦闘に入るよ。アレン、フェイ」
- アレン
- 「但し、レプラカーンの初めての戦いだ。無理をするな」
- ジェリル
- 「了解」
- フェイ
- 「ジェリル、霧には気を付けろ。舐めると命取りになるぞ」
- ジェリル
- 「子供じゃあるまいしさ」
- フェイ
- 「では、小生も……」
- コタノ
- 「やっぱり、オーラ・バトラーとウィング・キャリバーだ。三つが六つになったんだ」
- ドワ
- 「総員、戦闘配置!」
- コタノ
- 「ダンバイン、ニー、敵だ! 聞こえるか?」
- 「オーラ・バトラー6機だ! いや、3機だ3機!」
- 「ボゾン1機じゃ守り切れない!」
- ニー
- 「了解した。何とか振り切れ。すぐに行く」
- 「ショウ、キーン。ゼラーナに敵が向かっている」
- ショウ
- 「何?」
- キーン
- 「えっ?」
- ニー
- 「すぐに行ってくれ」
- ショウ
- 「よし!」
- リムル
- 「ニー!」
- ニー
- 「リムルはここで待て」
- リムル
- 「でも……」
- ニー
- 「こっちにも敵が来るかもしれない。洞窟の奥に隠れていろ」
- リムル
- 「はい」
- ショウ
- 「ニー、ボゾンで来るのか?」
- ニー
- 「当たり前だ」
- ショウ
- 「突っ込み過ぎるなよ」
- ニー
- 「分かっている」
- キーン
- 「大丈夫、一人で出るわ」
- リムル
- 「キーン、私がダーナ・オシーで……」
- キーン
- 「何言ってるの、まだ無理よ」
- リムル
- 「私の疑いを晴らす為には、やるしかないでしょう?」
- キーン
- 「リムル……!」
- チャム
- 「リムル、まだ無理よ」
- リムル
- 「私にだって、オーラ力ぐらいあるわよ」
- チャム
- 「怪我しても知らないから!」
- リムル
- 「スパイの疑いのまま生き延びるぐらいなら、死んだ方がマシよ!」
- チャム
- 「リムル……」
- キーン
- 「でも、命懸けって怖い事よ」
- 「いいわね?」
- チャム
- 「私が付いててあげる」
- リムル
- 「何で?」
- チャム
- 「戦闘アドバイザー」
- アレン
- 「ジェリルとフェイがレプラカーンに慣れる為の、実戦演習には丁度いいって訳か」
- ショウ
- 「間に合うのか?」
- ジェリル
- 「うっ、たかが擦り傷……ダンバインか!」
- フェイ
- 「頂くぜ、ダンバイン!」
- ドワ、コタノ
- 「わっ……!」
- ドルプル
- 「おい、もっとスピード出ないのか? 積み荷がやられてる」
- ドワ
- 「この重さでは、これが精一杯だ」
- コタノ
- 「積み荷を少し捨てろ」
- ドルプル
- 「馬鹿言え、そんな事が出来るか……うっ!」
- ジェリル
- 「この程度のオーラ・バトラーに苦戦していたなんて、お笑いだよ!」
- ショウ
- 「このオーラ力は何だ? 悪意に溢れている……」
- アレン
- 「ブリッジをやれば一発だってのに、あの二人は……!」
- 「全弾ぶち込んでお仕舞いよ!」
- 「援軍か?」
- ニー
- 「ゼラーナは……」
- 「ドワ、この隙に逃げろ!」
- 「むっ……!」
- アレン
- 「くっ、やる……!」
- ニー
- 「あっ、くっ……!」
- キーン
- 「リムル、狙えて? ニーのボゾンには当てては駄目よ!」
- リムル
- 「当たり前の事、言わないで!」
- チャム
- 「よく狙って……撃てっ!」
- リムル
- 「黙ってて!」
- アレン
- 「うわぁぁっ、また援軍か!」
- ニー
- 「キーンか、すまない!」
- マーベル
- 「私よ、マーベルよ!」
- ニー
- 「すまん!」
- マーベル
- 「気を付けて! 相手は動きが速いわ!」
- ニー
- 「うっ、しまった……!」
- キーン
- 「ニー!」
- リムル
- 「ニーをやっつける人なんか!」
- チャム
- 「突っ込み過ぎだ!」
- フェイ
- 「新型なのか?」
- 「うわっ!」
- リムル
- 「落ちてしまえ!」
- フェイ
- 「うわぁぁっ!」
