第18話 三日月に乗れ

ノレド
「ロルッカさん達は、色んな物を持ってきても放り出しっぱなしでさ……!」
ラライヤ
「ここまで運んでくれただけでも、感謝しなさいよ」
ハッパ
「Gセルフは、前格納庫へ移動だ」
ベルリ
「はい。やっときます」
ラライヤ
「ベルリ、疲れてるね」
ノレド
「そうでしょ?」
「あっ、あれね? カシーバ・ミコシ!」
ラライヤ
「あぁ、そうそう!」
「あれがザンクトポルトに行って、降臨祭をやるのよ」
「ノレド! カシーバ・ミコシの上!」
ノレド
「あれがクレッセント・シップね? 大きいねぇ」
ガヴァン
「伝統あるザックス兵団が地球人に舐められっぱなしでは、ヘルメス財団の信用をなくしてしまう!」
「あっ? 何だ?」
「はい。……カシーバ・ミコシが出港するからビーム・ライフルは使うなという命令は、100回聞いている! ったく!」
兵士
「うわっ!」
 〃
「ガヴァン! 物を投げるな!」
ガヴァン
「これは名誉挽回の作戦であることを忘れるな!」
兵士
「おおっ!」
マッシュナー
「ロックパイ! ガヴァン隊を止めないと騒動になるぞ」
ロックパイ
「もう少し待ってください!」
「まだ出られないのか? 司令に叱られたぞ!」
「どうなの?」
兵士
「電極が30個あるんですよ?」
クンパ
「クレッセント・シップがまだ居るというのに、女司令は出るのですか?」
ガランデン艦長
「マスク大尉は訓練飛行、サラマンドラは、クリム大尉が大統領の息子の力を借りて遊びに出てますからな」
クンパ
「トワサンガは我々の船を欲しがっているんですから、Gセルフも確保しておけば、ドレット将軍との交渉も有利になります」
マッシュナー
「本当なのですか? ビフロンは損傷している筈なのに……」
「ガヴァン隊より先に、YG−111の連行をするんだぞ」
ロックパイ
「了解です。出ます!」
「ビーム・マントをテストする」
「今の出力は10%だった。本気を出せば……!」
マッシュナー
「YGを壊すんじゃない! 捕えるんだ!」
ロックパイ
「あっ、はい! 分かってます!」
ケルベス
「最大望遠だとこんなものですけど、見えます?」
ドニエル
「よく映っている」
アイーダ
「これがフォトン・バッテリーを運ぶ輸送船だなんて、地球人を馬鹿にしていません?」
ロルッカ
「どういう意味です?」
アイーダ
「権威付けでしょ? こういうデコデコしたデザインで、私達に尊敬しろって強制してます」
リンゴ
「ケルベスさん! カシーバ・ミコシの上!」
ケルベス
「クレッセント・シップなんだろ?」
リンゴ
「そうなんだけど、あれでメイン・エンジンのスタートを掛けているんだぜ?」
ケルベス
「アイドリングに三日ぐらい掛かるっての?」
リンゴ
「何しろ、ビーナス・グロゥブまでの長距離航行をしようっていうんだからなぁ」
ケルベス
「料金、高いんだ?」
リンゴ
「ヘルメス財団の会員になっていなけりゃ、乗れないの」
「あっ……ケルベスさん!」
ケルベス
「ん、キャッチした!」
リンゴ
「ガヴァン隊です。こちらがサクーンスーン桟橋前から離れたら、仕掛けてくるつもりです」
ケルベス
「メガファウナ! 分かってんのか?」
ドニエル
「レックスノーのキャノン用意! Gセルフは前デッキだ!」
副長
「了解!」
アダム
「リフレクター・パックも前デッキへ移動だとよ」
ベルリ
「リフレクターの調整、ありやとした!」
ハッパ
「仕事、仕事!」
ベルリ
「んっ、あぁ……カシーバ・ミコシだ。クレッセント・シップも……」
