第47話 ドレイク・ルフト
- ラナ
- 「この上にウィル・ウィプス?」
- リムル
- 「ええ、間違いないわ」
- アの兵士
- 「ゲア・ガリング所属のライネックだと?」
- 〃
- 「え、リムル・ルフト様か?」
- ドレイク
- 「リムルが? リムルが自らライネックを操って、ゲア・ガリングを脱出してきたというのか?」
- 「収容を急げ」
- アの兵士
- 「はっ!」
- ドレイク
- 「ビショットの奴め、集中した防御線を展開せぬからこういう事になる」
- 「リムルまで巻き添えにさせるとは、当てにならん男よ」
- 「リムル、よく無事に……」
- リムル
- 「お父様、お久し振りでございます」
- ドレイク
- 「リムル、よく顔を見せてくれ」
- ラナ
- 「あれが、ドレイク・ルフト……?」
- リムル
- 「お会い致したかったのです」
- ドレイク
- 「お前が地上に出ているという話は聞いていた」
- リムル
- 「はい」
- ドレイク
- 「お前には苦労を掛けたようだな」
- リムル
- 「ご報告したい事がございます」
- ドレイク
- 「ビショットの艦隊の事でか?」
- リムル
- 「いえ、ゲア・ガリングに居る、お母様の事で……」
- ドレイク
- 「ゲア・ガリングに居る、ルーザの事……?」
- リムル
- 「子としてあの母を、ビショットと内通する……あっ!」
- ラナ
- 「はっ……!」
- ドレイク
- 「子供の癖に……作戦は大人に任せればいい!」
- 「リムルを、ワシの部屋に連れて行け」
- アの兵士
- 「はっ!」
- ドレイク
- 「客人もご一緒に」
- リムル
- 「お父様……」
- アの兵士
- 「リムル様、こちらへ」
- ドレイク
- 「……グラン・ガランの進路は読めたか?」
- アの兵士
- 「はっ!」
- ドレイク
- 「よし、追撃戦に入る。太平洋とかへ向かうも構わん。落とすぞ!」
- アの兵士
- 「はっ!」
- ドレイク
- 「トッド・ギネスは、一言も教えてくれなんだ。兵士とて噂を聞いていた筈だ」
- 「ワシだけが何も知らず、道化だったというのか」
- 「ルーザめ……あの女こそ、この戦いの元凶だったか。八つ裂きにして、カ・オスにくれてやるわ」
- ドルプル
- 「ビルバインの塗装は終わりだ。ショウを出撃させろ」
- ショウ
- 「マーベル、用意は……」
- 「ごめん」
- マーベル
- 「いいわよ。出撃する度に『これでお別れか』なんて、思いたくないけれど」
- ショウ
- 「オーラの力には呼び合う働きがある。そんな事はないさ」
- マーベル
- 「そう思えて?」
- ショウ
- 「そうでなけりゃ、こんなに長い間、マーベルと一緒に居られやしなかったさ」
- マーベル
- 「信じたいわね」
- ショウ
- 「信じろよ」
- チャム
- 「あの二人、もっと素直に愛してるって言えばいいのに……いつも遠回しに事を運ぶんだから」
- キーン
- 「大人はね、上品にやるのよ」
- チャム
- 「大人っていうよりは、私が見た限りじゃ、只の不器用って感じだわ」
- キーン
- 「ま、それは言えるかもね」
- チャム
- 「でしょ〜?」
- キーン
- 「了解」
- キーン、チャム
- 「ふふっ……」
- ショウ
- 「キーン、チャム、どこに居る? スプリガンを阻止するぞ」
- キーン
- 「了解」
- チャム
- 「了解」
- ショウ
- 「チャム、何を話してたんだ? キーンと」
- チャム
- 「別に……愚図な男の子と女の子の話」
- ショウ
- 「へえ、フェラリオの昔話か……面白そうだな。後で聞かせてくれよ」
- チャム
- 「は〜い、幾らでも」
- 「ベェッ!」
- ショウ
- 「マーベル、太平洋上での再会を楽しみにしてる」
- マーベル
- 「ゴラオンは必ず誘導するわ。辿り着けないなんて事なしよ」
- ショウ
- 「了解」
- キーン
- 「作戦時間までに、ゴラオンを誘導出来るといいけど……」
- 「ニー、スプリガンの動きはどうなの?」
- ショウ
- 「遠くはない」
- ニー
- 「最大戦速で接触を掛けるぞ」
- ショウ
- 「ボチューンは、ビルバインに乗れ」
- キーン
