第24話 宇宙のカレイドスコープ

バララ
「ジット団からご提供いただいたユグドラシルを実戦に投入できれば、アメリアの残存戦力などは簡単に全滅させられるでしょう。
これが出来るのも、マニィ・アンバサダ、みんな貴様の活躍があったからだ」
マニィ
「そう言っていただいて、光栄です」
バララ
「私は、一杯いい思いをさせてもらったから、大事にすんだよ」
マニィ
「え……?」
バララ
「では!」
ヤーン
「カバカーリーって、クンタラの守護神の名前なんですか?」
マスク
「いや、クンタラの魂の安住の地カーバの守護神、カーリーというのが正しいですね」
マニィ
「この機体にはお似合いですけど、ジット団は色々作ったんですね」
ローゼンタール
「クンやチッカラが運び込んだお陰で、地球に来るまで大変だったのよ?」
マニィ
「整備で?」
ローゼンタール
「組み立てからよ」
マニィ
「あぁ」
フラミニア
「ユグドラシルが出ます」
ロルッカ
「シンプルな形ですね」
フラミニア
「大尉、本当にビフロンは壊していいのですね?」
マスク
「あれはもう限界ですから、本人に始末を付けさせるのです」
フラミニア
「よく分かりました」
マニィ
「……ここの人達って、軍人に憧れているみたいですね」
マスク
「ビーナス・グロゥブを見てきたのだろう? 平和過ぎるとあのような人が出てくるのさ」
マニィ
「大尉はマスクをしていると、軍人……」
マスク
「俺はマニィがこうして居てくれるから、戦う勇気を貰えるのだ。今回マニィが居なくなって、つくづく思い知った」
マニィ
「だったら、私の願いを聞いてくれます?」
マスク
「ああ、聞くぞ。何だ?」
マニィ
「ベルリと友達になってください」
マスク
「それは駄目だ。あいつは母親の家系の力で、将来の長官の道を約束されているような奴だからな」
マニィ
「それ、誤解です」
マスク
「アメリア軍の総監の娘とも手を組んだものだから、独裁者のようなものになる!」
マニィ
「アイーダとベルリは姉弟なんですよ?」
マスク
「ふざけているのか……?」
マニィ
「トワサンガのレイハントン家の子供で、赤ん坊の時に地球に亡命させられたんだって……」
マスク
「馬鹿な……」
マニィ
「Gセルフを操縦出来た事で、姉弟だって分かって……」
マスク
「それが本当なら、益々権力者になる血筋じゃないか! 人に食われる過去を持つクンタラなど、虫螻以下に扱う奴等なんだよ!」
部下
「リフレクター・バリア、良し!」
 〃
「ビフロンは、どう来るんだ?」
バララ
「そんな事、知るか!」
部下
「えぇっ?」
マスク
「流石、バララだ。言い出した事はやってみせるな」
「破片……?」
「バララ」
「あっ……?」
「また、どういうつもりだ?」
バララ
「ふざけたんじゃありません。機動テストです。こんなに速く動くなんて思わなかったでしょ?」
マスク
「確かに今の動きは、形からは想像できないな」
バララ
「では、ユグドラシルは当初の予定通り出撃します」
部下
「はっ、どうぞ!」
ラライヤ
「私達が行った所はロザリオ・テンとオーシャン・デスクだけですから、ビーナス・グロゥブの1%も見ていません」
ゲル法王
「ビーナス・グロゥブのラ・グーという方は?」
ノレド
「とても面白いファッションで、いつも『ごめん、ごめん』って」
「ね?」
ラライヤ
「謙虚な方でした」
ゲル法王
「二百歳……」
ベルリ
「第二ナットのハイアーンでは、母とクンパ大佐がお待ちしていますので……」
ゲル法王
「有難う。アメリアの艦隊は、いつ出て行ったのです?」