「フォトン・バッテリーをカシーバ・ミコシに運び込めば、ビーナス・グロゥブに帰るのか」
「何だよ?」
ノレド
「ベルは働きすぎ!」
ベルリ
「アイーダさんが思っていることを、手伝わないといけないからさ」
ラライヤ
「お姉さんを大事にしたいんだ?」
ベルリ
「まだ慣れてないんだよ」
ノレド
「ベルは天才でないし、タフでもないんだよ?」
ベルリ
「だから、ロルッカさん達が用意したものぐらい、使えるようにしたい……」
アダム
「いつになったら、Gセルフを前デッキへ移動してくれるんですかね?」
ハロビー
「ベルリ君!」
ドニエル
「本艦がカシーバ・ミコシから距離を取ったら攻撃されるが、シラノ−5の上に出るクレッセント・シップに接近すれば、攻撃はされない」
アイーダ
「ご苦労様! Gセルフの移動」
ベルリ
「どうってことありません。それより、ガランデンは……」
副長
「あれはアパッチ軍港には居ないんだ」
ベルリ
「居ないんんですか?」
ロルッカ
「クレッセント・シップは、Gセルフが接触出来れば化ける筈なんです」
ノレド
「へぇ、そういう関係なの?」
ラライヤ
「じゃあ、クレッセントのシステムも同じようなものなんですか?」
ロルッカ
「まぁそうでしょうね……としか言い様がないか」
フラミニア
「ヘルメスの薔薇の設計図らしいんですよ」
ラライヤ
「そうなんだって!」
ノレド
「怪しいんだ?」
ロックパイ
「もう少しで、メガファウナとカシーバ・ミコシは距離が離れる! 流れ弾がカシーバ・ミコシに当たるようなことがあってはならない!」
「聞こえているんだろ? ガヴァン!」
ガヴァン
「艦隊の貴様達は出てこなくていい!」
ロックパイ
「ミノフスキー粒子を撒いたら、力尽くで貴様達の行動を止めてみせる!」
「各員、いいな?」
アイーダ
「それは、ライフル一発撃っても政治問題になりますよ」
ノレド
「どうしたの?」
アイーダ
「月の方向で、トワサンガのモビルスーツの動きが変なのよ」
ノレド
「モビルスーツ戦をやろうっていうんじゃないかなぁ」
ロルッカ
「ドレット艦隊は、事前偵察に出したGセルフのデータが欲しいんですよ。
だから、ガランデンがGセルフを破壊しようとしたので、連行するつもりになったんです」
ノレド
「うわーっ!」
一同
「うわぁっ!」
マニィ
「ハッチを開きます!」
マスク
「頼む!」
ノレド
「マックナイフから人が出ました!」
ドニエル
「カメラ!」
ノレド
「あの人……嘘でしょ?」
ステア
「どうした?」
リンゴ
「お前達は、何をしにここへ……」
「うわっ!」
バララ
「レーダーが使えないんだから、もっとよく見なくちゃねぇ! 周りをさ!」
ラライヤ
「周りを見たらラライヤが居たんだろ!」
マニィ
「ユニバーサル・スタンダードだから……」
ドニエル
「アダム・スミス、正面から敵兵に入られるぞ! しかし、正面にはマックナイフとでっかい奴が居る!」
ステア
「狙われています!」
ギゼラ
「別の後続部隊が来ます!」
アイーダ
「ならクリムでしょ! でもメガファウナは当初の予定通りです、艦長!」
ドニエル
「で、出来ますか?」
アイーダ
「ベルのGセルフは前デッキに居ます!」
ノレド
「出ます?」
アイーダ
「勿論。下は危険でしょう?」
ノレド
「ブリッジは狙い撃ちされる」
アダム
「侵入者がゲートを開こうとしてる! 後部デッキのグリモアは出しとけ!」
アイーダ
「ハッチが開きました!」
ノレド
「えぇっ?」
ラライヤ
「あのパイロット・スーツの人……」
ノレド