- 「了解」
- エイブ
- 「こんなにも地上世界の支援を受けるとは、想像もしませんでしたね」
- エレ
- 「私達は飛び立ってるのですね」
- エイブ
- 「はい、いつでも」
- エレ
- 「あっ……」
- エイブ
- 「エレ様、如何なされましたか?」
- エレ
- 「いいえ、嬉しいのです」
- エイブ
- 「エレ様……」
- エレ
- 「私は、地上人達に応える事が出来ましょうか?」
- エイブ
- 「出来ます。シーラ様とお力を併せれば、必ず出来ます」
- エレ
- 「エイブ……」
- ラウの兵士
- 「ダンバインより入電」
- マーベル
- 「こちらダンバイン、マーベル・フローズンです。ゴラオン、聞こえますか?」
- エイブ
- 「マーベル殿」
- エレ
- 「マーベル、ゼラーナ以下グラン・ガランは……」
- マーベル
- 「ゲア・ガリングとスプリガンが、太平洋上で合流しつつあります」
- 「ゼラーナは先鋒として出撃しました。ゴラオンの発進を」
- エイブ
- 「了解した、マーベル・フローズン殿」
- ショウ
- 「アメリカ大陸上では、何の反撃もなしか」
- 「ドレイクめ……戦力を太平洋上に集中したな?」
- チャム
- 「海に出たわ」
- ショウ
- 「分かってるよ」
- チャム
- 「ねね、こんなちっぽけな戦力で、スプリガンに勝てると思う?」
- ショウ
- 「思わないね」
- チャム
- 「じゃあ、何でこんな無茶な作戦をするの?」
- ショウ
- 「そう引っ張るなよ」
- 「ゴラオンとグラン・ガランが合流する前に、スプリガンにダメージを与えるだけでもいいんだ」
- 「俺は、その為にだけ先発した」
- チャム
- 「えぇ、死ぬ覚悟なの? それじゃマーベルが可哀想じゃない。さっきのあれがお別れの挨拶だったの?」
- ショウ
- 「そう怒るなって……お互い、分かってる事なんだ」
- チャム
- 「ショウなんか大嫌いだよ」
- ニー
- 「ショウ、カール・ビンソンのスコット艦長は、太平洋艦隊に到着したぞ」
- ショウ
- 「艦長が?」
- ニー
- 「太平洋の艦隊も、反乱軍になったらしい」
- ショウ
- 「そいつは良かった」
- ニー
- 「それに、対オーラ・シップ戦を経験してるスコット艦長が、指揮をしてくれれば」
- ショウ
- 「第七艦隊だって、もっと上手くやれるって訳か」
- チャム
- 「へえ、そういう作戦があったの?」
- ショウ
- 「地上軍はやる気なのさ」
- チャム
- 「知ってたの?」
- ショウ
- 「少しはね」
- チャム
- 「心配させて!」
- キーン
- 「ショウ、スプリガン艦隊よ」
- ショウ
- 「追い付けたか」
- 軍人
- 「マザーだ」
- 〃
- 「了解」
- 〃
- 「掛かるぞ」
- アの兵士
- 「我が艦に向けて、地上の攻撃軍が接近中」
- ショット
- 「何?」
- ミュージィ
- 「リモコン操縦を乱す方法はないのですか?」
- ショット
- 「そう簡単にはないが、お前が出るまでの事はない。近付けなければいい。合流ポイントまではな」
- 「スプリガンに地上軍を引き付けてやれば、ビショットとドレイクに恩を売る事が出来る」
- アの兵士
- 「はっ!」
- ショット
- 「撃て!」
- 軍人
- 「これでは、リモコン誘導で突っ込めないぞ!」
- 〃
- 「ギリギリまで迫り脱出する」
- 〃
- 「リモコンなしでか?」
- 〃
- 「カール・ビンソンのやり方を、敵も知ってるんだ」
- 〃
- 「ラジャー!」
- ショット
- 「何? リモコンを使わずに突っ込むつもりか?」
- ミュージィ
- 「体当たりです」
- ショット
- 「うわっ……!」
- 「所詮は、バリア内には突っ込めんよ」
- 「バ、バリアが……!」
- ミュージィ
- 「地上人め……!」
- ショット
- 「どこをやられたか?」
- ミュージィ
- 「私が出ます」
- ショット
- 「いや、待て。地上軍の攻撃だけではない筈だ」
- 「ゼラーナが居る筈だ。探せ!」
- ミュージィ
- 「ショット様、上……!」
- ショット
- 「あれか!」
- アの兵士
- 「後部砲座、ビルバインを狙え!」