アイーダ
「父は、ドレット艦隊からの停戦協定の返事が遅いので、急がせたいと出掛けました」
ベルリ
「ザンクトポルトから、この低軌道で戦ってきた艦隊同士が停戦するなんて事、あるんですか?」
ゲル法王
「あのカシーバ・ミコシを還すというのであれば、可能でしょう」
アイーダ
「失礼」
ゲル法王
「カシーバ・ミコシには、そういう力があるのです」
アイーダ
「そのような存在を無視する時代になったと、ラ・グー総裁は仰っていました」
ゲル法王
「スコード教やタブーの成り立ちが忘れられるようになった事を、お二人の御両親は恐れていました」
アイーダ
「ご存知でしたか」
ゲル法王
「いや、ザンクトポルトでお噂を聞いていたという事です」
ベルリ
「姉さん」
「失礼致します、法王様」
ゲル法王
「ご苦労でした」
アイーダ
「わたくし、育てられた運命があると思っています。では」
ラライヤ
「良い旅を」
ノレド、ハロビー
「ご機嫌よう」
ゲル法王
「ご機嫌よう」
ミック
「法王のランチです」
クリム
「ハイアーンに行くか?」
ミック
「我々も行きますよ」
クリム
「行けよ」
ロルッカ
「拾い物だと思いますよ。このダーマとダハックは」
クリム
「ダーマとダハック?」
ロルッカ
「ほら、あれです」
クリム
「ダーマを装甲にしたモビルスーツという事ですか?」
ロルッカ
「ジット団の連中の自信作です」
ミック
「フフッ……」
クリム
「な、何だ?」
ミック
「あのトリニティっていうの、邪魔な手足も武装させたって代物で、私に使わせてくれるって。フフッ」
クリム
「すぐに試し乗りしたいが」
整備兵
「慣れるのは早い方がいいです」
ミック
「あっ、姫様!」
整備兵
「支度しておきます」
クリム
「頼みます」
ミック
「法王様をお迎えくださったとか」
アイーダ
「クリム、感謝します」
クリム
「姫様に喜んでもらえるのは嬉しい」
ミック
「昨日のサラマンドラの動きがあったから、私達が法王様をキャピタル・タワーにお戻しする事ができたんです」
ベルリ
「ご無沙汰です。凄いっすね、これ!」
クリム
「ジャハナムもヘカテーも戦い続けてかなり傷んでいたから……」
ミック
「こういう物を持ってきてくれなかったら、一生恨みましたよ?」
アイーダ
「本当にごめんなさい、ミック・ジャック」
「クリム・ニックにも、私の我儘で迷惑を掛けました。ごめんなさい」
クリム
「クレッセント・シップの手土産は……」
ミック
「そりゃ、感動しますよ」
ベルリ
「姉さん、凄いな」
ドレット
「我々とアメリアの艦隊が、上と下からキャピタル・アーミィ挟み込んで叩こうという作戦は、半分は停戦の申し入れだ」
ターボ
「アメリアのズッキーニ大統領が、我々のキャピタル・テリトリィへの移住も認めているのですから」
マッシュナー
「これは和平交渉だろ?」
ターボ
「体裁はそうなのだが、アメリアはカシーバ・ミコシを押さえたのです。交渉は不利になります」
マッシュナー
「ロックパイの仇を討たせてもらってからなら、戦争はやめましょうよ」
ドレット
「またそれか……」
クリム
「では、ラトルパイソンへ」
ミック
「はい」
クリム
「こちらは、クレッセント・シップとカシーバ・ミコシを占拠しているのですから絶対的に有利だというのに、何故停戦協定なのです?」
グシオン
「ドレット艦隊とは連合してだな、キャピタル・アーミィを叩く為だ」
クリム
「宇宙世紀時代のトラウマを引き摺っている連中などは、信用できません」
ミック