「右弦がエア・ロックだよね?」
アイーダ
「ええ!」
ベルリ
「あぁっ!」
マスク
「Gセルフはトワサンガで建造されたから、返さなければならんのだ!」
マニィ
「あっ……!」
ノレド
「やっぱりマニィじゃないか! 何でこんなふうに来たの?」
マニィ
「だって、Gセルフをトワサンガに返せば、三隻とも地球に帰れるって……」
マスク
「ガランデンとメガファウナも補給してもらえるのだ!」
ベルリ
「駄目ですよ!」
「Gセルフは、僕とアイーダさんの……!」
マスク
「何だ? マニィ!」
ラライヤ
「接触回線で聞こえてますね? デッキの上でモビルスーツ戦です! もっと奥に隠れてください!」
ノレド
「何で?」
マニィ
「マックナイフの後ろで……!」
ベルリ
「何やってるの! メガファウナのデッキの上で何やってんです!」
ラライヤ
「ヘカテーとジャハナムです!」
ベルリ
「ミックさんとクリム大尉?」
リンゴ
「近くにカシーバ・ミコシが居るっていうのに、地球人は……!」
マスク
「サラマンドラの天才と突撃娘か!」
バララ
「後から出てきて……!」
クリム
「その格好では接近戦は無理でしょ!」
バララ
「舐めるなっ!」
クリム
「馬鹿な!」
ミック
「なら、パワー半減!」
バララ
「舐めるなって言ってるでしょ!」
マスク
「バララ、落ち着け!」
バララ
「えっ?」
マスク
「いざとなればビーム・シャワーを使えばいいが、トワサンガの部隊も接近している!」
クリム
「こちらの戦いをトワサンガの連中に付け込まれる!」
ミック
「えっ?」
クリム
「カシーバ・ミコシは、まだ視界の中なのだ!」
ミック
「でも、クノッサス一隻が出ています!」
クノッサス艦長
「あぁ、メガファウナで内輪揉めがあったようだ。こりゃ拡大させる訳にはいかんぞ、マッシュナー!」
マッシュナー
「分かっています。ヘルメス財団の使者が見ている前でカシーバ・ミコシにビーム一発掠めたら、軍は即刻解体されます!
そんなことはさせはしませんよ!」
ガヴァン
「自分の守備範囲で、地球人に好きにさせる訳にはいかんのだ!」
ベルリ
「ノレド、なるべく船の中央に隠れていろ! マニィも!」
「あの人達は……!」
ノレド
「マニィ、こっち!」
マニィ
「だけど……!」
ラライヤ
「ベルリ、何をするの?」
ベルリ
「ダミー隕石を格納庫の前に引っ張り込みます!」
ラライヤ
「そうか! 私も……!」
ドニエル
「グリモア2機は前へ! ハッチは閉じろ!」
アイーダ
「アルケイン、出ました!」
「な、何っ?」
ステア
「ノーッ! 前、見えない!」
ドニエル
「ギゼラ、ステアにモニタはないのか?」
ギゼラ
「前を見るモニタですよね? ある筈です」
ラライヤ
「来た!」
ベルリ
「えっ?」
バララ
「おのれ、あの女!」
ミック
「私の大尉を蹴飛ばしたのは許せないって言ってるんだ!」
バララ
「蹴飛ばされた男が悪いんだろ!」
ギゼラ
「はい、こいつならセンター・カメラと繋げたんで、正面の景色は映る!」
ステア
「えぇ? 小っちゃい!」
ベルリ
「クッションになったじゃないか!」
「ラライヤ! 仮止めでいいんだから……」
ラライヤ
「分かってます!」
ガヴァン
「ここはお前達の遊び場じゃないんだぞ!」
ミック
「トワサンガの部隊?」
ロックパイ
「ならず者ガヴァンは、数の暴力!」
ガヴァン
「マッシュナーの玩具が!」
クリム
「トワサンガの連中はライフルは使わない!」
ミック
「スコード教の信者ですからね」
ガヴァン
