第19話 ビーナス・グロゥブの一団
- ハロビー
- 「ファイ、オー! ファイ、オー!」
- アダム
- 「な、何だとて……!」
- フラミニア
- 「はい、これでパイロット以外の方はシャワーを許可します」
- 「……が、パイロットはもう一周!」
- ベルリ
- 「えぇ〜っ!」
- オリバー
- 「何故なんだ!」
- ルアン
- 「先生、酷いよ!」
- アイーダ
- 「何で、こうまで汗を流させるんですか?」
- マニィ
- 「ふぅっ……!」
- ノレド
- 「駄目だぁ! こんな事、何日やらせれば気が済むんですよ?」
- フラミニア
- 「宇宙線の被爆対策と、体内の老廃物を吐き出す為です」
- ヤァン
- 「お疲れ様」
- ドニエル
- 「全くもう!」
- ロルッカ
- 「ま、まだ走れるぞ」
- ドニエル
- 「ロルッカさん……」
- ロルッカ
- 「ま、まだ……」
- ドニエル
- 「足、震えていますよ?」
- フラミニア
- 「苛めではありませんよ。ビーナス・グロゥブに入国する為に……」
- ヤァン
- 「フラミニア先生」
- フラミニア
- 「はい」
- ロルッカ
- 「……よくも、今日まで騙してくれたものだ」
- ドニエル
- 「シャワーだ、シャワー」
- ヤァン
- 「全員、悪性の遺伝形質はないようです」
- フラミニア
- 「やっぱり兄弟……」
- ヤァン
- 「自分はマシンの調整がありますから」
- フラミニア
- 「また、宜しくね」
- ヤァン
- 「いつでも」
- ドニエル
- 「どっちでもいいじゃないか!」
- ノレド
- 「良くない! おじさんはそっち!」
- ドニエル
- 「えぇっ? こっち?」
- ハロビー
- 「ペースを守って後一周! ペースを守って後一周!」
- リンゴ
- 「あの女がここの医者だったなんて、裏切りモンだよな?」
- ケルベス
- 「フラミニア先生が好きなんだ?」
- リンゴ
- 「違うって! クレッセント・シップでトワサンガに来たってんだから、ヘルメス財団のスパイだったんだろ?」
- ラライヤ
- 「スパイとは違うでしょ。ね、アイーダさん?」
- アイーダ
- 「医学的な関心のある調査員といった所ですね」
- リンゴ
- 「ロルッカさんもミラジさんも、騙されたって怒ってましたよ?」
- ケルベス
- 「体中の雑菌まで吐き出させる為に走らせてるっていうのさ」
- リンゴ
- 「ビーナス・グロゥブは清潔第一、クンタラを扱う以上に厳しいんだよ」
- ラライヤ
- 「クンタラなんて、大昔の話じゃないですか!」
- アイーダ
- 「明日はスカッシュをやりましょう」
- ベルリ
- 「え?」
- ケルベス
- 「よく保ちますね? 流石、元海賊だ!」
- リンゴ
- 「海賊? 何だよ、それ?」
- アイーダ
- 「ベル、スカッシュです!」
- ベルリ
- 「え? あ、はい!」
- ノレド
- 「船外活動に出ます」
- 船員
- 「了解、どうぞ」
- ラライヤ
- 「外のドア、開きます」
- ノレド
- 「マニィ、どっちだ?」
- マニィ
- 「左舷の下にボンベ一本!」
- ノレド、ラライヤ
- 「ようしっ!」
- アイーダ
- 「これは、後ろだって言ったでしょ? オリバー!」
- マニィ
- 「手伝います」
- オリバー
- 「すんません!」
- アイーダ、マニィ
- 「きゃっ!」
- オリバー
- 「これ、探してたんです」
- アイーダ
- 「もう!」
- ベルリ、ノレド
- 「ふふっ……」
- アイーダ
- 「笑った?」
- マニィ
- 「笑いましたね」
- ベルリ
- 「ミラジさん!」
- ミラジ
- 「ボンベは一本だけ流してくれ、レクテンが受け止める」
- 「補修シートも貰いたいな」
- ベルリ
- 「いいですよ。でも、ミラジさん達、色んな事をやるんですね」
- ミラジ
- 「レジスタンス紛いの事をやると、何でも屋になる」
- 「ん? 残りのボンベは……」
- ベルリ
- 「後ろですね」
- 「了解です、ミラジさん」
- マニィ
- 「……アイーダさん」
- アイーダ
- 「はい?」
- マニィ
- 「ノレドにラライヤさんにベルって、ああなんですか?」