「サラマンドラには、耐熱フィルムのコーティングをしてもらいましたから……」
クリム
「地球に降りても勝てるんですよ」
グシオン
「あのな。ドレット艦隊だって疲れているのだから、地球に降ろさせてからと考えるのだ」
ミック
「え? 地球に降ろしてから……」
クリム
「ドレット艦隊の事を考えるって……」
グシオン
「その後の事は、自分の頭で考えるんだな。少年」
アーミィ兵士
「どこ歩ってんだ! 軍事基地になったんだから!」
クンパ
「申し訳ありません。こちらのお部屋でお待ちください」
ゲル法王
「第二ナットのハイアーンまで軍事基地にする事は……」
クンパ
「ご容赦を。ここを最後の防衛線にする為です」
ウィルミット
「この度は、カシーバ・ミコシで人質になったりしてご苦労様でした」
ゲル法王
「なに、私はいつも同じ部屋に座っていただけですから」
アーミィ兵士
「遅い! そんな事で、ジュガン指令を守れるのか!」
「あ、大佐……」
クンパ
「あぁ、いや。つい見蕩れてしまいました」
アーミィ兵士
「司令部に持ち込むんじゃない!」
 〃
「じゃあ、どこでやれってんだ!」
ジュガン
「……お、大佐。法王はご到着ですな?」
クンパ
「何で指令自ら出撃なさるのです?」
ジュガン
「ドレットとグシオンの艦隊が合流するというのなら、確かめたい」
クンパ
「我々には、アメリアの大統領を狙い撃ちできるミサイルがあり、マスク大尉はフルムーン・シップに協力を取り付けたのです」
ジュガン
「あのな。戦場の臨場感を知らなくては、指揮は執れん!」
クンパ
「……ドレット艦隊は絶対にキャピタル・タワーを破壊はしない。なのに、戦争をしたがる地球人というのは腐り切っている!」
ジュガン
「ドレットとアメリアの艦隊が合流している空域に向かうが、アメリアにはクレッセントもカシーバ・ミコシも付いているのだから、
グシオンがドレットと手を結ぶとは思えんのだ」
部下
「フルムーン・シップと合流したマスク大尉とは、まだ何も……」
ジュガン
「面白い事になるから行くんだよ」
部下
「ブルジン、行くぞ!」
ドニエル
「第二ナットのハイアーンからキャピタル・アーミィの戦艦が出てきたっていうのか」
「そういう事って有り得るんですか? 姫様、ベルリ君」
アイーダ
「ブルジンとかいう船が、出撃準備していましたよね」
ノレド
「何で、お母さんが止めてくれなかったの?」
ベルリ
「クラウンの時刻表の事しか頭になけりゃ、アーミィに何かなんか言ってくれませんよ」
ハッパ
「アイーダさん。フルドレス、テストです」
アイーダ
「あっ、はい」
ハッパ
「どうぞ。レーザーのレンズ調整はやってくださいよ」
アイーダ
「はい」
ハッパ
「ベルリは、アサルトを引っ張っていけるな?」
ベルリ
「使うつもりはありませんよ」
ハッパ
「何で?」
ベルリ
「長距離の狙撃なんて、パイロットを殺すだけですから」
アイーダ
「ベルリ、有難う」
ベルリ
「え?」
アイーダ
「戦い次第で、有効な武器を使い分けましょう」
ベルリ
「は、はい」
アイーダ
「カーヒル大尉の事は、もう貴方は忘れていいわ」
ベルリ
「有難う、姉さん」
ケルベス
「しかしな、ベルリ生徒。純粋な牽制攻撃ってのにもアサルトは有効なんだぜ」
リンゴ
「要するに、みんなを守って欲しいんだよ。Gセルフの力で」
「どうしたんだ?」
ベルリ
「ブリッジのモニタで、敵の艦隊チェック」
リンゴ
「マメな事で」
ラライヤ
「私も……」
ノレド
「行く!」
リンゴ
「船からはみ出たら死ぬぞ!」
アイーダ