「上も押さえろ!」
ロックパイ
「掴まれた?」
ガヴァン
「マッシュナーに可愛がられてりゃいいのに……!」
「ぬぁっ! 斬られた!」
ロックパイ
「自分は111を捕えるのが任務だ!」
「……が、地球人がミサイルを使った?」
バララ
「大尉!」
マスク
「バララを助ける為には止むを得ん!」
バララ
「た、大尉! 敵の数に負けそうになっちゃった……!」
マスク
「メガファウナが加速を掛けたぞ!」
ステア
「見えているんですか? キャプテン!」
ドニエル
「見えてきたよな? ギゼラ、副長!」
ギゼラ
「上角度23度です!」
フラミニア
「違います!」
ギゼラ
「えっ?」
ロルッカ
「ち、違うのか?」
フラミニア
「上角30度……取舵3度で、クレッセント・シップの真後ろに着きます!」
ドニエル
「よぉし!」
ベルリ
「正面です!」
アイーダ
「そう!」
ラライヤ
「クレッセント・シップ!」
ベルリ
「Gセルフが出れば、メガファウナは狙われない!」
バララ
「Gセルフが出てきた! マスク!」
マスク
「私に捕まる為に出てきてくれたか! ……が、トワサンガの!」
ガヴァン
「やられた! 地球人め!」
「ん? マッシュナーが出てきている?」
クノッサス艦長
「ひぇ〜っ!」
マッシュナー
「撃てって命令してるだろ!」
クノッサス艦長
「マッシュナー、やめんか〜!」
マッシュナー
「三番、四番も撃ちなさい!」
クノッサス艦長
「貴様は私を死刑台に送るつもりか!」
マッシュナー
「停戦命令で止まるような連中ですか!」
クノッサス艦長
「は、はぃ〜!」
ベルリ
「パイロットさんは逃げてくれた!」
「ビーム戦などは出来ない筈なのに……!」
「クレッセント・シップはあそこか!」
ガヴァン
「111は連行する!」
マスク
「Gセルフ! クンパ大佐に性能を解析させろ!」
クリム
「ベルリ君! Gセルフは人質にする価値があるのだから、私に貸すのだ!」
ベルリ
「みんなで取り合いに来て……!」
クリム
「貴様達にはやらせない!」
ロックパイ
「やったな地球人! マッシュナー、援護してくれ!」
マスク
「ビーム干渉が拡大?」
クリム
「は、弾かれ……!」
ガヴァン
「111は化けた!」
ベルリ
「国へ帰ってください!」
「え? わっ!」
ロックパイ
「出力、出ました!」
クノッサス艦長
「クレッセント・シップへ接近している〜!」
マッシュナー
「ロックパイの足を止めろぉ!」
ノレド
「わぁっ!」
ドニエル
「誰が撃てと命令した! クレッセント・シップが目の前なんだぞ!」
ロルッカ
「あれはまだ、アイドリング中なんですよ?」
フラミニア
「ビーナス・グロゥブに帰るというのに……!」
ギゼラ
「それでもクレッセントに逃げ込むしかない!」
ステア
「最大戦速!」
「ホワッツ?」
ケルベス
「Gセルフが苦戦のようだ」
オリバー
「ただの電磁バリアじゃないぞ」
アイーダ
「バリアが帯になっています」
ラライヤ
「プラズマイク・オールとか……」
「来ますよ!」
ステア
「追いつかれる!」
ケルベス
「光っている方だ!」
ラライヤ
「届けぇ!」
ベルリ
「こいつはお化けか?」
「うぅっ……!」
ロックパイ
「ここまでだ! 111のパイロット!」
ベルリ
「Gセルフもフォトン・シールドあります!」
モランのパイロット
「クレッセント・シップに近付くのはやめてください! バチが当たります!」
クノッソス艦長
「最大戦速!」
モランのパイロット
「やめてください! 艦長〜!」
クノッサス艦長