- アイーダ
- 「ラライヤさんは、記憶を取り戻してからはベルとは気が合うようです」
- マニィ
- 「外れないんですか?」
- アイーダ
- 「えぇ」
- マニィ
- 「これ、駄目です。温めてやらないと」
- アイーダ
- 「そうなの?」
- マニィ
- 「あっ……あのチカチカするのって、何です?」
- アイーダ
- 「宇宙線……プラズマ粒子が、この船のビーム・シールドにぶつかって光っているんです。オーロラの素みたいなもの」
- マニィ
- 「……マスク大尉。どの星がルインの居る星なのか、分からないんだよ……」
- アダム
- 「Gセルフは、後ろでハッパがバラしている」
- 「え? レクテンの定期点検は今日からやらせますよ」
- ベルリ
- 「アダムさん」
- アダム
- 「ん?」
- ベルリ
- 「Gセルフは後ろですか?」
- アダム
- 「そうだ」
- ベルリ
- 「ハッパさん、ご面倒を掛けてるんですか?」
- ハッパ
- 「整備出来るようになったから、問題はない」
- ベルリ
- 「あ、この緩み治っている……」
- ハッパ
- 「レイハントン・コードは、元の制限コードに戻しておいたよ」
- ベルリ
- 「脱出ポットとしては使えますよね?」
- ハッパ
- 「コード制限があるって事は、Gセルフって、あくまでも貴様達を救いたいっていうシステムなんだよな」
- ベルリ
- 「え?」
- ハッパ
- 「いいご先祖様に感謝するんだな」
- ベルリ
- 「……あの両親の意思が、こういう所に働いていたんだ」
- 「アイーダさんは姉さんで、僕は弟かよ!」
- エル・カインド
- 「こちら、クレッセント・シップ艦長、エル・カインドです。地球からの方々にお知らせします。
- 5分後に流星を狙撃する為のビームを発射致します。上舷・右弦です」
- ラライヤ
- 「直径100メートル、距離5・2キロです」
- 「5キロです」
- 一同
- 「おぉ……!」
- アイーダ
- 「正確!」
- アダム
- 「流石ですな」
- マニィ
- 「狙い撃ち為損なったり、ビーム・バリアを突破する大きい流星が来たらさ……」
- ラライヤ
- 「そりゃ、この船だって……」
- ノレド
- 「どかーん、でしょ! ねぇ?」
- ラライヤ
- 「それはそう」
- マニィ
- 「帰りたいよ〜」
- ノレド
- 「そりゃそうだけど……」
- ラライヤ
- 「戻りたいといっても、あちらに戻る方が早いみたい」
- マニィ
- 「あ、あれ……」
- ノレド
- 「ビーナス・グロゥブ?」
- エル・カインド
- 「あれが、トワサンガで創出したヘルメス財団が建設したビーナス・グロゥブの全体の姿です」
- キア
- 「金星の磁気嵐が酷いが……」
- 「何だよ、チッカラ」
- チッカラ
- 「クレッセント・シップのコースは、オーシャン・リングへの進入コースに入りつつあります」
- クン
- 「本当は、このジロットのアンチ・ミノフスキーっていうの試してみたいですね、キア隊長」
- キア
- 「クレッセント・シップを頂きに行くのだ」
- エル・カインド
- 「Gセルフがこの船に飛び込んできた時に放出されたエネルギーが船の内側に封じ込められて、
- それによってエンジンは活性化してスタートしました。システムが刺激された事によって、能率が10%以上あがったのです」
- ノレド
- 「それって、この船の形がそうだからそうなったんですか?」
- エル・カインド
- 「勿論です。船体全体がフォトン・リアクションしたのです」
- ハッパ
- 「Gセルフのリフレクターの原理と同じですよ」
- ドニエル
- 「そうかい」
- ベルリ
- 「レイハントン・コードは関係無いですよね?」
- ミラジ
- 「はい。フォトン・リアクションは循環系の問題ですから」
- オリバー
- 「形そのものが性能を表してんだ?」
- ルアン
- 「そういうものでしょ?」
- ロルッカ
- 「……ああ、そうか」
- ベルリ
- 「はい?」
- ロルッカ
- 「我々は、YG……Gセルフをデータから建造してドレット軍の審査に合格した時点で、エネルギー論の事は考えませんでしたな」
- ミラジ