「ふっ、元気になってくれた」
「有難う」
ギゼラ
「レーダーが殺されましたから、そっちはCGに切り替えました」
ドニエル
「艦隊が出会う空域に、ミノフスキー粒子か」
アイーダ
「ドレットのアメリアの艦隊って、停戦協定を結ぶとか言ってましたよね」
ドニエル
「それを期待してたんだが……」
ベルリ
「カメラのデータをCG化しているにしても……」
ノレド
「艦隊同士の船の動き、凄く変だよ?」
ラライヤ
「これって、話し合いの為の動きじゃありませんよ」
ドニエル
「ステア、エンジン臨界!」
ドレット
「無線が使えないという事は、この近距離で艦隊戦をやれという事だ! 撃てよ、撃たせろ!」
ターボ
「今砲撃戦をやったら、味方のモビルスーツを撃ち落とす事になります。
アメリア艦隊も迷っているという事は、このミノフスキー粒子は第三者が撒いたものです」
ドレット
「第三者だと? 第三者というのは……」
グシオン
「フルムーン・シップの方位なのか?」
ラトルパイソン艦長
「いや、遠過ぎます」
グシオン
「艦隊戦になる! モビルスーツは後退させろ!」
ミック
「フルムーン・シップから、何か出ましたね?」
クリム
「マスクの事だ」
「ミックはサラマンドラまで下がれ!」
ミック
「はい!」
クリム
「天才クリム……どう読む、この事態」
「観戦させてもらうか!」
ドニエル
「ブルジンがモビルスーツ部隊を放出しただと?」
ギゼラ
「最大望遠です」
ドニエル
「キャピタル・アーミィめ。面白がって」
「総員、第一戦闘配備で待機! ぼやぼやしていたら、モビルスーツ戦になるぞ!」
バララ
「テンダー・ビーム、照射用意! 第一戦闘距離に入った! アイドリングスタート!」
部下
「スタートします!」
バララ
「ユグドラシル、目を開けよ」
「あの小娘を殴り飛ばしてマスクに嫌われるのも嫌だが、何も出来ない女だと思われるのはもっと嫌だ!」
「ユグドラシル! 私の運勢を占え!」
「ふふっ、ドレットとアメリアの艦隊が勢揃いなんてさ! お馬鹿さん!」
「気付かれたって!」
ターボ
「どこからだ?」
ドレット
「何ぃっ!」
マッシュナー
「フルムーンからのマシンだ!」
グシオン
「回避運動!」
ラトルパイソン艦長
「ターゲットに撃てぇっ!」
アメリア兵士
「曲がるビームに惑わされるな! 左舷、上だ! 上!」
クリム
「ビームの捻れが尋常ではない!」
ミック
「消える瞬間、大きな樹のように見えました!」
クリム
「フルムーン・シップから持ち出した兵器だ!」
マスク
「テンダー・ビームの威力、ここからでも分かります」
クン
「もっと威力はありますよ?」
チッカラ
「マスク大尉の部下バララ・ペオール、やるじゃないですか」
マスク
「はい、優れたパイロットです」
「バララ、戦場に嫉妬を持ち込むと死ぬぞ……!」
マニィ
「見えないんですか?」
フラミニア
「ガランデンも大気層越しになっているんですから、無理です」
マニィ
「そうですよね」
フラミニア
「ユグドラシルの威力とか、キア隊長とクンタラの志しが一緒になれば、ビーナス・グロゥブに住む必要のない世の中が創れるんです。
フルムーンと言いますけれど、これってただの輸送船なんですよ」
バララ
「何だ、この振動?」
部下
「い、位相が……!」
 〃
「反転しました!」
バララ
「これがテンダー・ビームの欠点だろうが!」
ドレット
「敵が見えているのに、何故、反撃しない!」
ベルリ
「アサルトを乱れビームの震源地に撃ち込みます! それまでは前に出ない!」
アイーダ