- ニー
- 「キーン!」
- マーベル
- 「腕を上げてるわ」
- ニー
- 「一人で飛べる。援護を」
- マーベル
- 「了解」
- キーン
- 「マーベル」
- マーベル
- 「え?」
- キーン
- 「上空に逃走中のビランビーを追い掛けるわ。ショウは?」
- マーベル
- 「貴方、フォウなの?」
- キーン
- 「そうよ?」
- マーベル
- 「じゃあ、あのダーナ・オシーは?」
- キーン
- 「リムルよ」
- マーベル
- 「リムル……?」
- チャム
- 「あっ、止まっちゃ駄目! リムル、どうしたの?」
- リムル
- 「あぁっ……!」
- チャム
- 「リムル!」
- ショウ
- 「リムルがダーナ・オシーで?」
- ジェリル
- 「レプラカーンの方が、力が上の筈だ!」
- 「何?」
- チャム
- 「駄目! 下がって、ウィング・キャリバーで来る!」
- アレン
- 「フェイ、ドッキングをしたのか?」
- フェイ
- 「おう」
- アレン
- 「ジェリルのズロンを誘導しろ。あれを追い掛ける」
- チャム
- 「嫌ぁっ!」
- ニー
- 「リムル、岩を探して隠れろ!」
- チャム
- 「落ちた!」
- リムル
- 「え、やっつけたの?」
- アレン
- 「フェイ、バイストン・ウェルでは無線は遠くへは飛ばないんだ。コントロールに気を付けろ」
- フェイ
- 「気を付けている」
- アレン
- 「ズロンが落とされた。前から回れ」
- フェイ
- 「了解」
- チャム
- 「リムル、調子に乗らないで! さっきは向こうが勝手に落ちたのよ!」
- リムル
- 「ここまで戦ってきたのよ、もう一息……!」
- チャム
- 「欲張ると死ぬわよ?」
- リムル、チャム
- 「きゃっ!」
- ジェリル
- 「うぅっ……!」
- 「ダンバインの武器、性能表とは違うぞ……!」
- 「わぁぁっ!」
- ショウ
- 「リムル!」
- アレン
- 「聞いたか、フェイ?」
- フェイ
- 「聞いた。ジェリルのレプラカーンが落ちたようだ」
- アレン
- 「ジェリルを回収しつつ、脱出する」
- フェイ
- 「了解!」
- リムル
- 「はぁっ……」
- 「ショウ」
- チャム
- 「ショウ〜!」
- ショウ
- 「何がショウだ。リムル、ニーの命令を何故聞かなかったんだ? 懲罰モンだぞ」
- 「今夜の三人、あれは本気じゃない……所詮は小手調べって感じがする」
- ドルプル
- 「発電機が二機やられたくらいって所かな」
- ドワ
- 「ゼラーナも動くし、何とかなりそうだな」
- コタノ
- 「ニーがボゾンで出てくれたのが大きかったかね」
- ドルプル
- 「いや、リムルだ……」
- 「ニー」
- ニー
- 「何だ?」
- ドルプル
- 「今更言いづらいんだが、俺達に気を遣う事はないんだ。少しはリムルさんに優しくしてやってくれないか」
- ニー
- 「気を遣うったって……」
- ドルプル
- 「いいんだよ、分かってるよ」
- 「リムルさん、まだニーから夕べの事、褒めて貰ってないんだろ?」
- リムル
- 「でも私、軍規違反をしたから……」
- ニー
- 「そうなんだ。一段落したら全体会議を開いて……」
- ショウ
- 「素直じゃないな。ドルプル達だって、ああいってくれてるんだ。褒めてやんなよ」
- ニー
- 「馬鹿言え。リムルはパイロットじゃないんだぞ?」
- ドルプル
- 「リムルさんにああさせたのは、俺達がスパイだなんて言ったからだろ?」
- 「むしろ俺は、リムルさんに謝らなければならない立場だ」
- ニー
- 「しかし……」
- ショウ
- 「たまにはキャプテン風吹かさない方が、格好いいんだぜ。褒めてやったら?」
- ニー
- 「リムル……」
- マーベル
- 「褒めて貰いなさい、リムル」
- ショウ
- 「邪魔なら行くよ?」
- ニー
- 「い、いやいい」
- ショウ
- 「じゃあ、褒めな?」
- マーベル
- 「さぁ……」
- キーン
- 「ん、もう……!」