- 「レイハントン・コードを仕込む事しか考えていませんでした」
- ベルリ
- 「そうなんだ」
- ドニエル
- 「メガファウナなんか、ヘルメスの薔薇の設計図のままに組み立てたようなものだから、本当の働きを知っている技術者なんて居ないよな?」
- ベルリ
- 「よくもまあ、それで宇宙に上がってきましたね?」
- アイーダ
- 「宇宙世紀の技術を支えた歴史は歴史であったんですよ。滅びの技術ですけど」
- エル・カインド
- 「宇宙に取り残された絶望した人々も居たからこそ、トワサンガもあれも建造したのです」
- アイーダ
- 「あのビーナス・グロゥブが、フォトン・バッテリーの生産工場なのですね?」
- エル・カインド
- 「いや、すべて大型のバッテリーと考えてください。我々はオーシャン・リングで暮らして、あの空域を球体だけでバッテリーを完成させたいのです」
- アイーダ
- 「どのくらいの球体なのです?」
- エル・カインド
- 「月ぐらいの大きさでしょうな」
- アイーダ
- 「お月様……!」
- ミラジ
- 「そんな莫大なエネルギー……」
- ハッパ
- 「何に使うんです?」
- エル・カインド
- 「人類を永遠に生き延びさせる為です」
- ベルリ
- 「地球では『科学技術であるアグテックを改良してはならない』というタブーを押し付けておいて、勝手ですね」
- エル・カインド
- 「人類は、大量消費と戦争で地球を住めないようにしたのです。そんな人類にはアグテックのタブーは必要でした。
- その代わり、財団はフォトン・バッテリーは無条件で提供してきました」
- アイーダ
- 「エネルギーの配給権をキャピタル・タワーに独占させた為に、他の大陸の人々は……」
- ノレド
- 「アメリア人の感覚だけで喋るな!」
- ハロビー
- 「喋るな!」
- アイーダ
- 「人の自由を侵害されています!」
- ベルリ
- 「人は自然界のリズムに従うものでしょう」
- アイーダ
- 「でも、アメリアでは……」
- エル・カインド
- 「そのように教わって、お育ちになられたのですな」
- アイーダ
- 「え? 教わった? 教わったって……」
- ノレド
- 「自分で感じた事ではないってことだよ」
- ハロビー
- 「教わる、入力、教わる」
- アイーダ
- 「刷り込まれてたという事……?」
- キア
- 「トリプレットはラボに帰っていいぞ。我々はクレッセント・シップで帰る」
- チッカラ
- 「隊長のトワサンガから貰った情報って、間違いないんですかね?」
- クン
- 「それを確かめに行くんだろ? 地球圏の奴等の言う事なんか信用出来ないからね」
- C・シップ副長
- 「聞こえていますね? 聞こえている人は右手を上げる!」
- 「宜しい。冗談でもアルケインから離れてはならない。宇宙服のバーニアでクレッセントに戻れると思うな」
- 「宇宙では遠い物も近くに見える。クレッセントの大きさを数字で知っているつもりでも、実際に見ている感覚とは違うものだ。
- その違いを実感するのだ。話が分かったら両手を挙げろ!」
- 一同
- 「おおっ!」
- アイーダ
- 「遠い所から左右を分からせる色分け……確かに、ここからあそこまで1キロくらいあるなんて、見えない……数字だけの理解は、数字だけだものな」
- マニィ
- 「あそこでも点検修理やってる」
- ノレド
- 「あそこまで1キロあるなんて事、ないよね」
- ラライヤ
- 「ありますね」
- マニィ
- 「暗くなってる」
- ラライヤ
- 「握ればいいんです」
- マニィ
- 「そうか」
- アイーダ
- 「何が可笑しいんです?」
- ベルリ
- 「みんな聞こえていますよ」
- アイーダ
- 「オン・マイク……!」
- ベルリ
- 「切っちゃいけません。命取りになります」
- アイーダ
- 「分かっています。私の父は、間違った事を教えたんですか?」
- ベルリ
- 「え? 軍人さんとしては立派な方ですよ。ぼ、僕の運行長官の母は無骨物ですけど、責任感の強い立派な母です」
- アイーダ
- 「うん」
- 「着いたわ」
- アダム
- 「ワイヤー、止め!」
- マニィ
- 「それ!」
- ノレド、ラライヤ
- 「うわ〜!」