- ショット
- 「待て、全砲座を上へ向けろ」
- ミュージィ
- 「何故です? ビルバインを……」
- ショット
- 「あれは囮だ。ここまでビルバイン一機で追ってくる筈はない。必ずゼラーナが居る筈だ」
- 「来た! 急げ!」
- アの兵士
- 「はっ!」
- ドワ
- 「船体を水平に戻せなくなるぞ?」
- ニー
- 「それでもいい、その時は体当たりだ」
- ドワ
- 「自棄だけは起こさんでくれよ」
- アの兵士
- 「これ以上、近付けては……!」
- ショット
- 「まだだ!」
- チャム
- 「ショウ、スプリガンが変よ?」
- ショウ
- 「何?」
- 「ニー、気付かれてるぞ!」
- ニー
- 「何?」
- ドワ
- 「やっぱり……!」
- ニー
- 「逆噴射!」
- ショット
- 「撃て!」
- キーン
- 「ニー!」
- ショウ
- 「ゼラーナが……!」
- ミュージィ
- 「やりました」
- ショット
- 「ゼラーナを撃破した」
- ドワ
- 「メイン・エンジンをやられた」
- ニー
- 「ドルプル、補助エンジンを……!」
- ドルプル
- 「駄目だ、全てやられた! 火の手が火薬庫に近付いてる!」
- ニー
- 「ドワ、脱出しろ」
- ドワ
- 「捨てるのか、ゼラーナを?」
- ニー
- 「俺は捨てないよ」
- ドワ
- 「ニー」
- ニー
- 「急げ」
- ドワ
- 「分かった」
- ショウ
- 「キーン、右側を持ち上げろ」
- キーン
- 「分かってる」
- チャム
- 「あ、壊れてくよ……!」
- ショウ
- 「ニー、誘爆してるぞ」
- ドワ
- 「こちら、これで最後だ。脱出しろ」
- 「うわっ……!」
- 「ショウ、グランとコタノを連れてってくれ」
- ショウ
- 「ニーはどうした?」
- キーン
- 「ニー?」
- 「ニー、ニー!」
- 「ニー、どこなの? ニー!」
- ショット
- 「よく見て回避しろ!」
- ドワ
- 「うわっ、うぅっ……!」
- ショウ
- 「ニーは?」
- ドワ
- 「ゼラーナで体当たりするつもりだ」
- ショウ
- 「他にも戦いようがある!」
- ドワ
- 「ニー、脱出する!」
- チャム
- 「ニー、海に落ちるわ。ビルバインに飛び乗って!」
- キーン
- 「ニー! どこに居るの、返事して、ニー!」
- 「きゃっ!」
- ニー
- 「キーンがゼラーナに乗り移った? そんな馬鹿な、戦闘中だぞ!」
- ショウ
- 「待て、下へ降りるのは無理だ」
- 「うっ……!」
- キーン
- 「きゃっ……!」
- 「ニー、貴方は逃げられたの? まだこの中に居るの?」
- 「居るのなら、私の傍へ来てよ」
- ニー
- 「キーンか?」
- キーン
- 「ニー!」
- ドワ
- 「ショウ、海面だ」
- チャム
- 「ショウ、どうしよう?」
- ショウ
- 「離脱を……」
- 「ニー」
- ニー
- 「キーンが、俺の為に……!」
- ショウ
- 「話は後だ、早く……!」
- ニー
- 「わっ……!」
- ショウ
- 「わっ……!」
- チャム
- 「沈むよ」
- ショウ
- 「ドルプル、ニー、ドワ!」
- ドワ
- 「俺達の船が……」
- ニー
- 「ゼラーナが……」
- キーン
- 「あぁっ……!」
- ニー
- 「俺達のゼラーナが……!」
- ドルプル
- 「コタノ、無事か?」
- コタノ
- 「ああ、大丈夫だ」
- ショット
- 「ゼラーナは沈んだ。残るはビルバインだけだ。生き残り共々、地獄に落としてやれ!」
- アの兵士
- 「地上軍の第二波攻撃が接近」
- ショット
- 「何?」
- 「ミュージィ、出るな。敵の第二波が来た。各艦に退かせろ」
- ミュージィ
- 「何故ですか? 体当たり攻撃など、先程のように……」
- ショット
- 「今、戦力を消耗する訳にはいかん」
- アの兵士
- 「わぁぁっ!」
- キーン
- 「ニー、私達はもう戦えないの?」
- ニー
- 「そんな事はない、そんな事は……!」
- 「そんな事はない! 必ず、この雪辱戦はやってやる!」
- キーン
- 「でも、ニー。死なないでね?」
- エレ
- 「ゼラーナが撃墜された……」