「減速しましょう!」
マッシュナー
「駄目!」
クノッソス艦長
「最大の最大戦速!」
マッシュナー
「ロックパイが命を賭けてるんだから助ける!」
ロックパイ
「ビーム・コーティングというやつか! ガイトラッシュのビーム・サーベルを、掴んで防いでいる!」
音声
「レイハントン・サイン……レイハントン・サイン……」
ベルリ
「あっ……?」
アイーダ
「ラライヤ! ダミー隕石のワイヤーを切って!」
ラライヤ
「え? あぁっ……!」
ケルベス
「ステア! 分かってんのか?」
ステア
「オー・マイ・スコードッ!」
ギゼラ
「ステアーッ!」
ステア
「ちょい、ちょい……!」
ドニエル
「ギゼラも!」
オリバー
「姫様、ぶつかりますよ!」
アイーダ
「ぶつからないようにします! ラライヤさん!」
ラライヤ
「はい!」
ケルベス
「落ちないでください!」
ラライヤ
「ステアさん、右弦!」
「あぁっ……!」
アイーダ
「駄目ぇっ!」
ドニエル
「そのままだ、ステア!」
アイーダ
「はっ……抜けた!」
ドニエル
「抜けたのか?」
フラミニア
「クレッセント・シップの中です!」
マッシュナー
「ロックパイ!」
クノッソス艦長
「軍法会議ものだぞ!」
マッシュナー
「ロック! 生きてるか?」
ロックパイ
「し、司令! 僕、一生懸命頑張ったんですよ?」
マッシュナー
「そうだろう! 分かっているよ、ロック! ロックパイ!」
ベルリ
「こっちを向くと、メタルの振動が強くなった。ロルッカさん達が言おうとしていたことって、このことか」
「けど、フラミニアさんは言っていた……」
フラミニア
(回想)「ヘルメスの薔薇の設計図などという伝説など、確かめた人は……」
ベルリ
「居ないって……」
「そ、そりゃ、ドアなら開くんだろうけど……」
「開いた? 大き過ぎません?」
「あっ……」
「工場じゃないよな」
「あのパターン! そうか!」
「冗談と思えないのは、形がドンピシャリ!」
「来ましたよ!」
音声
「定常運転、起動スタート」
ベルリ
「あれ? 今あれは『定常運転スタート』って言ってたけど、だったら今まで、どうやって運転してたんだ?」
アイーダ
「ベルリ! この奥に居るんですか?」
ベルリ
「はい。坂道を真っ直ぐです」
アイーダ
「ここにGセルフごと入ったんですか?」
ベルリ
「えっ? いけなかったの?」
アイーダ
「ここはメイン・エンジン・ルームなんですよ?」
ベルリ
「えぇ? これ、メイン・エンジン・ルームだったんだ」
アイーダ
「位置を考えなさい」
「私達のメタルと同じ……?」
ベルリ
「うん。姉さんのメタルでも使えると思うな」
アイーダ
「よく分かったわね」
ベルリ
「僕は何もやっていない。あの目茶目茶なモビルスーツとの戦いの後は、父さんと母さんの仕掛けに乗ってなぞっただけさ」
アイーダ
「父と母の仕掛け……」
ベルリ
「こいつのお陰でね!」
アイーダ
「あぁっ……!」
ベルリ
「あっ! メガファウナとみんなは?」
アイーダ
「この船に接触したわ。全員無事でね」
ベルリ
「そうか!」
アイーダ
「だから私も、ここに来れたのでしょ?」
ベルリ
「そうだよね!」
アイーダ
「クレッセント・シップの艦長さんが、お礼を言ってる。聞こえるでしょう?」
ベルリ
「え? はい!」
「ヒックス・ルート・カプセルの解除ありがとう。そうでなければ、アイドリングを後二日続けなければ、クレッセント・シップは出港できなかった……」
「フォトン・バッテリーと同じような縛りがあるのか。ねっ!」