- アイーダ
- 「あの、オーシャン・リングというのは……」
- エル・カインド
- 「知っていれば見えるのですが、ビーナス・グロゥブのすぐ上にあります」
- アイーダ
- 「はい。オーシャン・リングというからには、海があるんでしょうか」
- エル・カインド
- 「海に似たようなものです。我々がそのようなものを造ってまでここで暮らしてきたのも、地球が決定的に貴重な星であるという証拠でもあるのです」
- ベルリ
- 「その地球では、キャピタル・タワーを取り合おうと宇宙艦隊が睨み合っているんです」
- エル・カインド
- 「経済的に豊かになってきたからでしょう」
- ベルリ
- 「そんな大人の理由はいいんです! 僕は、そういう戦いをやめさせる為には、姉さんのような人にはヘルメス財団の偉い人には会わせたいし、
- ビーナス・リングとかオーシャン・リングといったものを見てもらって……宇宙にある海の夢といったものを見付け出して欲しいんです!」
- アイーダ
- 「ベルリ……」
- エル・カインド
- 「現在のビーナス・グロゥブを統一しているラグゥという方は、大変高潔な方ですよ」
- ラライヤ
- 「……何か、良かったわね」
- マニィ
- 「ベルは、アイーダさんを姉さんと受け入れられたんだ」
- ノベル
- 「強い子だよね。耐久力ある」
- ハロビー
- 「何だよ、何だ」
- 船員
- 「艦長、ジット団が出迎えに出てますって」
- 「わっ! まただ……」
- エル・カインド
- 「その画像か」
- C・シップ副長
- 「ジット団なんて知りませんよ。何なんです?」
- アイーダ
- 「これが……?」
- 船員
- 「自分も知らないモビルスーツです」
- アイーダ
- 「どういう事なのでしょう」
- C・シップ副長
- 「聞き取れた部分を聞かせなさい」
- ベルリ
- 「あれが、ビーナス・グロゥブからの出迎えですか?」
- ケルベス
- 「伝説のモビルスーツのように見えるな……」
- ベルリ
- 「き、来た……!」
- ラライヤ
- 「こ、これって、G系のものじゃありません?」
- ベルリ
- 「あのポーズ、出迎えですか?」
- ケルベス
- 「穏やかじゃないな」
- マニィ
- 「動きます!」
- キア
- 「エル・カインド艦長を確認した!」
- エル・カインド
- 「ジット団の出迎えなど、まったく聞いていない!」
- キア
- 「クレッセント・シップを我が方に開放していただく!」
- アイーダ
- 「……ベルリは何処に居ます?」
- キア
- 「ここに居る地球人はメガファウナに移動していただく! このブリッジは正規のクルーだけにする!
- そこの地球人達も、そこからならメガファウナへ一飛びだろう!」
- アイーダ
- 「あ、えっ……?」
- ロルッカ
- 「皇子!」
- ベルリ
- 「貴方達は何なんですよ?」
- アイーダ
- 「ベル……!」
- エル・カインド
- 「少年?」
- C・シップ副長
- 「あっ……!」
- ベルリ
- 「駄目でしょ!」
- キア
- 「何だぁ?」
- ベルリ
- 「わっ!」
- ノレド
- 「ベル!」
- 「あっ!」
- ベルリ
- 「悪人!」
- エル・カインド
- 「ジット団というのは何なのだ? ラグゥの承認を得て出迎えに来たのではないな?」
- C・シップ副長
- 「艦長、キア・ムベッキと名乗っています」
- エル・カインド
- 「入れてやれ。顔が見たい」
- C・シップ副長
- 「副長の……」
- キア
- 「へっ! 地球人をここに置けば、どのように利用されるか分からんでしょ」
- エル・カインド
- 「キア・ムベッキ? ジット・ラボラトリィの技術保全局長……」
- キア
- 「メガファウナが勝手な行動を取ったら……」
- アイーダ
- 「了解しています」
- キア
- 「可愛くない女だ」
- ノレド
- 「んっ……!」
- ベルリ、ノレド
- 「わ、あ〜っ!」
- ジット団のパイロット
- 「中に入るんだぞ!」
- ケルベス
- 「みんな! バーニアを使え!」
- ラライヤ
- 「あぁ……!」
- ベルリ
- 「格納庫へ!」
- リンゴ
- 「バーニア操作!」