- 「で、乗組員は?」
- エイブ
- 「全員、無事に脱出したとの事です」
- エレ
- 「そう、良かった……」
- 「全速前進!」
- ドレイク
- 「ビショット・ハッタ、長らく音信不通だったな。どういう事か?」
- ビショット
- 「我が方に攻撃を仕掛けた地上軍は、アメリカ軍隊のものと……」
- 「むっ……!」
- 「リムル……ウィル・ウィプスに、いつ……」
- ドレイク
- 「ワシの質問に答えておらんな、ビショット」
- ビショット
- 「ドレイク殿とて同じではないのか? アメリカで要らぬ時を過ごされたようだが?」
- ドレイク
- 「貴公は戦力の出し惜しみをしておる。戦力を温存して、どうするつもりかを聞きたいがな」
- ビショット
- 「我々は、太平洋上に集結して決戦をする」
- 「この作戦はドレイク様も認可され、その為、戦力の温存は当たり前の事」
- 「怪しむのは、ショット・ウェポンの動きでありましょう。彼奴こそ、高性能のスプリガンを私て、何を企むか……」
- ドレイク
- 「賢しいな、ビショット……」
- 「戦力の出し惜しみは、余計な猜疑心を味方に抱かせる」
- 「ここは我が艦の先鋒を受け持ち、十分な働きを見せて頂きたいが?」
- ビショット
- 「勿論。味方に無益な動揺を与えるのは、私としても不本意だ。引き受けましょう」
- ドレイク
- 「それでこそ、後々のワシの後継者と言えよう。頼みますぞ」
- ビショット
- 「この一戦で、グラン・ガランもゴラオンも、沈めてご覧に入れる」
- ドレイク
- 「作戦は定刻通りだ」
- ビショット
- 「はっ!」
- 「ドレイクめ……」
- ルーザ
- 「ビショット殿、ドレイクは私達の事は……」
- ビショット
- 「ドレイクらしいやり方だ。知っていながら億尾にも出さん」
- ルーザ
- 「え?」
- ビショット
- 「傍にリムルを置いてみせるなぞ、白々しい真似をしおって」
- ルーザ
- 「リムルが?」
- ビショット
- 「全てを知っているな。もう後へは引けん」
- ドレイク
- 「ビショットめ、煮え湯を飲むのはこれからだぞ? ふふっ……」
- リムル
- 「お父様、私をゲア・ガリングに行かせてください」
- ドレイク
- 「何故か?」
- リムル
- 「向こうで指揮を執りたいと思います」
- ドレイク
- 「何を考えている、リムル?」
- リムル
- 「お父様の代行を務めたいのです」
- ドレイク
- 「止めたら?」
- リムル
- 「女として母は、父以上に許せぬ存在だからです」
- ドレイク
- 「いいだろう」
- リムル
- 「有難う御座います」
- 「ラナさんを、アメリカに帰してくださいますか?」
- ドレイク
- 「補給部隊の便がある。帰してやろう」
- リムル
- 「申し訳ございません」
- 「今からでも、軍は退けましょうに……」
- ドレイク
- 「それはならんな」
- リムル
- 「何故でしょう?」
- ドレイク
- 「オーラ・マシンの力は、世界を繋げ過ぎた」
- 「我々は地上に在っては、粛清されなければならん存在なのだ」
- リムル
- 「お父様……」
- ドレイク
- 「ワシとて、世界を見る目はあるつもりだ」
- 「……が、個人の感情の決着だけは、これは着けさせてもらう」
- ルーザ
- 「この期に及んで、弱気はなりませぬぞ」
- ビショット
- 「弱気ではない。戦術だ」
- ルーザ
- 「先鋒隊を引き受ければ、ゲア・ガリングは落ちるかもしれません」
- 「しかし、勝ち戦の後の勢力配分の事も考えませんと」
- ビショット
- 「我々の思惑などドレイクは見抜いている。今はやられた通りやらねば、裏を掻かれる」
- ルーザ
- 「ドレイクは、私がこの艦に乗っているのを存じているのでしょ」
- 「ならば、当分はこの艦は安全です」
- ビショット
- 「その言い草、気に入らんな」
- ルーザ
- 「ドレイクは、自らの手で私を殺すまでは、他人に殺させはしないという事です」
- ビショット
- 「確かにな……」
- コタノ
- 「そっとやってくれ、そっと」
- 看護兵
- 「さ、いいわよ」
- キーン
- 「有難う」
- シーラ