「了解!」
ケルベス
「よく狙え!」
ラライヤ
「そうです!」
ノレド
「私が付いてる!」
リンゴ
「リンゴだろ!」
ケルベス隊
「押忍!」
ポリジット隊
「はいです!」
バララ
「ふふっ、マスク! 私はパイロットとしては完璧だ! あんな小娘なんかと比べるのなら、こうしてやるよ!」
マッシュナー
「もっと急角度だ!」
クノッソス艦長
「逃げ出すのか?」
マッシュナー
「不意打ちの上にあのビームです!」
クノッソス
「ノートゥ将軍のギニアビザウは……!」
マッシュナー
「ここは逃げろってロックパイが言ってきたんです!」
クノッソス艦長
「ひっ! こんな時にも……!」
部下
「地球側から強力……!」
バララ
「ビームとミサイル?」
部下
「バリアが破られます!」
バララ
「テンダー・ビーム!」
部下
「駄目です!」
バララ
「これ……!」
「奴が来ているんだ! 振動を止めろ、バリアだ! テンダーも!」
ベルリ
「姉さん、フル・ドレスにしたレーザーはバリアになります」
アイーダ
「使い方は分かっています」
「ルシファーが?」
ラライヤ
「突破口はルシファーが開きます!」
ノレド
「そのつもりだよ!」
リンゴ
「ラライヤさん! ルシファーのその格好、やめて……あぁっ!」
ノレド
「来た!」
ラライヤ
「発進・放出!」
ハロビー
「放出!」
アイーダ
「懐に飛び込めば!」
部下
「来ました!」
バララ
「テンダー!」
アイーダ
「フル・ドレスって、眩しいんだから!」
バララ
「テンダー・ビームが流されているだって?」
ドレット
「使えるランチ、ビーグルで、脱出できる者はキャピタル・タワーに潜り込ませろ!」
ターボ
「それでは敵前逃亡です!」
ドレット
「艦隊の本来の目的はレコンギスタである! 一人でも多くの者をキャピタル・タワーから地球に潜入させて、将来化けさせるのだ!」
ギニアビザウ艦長
「化ける……と、仰いましたか?」
ドレット
「地球に降りれば願いは化ける!」
ギニアビザウ艦長
「総員! あっ……!」
ドレット
「キャピタ……わぁぁっ!」
ラトルパイソン艦長
「ギニアビザウ撃沈、だな……」
グシオン
「見ているよ」
ベルリ
「姉さんは、ラトルパイソンのお父上を!」
アイーダ
「はい!」
ベルリ
「アサルト・モード!」
部下
「被弾しました!」
バララ
「馬鹿な! Gセルフってか!」
ベルリ
「ビームが跳ね返される!」
バララ
「Gセルフなら! ユグドラシル!」
ベルリ
「コピペ・シールド! 行けるよね?」
「艦隊を丸ごと破壊する事が、どういう事か分かれ!」
バララ
「ベルリか!」
ベルリ
「バララ・ペオール!」
アイーダ
「お父様、宇宙服を着てください!」
グシオン
「ピラミッドの敵はどうした?」
アイーダ
「制圧しつつあります!」
「あれ……!」
「何? お父様!」
「え? お父様……」
「何これ? これって、何……?」
「うっ!」
ベルリ
「姉さん! この空域から脱出します!」
ラライヤ
「瓦礫が多い! ドレットとアメリアの生き残りも居ますから、危険です!」
ノレド
「この空域全体が、フルムーン・シップにも近付いているし……!」
ハロビー
「近付く、近付く」
ノレド
「ね、アイーダさん!」
アイーダ
「は、はい……!」
ベルリ
「姉さん、泣くのは後にしましょう」
アイーダ
「うぅっ、お父様は本当に停戦を信じていた……」
ベルリ
「あんな物を再生させたビーナス・グロゥブなんて……そんなフルムーン・シップにマスクは合流して、あれを持ち出したんだ」