- ラライヤ
- 「敵は6機です!」
- マニィ
- 「あの大きいのは、2・3機分よ!」
- ケルベス
- 「エア・ロックは順番だぞ!」
- ベルリ
- 「あれ……あれ?」
- アダム
- 「証明は付けなくていい!」
- クレン
- 「どうして……!」
- アダム
- 「接触回線で聞こえるな? 赤い証明にしたら、奴等に警戒されるだろ」
- クレン
- 「あぁ……」
- ケルベス
- 「命令通り、今は迂闊に動いちゃならない!」
- ベルリ
- 「外に出なければいいんでしょ?」
- ケルベス
- 「その筈だ」
- ベルリ
- 「開いてて……何を見てるんだ?」
- ハッパ
- 「何してるんです? 貴方達……」
- 「うわっ!」
- ベルリ
- 「ハッパさん!」
- ハッパ
- 「Gセルフを盗み出すつもりだ!」
- ベルリ
- 「誰が……!」
- フラミニア
- 「戻ってきた!」
- ベルリ
- 「フラミニア先生! 何をしているんです?」
- ヤーン
- 「パネルもスタイルもユニバーサル・スタンダードなのに、何で、私に動かせないんだ?」
- ベルリ
- 「この機体は両親からの遺産です! ユニバーサルなものじゃないんです! 僕と姉とラライヤだけのものなんですよ!」
- フラミニア
- 「宇宙で使う道具は、誰にでも使えるものでなくてはなりません!」
- ベルリ
- 「Gセルフだけは違うんです!」
- フラミニア
- 「それはタブー破りです!」
- ハッパ
- 「ケルベス中尉! ベルリ、見えますか?」
- ケルベス
- 「何? ベルリ、どうした! フラミニア先生がどうしたって?」
- ハッパ
- 「フラミニア先生が、ベルリを捨てた?」
- ヤーン
- 「……駄目です」
- フラミニア
- 「そんな……!」
- ベルリ
- 「ガ、ガンダ……」
- チッカラ
- 「力付くで回収するまでもない! 貴様等も抵抗をするな!」
- ノレド
- 「ベルがどうしたって?」
- 「ベル、死んじゃったの?」
- マニィ
- 「私達は外に出てません!」
- アイーダ
- 「そちらの命令には従っています!」
- チッカラ
- 「分かっちゃいるけど、戦争好きな地球人だ。一歩でも外に出たら宇宙の塵になってもらうしかない。
- 戦争好きなら、ジロッドの威力は想像が付くだろ?」
- ラライヤ
- 「ま、まるで、砲台のレーザーキャノンみたい……!」
- ルアン
- 「これって、戦艦をぶち抜くんじゃねぇの?」
- リンゴ
- 「フォトン・バッテリーを作ってる人達って、平和的な人間だって信じていたけど……!」
- ノレド
- 「ベルリって、死んじゃってるんじゃないの? フラミニア先生!」
- フラミニア
- 「死んではいません。働き過ぎのベルリ君には、休んでもらってもいいでしょう」
- 「ヤーン、貴方の気持ちは分かりました。後は……」
- ヤーン
- 「す、すみません。真っ先にこの船を制圧しようと思ったのに……」
- メディー
- 「一晩で目覚めるでしょう。全量が注射をされた訳じゃありませんし」
- ノレド
- 「本当ですね?」
- メディー
- 「しかし、何でこんなに固まってるんです?」
- 「んっ……」
- キラン
- 「監視カメラですか?」
- ドニエル
- 「危険分子はここに集められた」
- メディー
- 「ぷっ」
- キラン
- 「ふふっ……」
- キア
- 「メガファウナのクルーに教えておく! 我々はトワサンガのハザム政権から、貴校らの処分を頼まれた事もあって出迎えたのである!
- それは承知しておいてもらいたい!」
- エル・カインド
- 「ちょ、ちょっと待ちなさい! ロザリオ・テンの威光、ラグゥ総裁はご承知の事なのだろうな?」
- キア
- 「ふんっ!」
- 船員
- 「か、艦長!」
- キア
- 「ロザリオ・テンとラグゥには関係が無い! これは、ジット・ラボラトリィが直接請負った仕事である!」
- エル・カインド
- 「ば、罰当たりめ! ばっ……」
- クン
- 「ロザリオ・テンの邪魔はありますよ?」
- キア
- 「同調者は居るんだ」
- チッカラ
- 「ジット・ラボとしての作戦は万全ですものね」
- キア
- 「月は満ちたのさ」