- 「スプリガンとゲア・ガリングの動きが上手く行っていないというのは、貴重な情報でした」
- 「一挙に敵を葬るチャンスが来たという訳ですね」
- ニー
- 「しかし、ドレイクのウィル・ウィプスも太平洋に入りました」
- ショウ
- 「ドレイクさえ倒せば、後は楽だと考えますが……」
- 「シーラ様、お体は?」
- シーラ
- 「大丈夫です。ここで私達のオーラ力を結集して……」
- 「はっ……!」
- ショウ
- 「敵か?」
- ニー
- 「オーラ・バトラー隊か」
- ナの兵士
- 「違います、ゲア・ガリング艦隊です。突進してきます」
- ショウ
- 「単独で来たのか」
- 「何を考えているんだ、ビショット……」
- ニー
- 「ゲア・ガリングの損傷は大きい筈なのに」
- ショウ
- 「では……」
- ニー
- 「失礼します」
- カワッセ
- 「……シーラ様、宜しいのですか?」
- 「シーラ様」
- シーラ
- 「見えます」
- カワッセ
- 「はっ?」
- シーラ
- 「敵に……敵に、混乱の兆しが感じられます……」
- カワッセ
- 「シーラ様」
- シーラ
- 「カワッセ艦長、我々も打って出ましょう」
- カワッセ
- 「はっ!」
- 黒騎士
- 「漸く正攻法の戦いか。ビショットとドレイクの間に、どういう話があったか知らんが」
- ショウ
- 「ニー、先走りするな」
- ニー
- 「分かっている」
- 「ドワ、ゼラーナとは違うぞ」
- ドワ
- 「自分の心配でもしてろって」
- ショウ
- 「ん?」
- ドワ
- 「ドラムロなんてチョロいもんだ」
- 「んっ……!」
- 「くそ、やられるもんか! ゼラーナの弔いだ!」
- ビショット
- 「ゴラオンの動きは、どうなっているのか?」
- クの兵士
- 「ビショット様、このままでは弾薬が……!」
- ビショット
- 「分かっている。状況を見て、事後処理はする」
- クの兵士
- 「は、はい!」
- ニー
- 「俺達の家を……よくもゼラーナを!」
- カワッセ
- 「敵の攻撃の仕方は、常軌を逸している……」
- シーラ
- 「確かに……これが、敵の乱れとは思えぬ」
- 「何か、裏の作戦があるというのか」
- ショウ
- 「黒騎士か!」
- チャム
- 「やだやだ、同じようなのが一杯出て来たよ!」
- 黒騎士
- 「逃しはせんぞ!」
- 「ガラバ隊は雑魚をやれ!」
- ショウ
- 「逃げ通せるもんでもないか」
- 黒騎士
- 「今日こそ、決着を付けてやる」
- ショウ
- 「このビルバインでも、オーラ・ボンバーの速さには付いていけないのか?」
- 黒騎士
- 「援軍が来る前に、ビルバイン1機落としておけば」
- 「ええい、邪魔をするな、ドラムロ!」
- チャム
- 「こっちにもガラバ!」
- ショウ
- 「南無三!」
- チャム
- 「問題のガラバは一機だけよ、ショウ」
- ショウ
- 「分かってる……乗ってる奴も、誰か分かってる!」
- チャム
- 「数が出るわ」
- ショウ
- 「ビショットめ!」
- ビショット
- 「第一先頭軍隊は格納庫に固定させておけ。各員は直ちに、グラン・ガランへ向かわせろ!」
- クの兵士
- 「ビショット様」
- ビショット
- 「何か?」
- クの兵士
- 「只今ドロにて、リムル・ルフト様が到着なさいました」
- ビショット
- 「何だと?」
- クの兵士
- 「ドレイク・ルフト様の代行との事でございます」
- ビショット
- 「ドレイクの代行だと?」
- 「勝手にここまで上がらせろ。出迎えは無用だ」
- クの兵士
- 「はっ!」
- クの兵士
- 「第三ブリッジへお上がりくださいとの事であります」
- リムル
- 「良い。戦闘中です、私から参ります」
- 「母はどこか?」
- クの兵士
- 「最下層のお部屋かと」
- リムル
- 「有難う」
- アの兵士
- 「リムル様、ゲア・ガリングと接触しました」
- ドレイク
- 「そうか、行ったか……」
- 「ショットのスプリガンの動きからも、目を離すなよ」
- アの兵士
- 「はっ!」
- ドレイク
- 「さて、どうなる……この一手」
- リムル
- 「母は、何としても許せない……!」